月別アーカイブ: 2001年12月

『放課後の音楽室』…『image』から

■鈴鹿の島村楽器までミキサーを受け取りに行きました。8チャンネルの小型ですが私のDTMにはこれで十分と思っています。
■往復のドライブは『image』(イマージュ)ばかりきいていました。このCDを買った理由は加古隆の『黄昏のワルツ』がききたかったからです。私は曲名をあまり意識しなくて、『黄昏のワルツ』という曲名もたった今知ったばかりです。『黄昏のワルツ』よりもNHKの『にんげんドキュメント』のテーマ曲として覚えていました。だから、ゴンチチの『放課後の音楽室』も、知り合いと、ゴンチチの曲の雰囲気と『放課後の音楽室』の言葉のイメージがいいねという話をしておきながら、その曲が『image』に入っているとはたった今まで知りませんでした。何百回ときいてきたのになんということか!
■『image』をずっとききながら、帰りは広域農道グリーンロードをゆっくり走ってきました。やわらかな冬の日差しがちょうど逆光で、冬枯れの枝に残った枯れ葉は金色に輝いていまいした。
■加古隆の曲は『image』に2曲入っています。『パリは燃えているか』も印象的な曲です。そして、ゴンチチの『放課後の音楽室』もアンドリュー・ロイド・ウェッバーの『ピエ・イエズ』も宮本文昭のオーボエもエンニオ・モリコーネもきき応え十分です。音楽が空間を作っています。きく人はその空間に包まれてしまいます。そんな音楽はどうしてできるのでしょうか。そんな文脈に身を委ねてみたいと思うことがあります。

“ふちなし”に心乱れる年の暮れ

■やっと年賀状を作ってプリントを始めました。“ふちなしプリント”にしたくて、今のプリンタを下取りに出して新しいプリンタを買おうかどうしようかとずっと迷っていました。“ふちなし”だと年賀状のデザインもちがってきます。それで今頃になってしまいました。“ふちなし”はキャノンも参入してエプソンの独壇場ではなくなりました。消費者にとっては選択肢が増えたわけで大歓迎です。クオリティ競争も価格競争も期待しています。こうして迷っていていもやっぱり楽しい。でも、ほんとにエプソンとキャノンのどちらがいいのだろう。
■今使っている2台のカラープリンタ、エプソンのPM2000CとPM670Cは“ふちなしプリント”も長年月保存もできませんが、画質はこれといって不満はありません。インクも安い! 画質に不満があるプリントは元データのクオリティに問題があるからその程度のプリントしかできない場合がほとんどです。店頭のプリントサンプルはプロのフォトグラファーがそれなりの機材を使ってそれなりの条件下で撮影したものが元データとなっています。プリントの粒状感は参考になりますが、サンプルのあの見た目の「わっ、きれい!」感はアマチュアではほとんど出せないですね。だから今のプリンタでいいや、と思ってしまうのです。
■でも、“ふちなし”の魅力はまた別です。銀塩写真のプリントから白い枠がなくなったときはどこを持てばいいのだろうとはたと困ってしまったことを覚えています。今では白い枠も写真の一部で意図的に使うものだと思っています。モノクロのネガの黒枠もそうです。“ふちなし”は写真に広がりがあっていいものだと思っています。ほしい!
■いろいろ調べていくうちに単純な疑問が湧いてきました。デジカメで撮っても銀塩で撮っても、元データの縦横比は必ずしもプリントペーパーのそれと一致するわけではありませんからどこかがカットされてしまいます。そのへんの処理はどうなるのだろうという疑問です。データのクオリティを上げるには撮影時から余分なところは写し込まないことが大事で、もちろん“作品”として撮影時の構図は大事にして仕上げまでもっていきたい。一眼レフのファインダー視野率100%にこだわる理由はそこにあります。
■元データと“ふちなしプリント”の関係について、『デジタルカメラマガジン』1月号では次のように書いてあります。「余白付きはPMシリーズ、四辺フチなしはBJシリーズが印刷しやすい」という見出しで、「余白を付ける場合、画像が用紙の中央にあるほうが見た目は美しい。ところが、PMシリーズは「用紙設定」画面の「印刷可能領域」の「センタリング」をオンにするだけでこれが可能だが、BJシリーズにこの機能はない。Photoshopの「プリントプレビュー」画面の「画像を中央に」をオンにしても1㎜程度のズレが出てしまう。」 また、「PMシリーズでの四辺フチなし印刷は、用紙サイズとプリントサイズを合わせても、はみ出し量が多めであるため画像内の必要な部分が切れてしまうことがある。これに対し、BJシリーズでは「はみ出し量」を設定できるので、これを小さくしてできる画像が切れないようにすることが可能だ。ただし、はみ出し量を最小にした場合、用紙の左右に1㎜程度の余白ができることがある」というのだ。つまり、PMシリーズの“ふちなしプリント”は“やってみなけりゃわからない”し、BJシリーズでは“確実にできるとは限らない”のです。
■そんなこんなで“ふちなしプリント”は見送って、余白のコントロールをソフトの操作とコンテンツのデザインで工夫して「わっ、きれい!」感を出そうとしました。
■ソフトはこれまでフジフィルムの『かんたん!』を使ってきましたが、余白がどうしても広くなってしまうので今回は他のソフトを試してみることにしました。ふだん仕事で使っている『ワード』の「ページ設定」でやたら細かい数字が並んでいること思い出して、余白のコントロールもかなりのところまでできるのではないかと試してみました。プリントの「上」「右」「左」を3㎜に、「下」を14㎜にすると、ほどよい余白と最大サイズのコンテンツのスペースがとれることがわかってきました。でも、「下」の14㎜はどう見ても「余白」です。かといってプリンタドライバで「センタリング」をオンにすると「下」はやっぱり14㎜を残してコンテンツが切れてしまいます。その余白をどうしようかとずっと考えていて、そこに新たにデザイン文字などをプリントして埋めることを思いつきました。もちろん、2回目のプリントでは上下を逆にします。1回目でできた「下」の余白が2回目のプリントでは「上」にくるようにセットするわけです。これはうまくいきました。葉書を横長で使って、右横の縦余白にデザイン文字を入れました。
■『ワード』は年賀状などカード作成専用ソフトと比べても遜色のない処理ができることがわかりました。むしろ『ワード』の方が柔軟にこなしてくれるように感じています。
■今回の年賀状は郵政省のインクジェッタプリンタ用年賀葉書を使いましたが、階調や黒のしまりに不満がありました。テストプリントはフジフィルムの光沢葉書でしました。こちらはさすがにきれいです。色のヌケ、細かな粒状感、豊かな階調、黒のしまり…CPを考えるといい選択だと思っています。
■それにしても“ふちなしプリント”はもうちょっとユーザーの意図がきちんと反映できるようにならないものでしょうか。それともこんなうるさいユーザーは他の方法を考えるべきなのでしょうか

『ハリー・ポッターと賢者の石』

■桑名のマイカルまで『ハリー・ポッターと賢者の石』をみに行きました。制作の意気込みも160分という長さがよく表しています。
■原作も主役もイギリス人なのでイギリス演劇の香りを期待していましたが、お金もCGもやっぱりアメリカでないと用意できなかったようです。音楽はジョン・ウィリアムスで、ホルンとトロンボーン主体のメロディに弦の刻みはやっぱりこれもアメリカの香りです。画面のエンターテイメントさという点ではおもしろかったですね。
■主役のダニエル・ラドクリフは抜群のキャスティングでした。パンフレットには、コロンバス監督がBBC制作のテレビ映画『デビッド・コパフィ-ルド』のビデオ・ジャケットを見て「ここにいた! ハリー・ポッターがいたよ!」と叫んだとのことです。デビッド・コパフィールドとハリー・ポッター…ふたりとも小さな頃よその家に預けられて育ち、自分が進むべき道を理解ある人たちとともに見つけていきます。その真摯な姿に共通するところがあります。ハーマイオニー・グレンジャー役のエマ・ワトソンもロン・ウィーズリー役のルパート・グリントもよかったです。ハリーとロンのヘアスタイルはちょっとマッシュルームっぽくてイギリスの香りです。
■桑名のマイカルには三重県唯一のスターバックスがあります。私はスターバックスのカプチーノが大のお気に入りです。今日は白地にスタバのマークのタンブラーに入れてもらって『ハリー・ポッター』をみに行きました。このタンブラーはコーヒーを飲みながらの通勤ドライブに使います。シンプルだけどお洒落なデザインです。保温効果もあるし飲み口付きのフタもいい。スタバの落ち着いた店も好きで、今日も雑誌を読みながら長い時間いました。
■その雑誌は『デジタルカメラマガジン』(インプレス)の1月号です。キャノンEOS1Dの特集です。EOS1DとニコンD1xはどうしても比べてしまいます。私はそのどちらも実物すら見たことがありません。雑誌やインターネットのサンプル画像を見てのコメントです。たしかに解像度という点ではD1xが有利ですが、どこか銀塩ライクな深みがあるEOS1Dのデータに好感を持っています。デジタルカメラの写真はコンピュータでのレタッチも含めていかに作品としてまとめるかが大事なので、そこまで視野に入れた使い勝手を見ていきたいと思っています。今から思うとニコンD1はNTSCという色空間がよかったのでしょうか。
■『デジタルカメラマガジン』1月号では、他に、「EOS1D、EOSD30にライカやコンタックスのレンズを装着する」が興味深いコンテンツでした。ライカのレンズとEOSとの“相性”は抜群ですね。あと、「プロが教える作品作り全行程徹底マニュアル」がわかりやすくまとめてあって、これまでいろいろな本を参考に手探りでしてきたレタッチは何だったんだろうと思ってしまいました。ところで、PhotoshopElementはどうしてトーンカーブを省いてしまったんでしょうね。ほんとに残念です。

XGworksの文字化け

■『おかあさんといっしょ』の歌を新しく打ち込もうとしたら、なんと、XGworksの楽譜の音符などが飛行機やスマイルマークなどに文字化けしていてびっくり! 打ち込んだ曲は一応演奏されるものの、楽譜は???だし、新しい打ち込みもさっぱりわけがわからず。Googleで“XGworks”と“文字化け”で検索したところ、解決策をヒットしました。インターネット様々です。転載します。(ヤマハは無断転載を禁じているようですが、これはXGworksを使う上で必須情報なので敢えてアップします。)

★あれ?音符が飛行機に…!!

Windows98でシーケンスソフトを使っているとき、楽譜画面を開くと音符が飛行機やいろいろな記号に「文字化け」していた経験はありませんか?
今回はこんな症状の解決方法をXgworksを例にとってご案内いたします。

◎まずはマイコンピュータより、コントロールパネル、フォントで各フォントアイコン(青と灰色のTTが付いているアイコン)をダブルクリックしてサンプル文字が開くかどうかを確認してください。

(A)XGmusicフォントが開く場合
アンインストールした後、再インストールで解決いたします。

(B)XGmusicフォントが開かないが他のフォントが開くという場合
XGmusic(XGworks V4.0の場合、Xgmusic2も)を削除した後にアンインストールしてから、再インストールを行ってください。
再インストールの際は、インストール先を変更せずに、ウィルスチェックなどのソフトを無効にしてからインストールを行ってください。

(C)XGmusicフォントも他のフォントも開かないという場合
Windows98のフォントキャッシュが正しく機能していないケースがあります。フォントキャッシュにつきましてはパソコン自体の問題となりますので、詳細情報はパソコンメーカーにご確認ください。

◎なお、以下の手順でフォントキャッシュを削除する事で文字化けが解決したとの報告がございます。参考情報としてご案内させていただきます。(再起動後に新しいttfCacheが作られます)
削除するファイルは”ttfCache(TureTypeFont Cacheの略)”です。
1. Windowsのスタートメニュー>プログラム>エクスプローラーを開きます。
2. 表示メニュー>フォルダオプション>表示 を開きます。
「登録されているファイルの拡張子は表示しない」のチェックをはずします。「表示されないファイル」を「すべてのファイルを表示する」にします。最後にOKボタンを押します。
3. Cドライブ>Windowsを開きます。
4. 警告が現れるので、「ファイルの表示」をクリックします。
5. 表示メニュー>詳細にしてファイルが順番に並んだ状態にします。
6. ”ttfCache”というファイルを選択します。
7. 右クリックをしてプロパティを選択します。
8. ”隠しファイル”のチェックをはずします。
9. デリートキーを押すなどでファイルを削除します。
10. Windowsを再起動して下さい。

■私のThinkPadではWindowsフォルダの“ttfCache”の削除とWindowsの再起動で解決しました。

ソフトウエア・デザイン

■今テレビで『題名のない音楽会』が始まって鈴木重子のクリスマスソングをききながら書いています。
■昨日の朝、アット・ニフティから「お誕生日おめでとうございます」というメールが届いて、あっ、そうか、誕生日だったと思い出しました。
■古本屋で本を3冊買いました。『実録!天才プログラマー』(マイクロソフトプレス編、岡和夫訳、アスキー出版局、1987)、『ヘレン・ケラーはどう教育されたかーサリバン先生の記録ー』(アン・サリバン著、槇恭子訳、明治図書、1973)、『ソフィーの世界ー哲学者からの不思議な手紙ー』(ヨースタイン・ゴルデル著、須田朗監修、池田香代子訳、NHK出版、1995)で、100円、100円、700円という値段!
■『実録!天才プログラマー』は予想通りの内容でした。コンピュータのソフトウエア・プログラマーたちはどうやってあのプログラムをデザインするのか。プログラマーたちはインタビューでその技術だけでなくセンス、美学、哲学についても語っています。プログラムというよりデザインですね。エクセルをデザインしたチャールズ・シモニイは「プログラミングは芸術です。ちょうど高エネルギー物理学がそうであるようにね。」「最良のアルゴリズムをつかむのは科学です。そして、構造を心に描くのは芸術です。」と語っています。彼のインタビューは、ワードやエクセルの特性に始まって、ヘリコプターの操縦、現代詩へと及んだとのこと。コンピュータを理解するにはコンピュータの歴史を知ることが大事だということを本で読んだことがあります。コンピュータの理解の意味するところはその本の文脈を知らなければそれこそ理解できませんが、私はその本を読んで妙に納得してしまったことを覚えています。コンピュータは科学の最先端という印象がありますが、どこか気まぐれなところがあってコンピュータと格闘している自分がおかしくなるときがあります。そう、自分を意識してしまうところは芸術といっていいのかも知れない。コンピュータそのものを芸術だと仮定するといくつか腑に落ちておもしろい。ルネッサンスやゴシックもあればコンテンポラリーもある。とくに自由度の高いソフトウエアのデザインはアートの感覚で創造し構築していくのだろうと想像できます。この本を読み始めて今年の疲れがふっとんでしまいました。なんと価値ある100円!
■『ヘレン・ケラーはどう教育されたかーサリバン先生の記録ー』は障害児教育の大事な原則を彼女が見いだしていった記録でもあります。例えば、「私は、今のところヘレンに規則正しい授業をしないようにしています。…子どもがまだ役に立つ用語を習得していない時期に、勉強の時間や場所を決めたり、また決められた課題を暗唱するように強いることはまちがいだということについ最近気づきました。」…これも100円だよ!
■『ソフィーの世界ー哲学者からの不思議な世界ー』はまたいつか読むかな、と思って買いました。昨日はこういう傾向の本ばかり目についたわけで、どうしてだろうね。
■テレビでは鈴木重子が羽田健太郎のピアノ・トリオでジャズアレンジのクリスマスソングを歌っています。もう、うっとり! 今日のドライブは彼女の歌をききながら!

Mac & Tiara

■仕事でMacを使うことになってMacOSXの本を買ってきました。GUIなので基本的にWindowsと同じはずですが、そのちがいの本質を知りたくてあれこれ考えています。どちらかというとプライベートもMacにしたいと思っていますが、XGworksはじめ、Windowsに限られたソフトもあるのでなかなか踏み切れないでいます。そして、このThinkPadにはやっぱり愛着があります。ところが画面のデザインはMacライクに設定していて混沌としている…。
■APSカメラ、ティアラixで撮った写真を初めてDPEに出しました。すごくきれいに撮れていて驚きです。ネガは35mmのほぼ2/3のサイズしかないのにどうしてこんなにきれいなのだろう。レンズもわずか3群3枚なのに! 発色、ピントのキレ、質感、いいですね。EBCのネーミングはただものではない。周辺光量の落ちやピントのクセをつかんだらすごくいい写真が撮れそうです。ちょっとLOMOっぽいかな。そして、画面の縦横比が35mmと比べて少し横長で、横の広がり感があって気持ちがいい。ほんのちょっとしたちがいなのに印象が大きくちがいます。しばらくのめり込んでしまいそうです。DPEはカメラのキタムラに出しました。デジタル処理なので仕上がりが気になりましたが、これ、銀塩処理? 深みのある色、豊かな階調…どうみてもデジタルにはみえません。もしデジタル処理だったらすごーい!
■昨日、知り合いからデジカメは何がいいかという相談がありました。デジカメはスタイルも画像もすごくバラエティーがあってほんとに楽しい。でも、自分がどれを買うかとなるとすごく悩んでしまいます。私は画像をそのまま使うのだったらフジフィルムのファインピクスがいちばんのお気に入りです。人の肌がすごくきれい! そして片手でしっかりホールドできる縦長のボディがすごく使いやすいから。でも、レタッチをすると画像はガタガタです。このへんを承知の上で使っています。
■『ONLY LOVE』をきき続けています。今日は冷たい雨の日でした。『ONLY LOVE』をきいていると雨の日のドライブも渋滞も何も気になりません。

『ONLY LOVE』

■癒し系のCD『pure』(ピュア)の『ONLY LOVE』をきいて耳がくぎづけになってしまいました。今日は朝から遠出もして、ドライブ中はこの曲ばかりリピートで3時間もきいてしまいまいした。TBS系のドラマ『百年の恋』の主題歌とか。ドラマは見ないので全然知らなかった。
■『ONLY LOVE』はナナ・ムスクーリが歌っています。ナナ・ムスクーリの歌はもう10数年も前、愛知県の民族博物館リトルワールドで流れていた『紡ぎ歌』がとても印象的でした。『ONLY LOVE』は彼女のフォーク路線とはちょっとちがいます。バックのアレンジもストリングスのアレンジがとてもきれいです。ポップスとして古典的ともいえるかも知れない。よくあるはずなのにどうして今まで知らなかったのだろうと思わせるおしゃれな演奏です。
■この日曜日に無印良品で見たスプーンもそんな感じです。無印良品のキッチンデザインはどちらかというと直線とマテリアルの素材感を生かしたデザインというイメージですが、そのスプーンは、どこにも直線部分がない大きなカーブとキラキラしたポリッシュ仕上げが魅力です。どうして今までこんなスプーンと出会わなかったのだろう。私はそのスプーンをひとつ、ガラスのショーケースの上に置いて、片膝をついてしばし見入ってしまいました。こんなスプーンがお似合いの料理を作りたいと思いました。料理だけでなくテーブルデザインもトータルに考えたい。スプーンひとつでこんなにも幸せになれるなんて、デザインの力は大きい! これも冬支度かな?
■「あなたといると/どこか/冬の午後にいるみたい」そんな詩があって私はよく思い出します。銀色夏生の『葉っぱ』です。寒い冬なんだけど陽だまりのあのなんともいえないあったかいひととき…その刹那の光と色と、そして、暖…村上英子の詩『欲しい』にそのイメージがなかったのはどうしてなんだろう…

これも冬支度

■スタッドレスに履き替えた車を久しぶりに洗いました。コーティング専用ポリッシュもかけて半年ぶりの光沢です。
■鈴鹿のベルシティの無印良品に行って4穴のリングファイルをあるだけ買いました。あるだけ、といっても3つしかありませんでした。A4に8cm間隔の穴が4つです。このファイルシステムは、この夏、東京銀座の伊東屋で初めて見つけて「これは使える!」と思いました。とりあえずファイル1つとリーフ、クリアポケット、穴あけ器を買ってきました。パソコンのプリントアウトをまとめたり、楽譜をファイルしたりと最適のシステムですが地方では入手ができません。三重県では無印良品だけかも知れません。今日はクリアファイルも買いました。素材はとてもしっかりしていて、100枚で1200円はCPは高い!
■ベルシティは島村楽器もいつも行きます。ドイツのベーリンガー社の8チャンネルのミキサーを取り寄せてもらうことにしました。手頃なサイズとCPの高さは抜群です。あと、ヘッドウォンワイヤレスマイクも見てきました。これはまだ手が出ません。XGのDTMを中心にしたサウンドシステムには、あと、アンプに一工夫でしょうか。DSPアンプに関心があります。これはヤマハがねらい目です。
■夕方は津のルーテル協会に、大城梨花&杏花の“クリスマス・チャペル・コンサート”に行ってきました。今日の大城梨花のオリジナルはいつになく張り詰めたものがありました。フルートの音も。
■夜は『ほしひとつ』の打ち込みをしました。XGの音をきくのは久しぶりです。やはりいい音です。
■深夜はテレビでケビン山崎の肉体改造法を見てモチベーションを刺激されました。ウエイトトレーニングとタンパク質の食事、そしてアルコール抜きで3週間で体が変わるというものです。食事は毎日1.5kgのチキンを8回に分けて摂るというものです。清原、千代大海、陣内と、彼のメニューで成果を上げているとのこと。「肉体が変われば文体も変わる」と言ったのは村上春樹です。
■あれもこれも冬支度です。

冬支度

■急に寒くなってきました。仕事の帰りに寄った自動車用品店でスタッドレスタイヤとアルミホイールの格安セットがあと1つなのでその場で即決購入となりました。“広告の品”にもならないそんな在庫処分品は自分の足で探すしかありません。アルミホイールのデザインが今ひとつと思いましたが、取り付けてみるとそんなにミスマッチでもないのでホッとしています。いつ八ヶ岳高原に行けるかわかりませんが、スタッドレスにしておけばいつでもすぐ行けるし、ここ松阪で雪が積もっても大丈夫です。
■冬支度といえば、何年ぶりかでセーターも買いました。ベージュ地にアーガイル柄です。やっぱりトラッドになってしまいます。その上に皮ジャンを着るとなんと暖かいことか! これでモノクロを詰めたレンジファインダーのカメラなんか襷がけにして街を歩くと最高だろうな…
■冬にきく音楽といえばクリスマスソングですが、今夜はモーツァルトの『レクイエム』をきいています。もう少し寒くなるとチャイコフスキーの『悲愴』もいい。これも冬支度?

ATACカンファレンス2001に参加して

■11月23日24日25日の3連休に、「ATAC(エイタック)カンファレンス2001」というセミナーに行ってきました。ATACとはAssistive Technology & Augumentative Communicationの略で、障害がある人たちへのAT(支援技術)とAAC(拡大コミュニケーション技法)についてのセミナーです。会場は京都宝ヶ池の国立京都国際会館です。
■運営は約60のセミナーから自由に選んで参加する形態です。開会の挨拶もなければ各セミナーの司会もなし。会場に講師が来て自分で始めて話して質問を受けて終わるという運営です。その質問はどこでしてもいいし、昼食時間らしき時間帯もセミナーが続くのでサンドイッチなどを食べながらの参加もOKです。参加者は管理されているという感じが全然しません。参加者の意志が尊重され参加の仕方は任されています。それがかえってモチベーションを上げています。こんな研修会は初めてで驚きながらもたいへん心地よいものでした。
■障害がある人への支援もコミュニケーションは、本人・保護者のモチベーション、「これがしたい」「こう言いたい」という動機ですね、これを尊重しないと成り立たない、自己選択と自己決定が最大限尊重されるべきだという考えが根底になっていました。
■障害がある人も保護者もたくさん参加されていました。
■今回のキーワードは「みんな同じ」でした。個性や障害がみなちがうことはわかっている。それでも尚「みんな同じ」と主張したい、主張しなければならない状況はまだまだあります。
■どのセミナーも1時間という枠をいっぱい使ってたいへんな情報量です。自己決定という理念に裏付けられた支援技術とコミュニケーション技法は具体的かつ明解でした。実に気持ちがいい。
■2つのセミナーでアメリカとノルウェーの自己決定についてその徹底ぶりを聴くことができました。小さな頃から選択肢から自分で選ぶというトレーニングを続けてきた人は自然に自己決定の力が身についているとのこと。“語るべき自分”も“守るべき自分”もあるということだと思います。ひとり、ということもまた強く意識されているとのことでした。
■アメリカでAT(支援技術)がどうしてそんなにも普及したのか、そのことについて文部科学省の人がこんな話をしていました。「アメリカにはIEPがあります。ニーズに結果を出さなければならない。だからコンピュータを使ったATが普及した。」コンピュータばかりがATではありませんが、障害がある人の自立に向けて教育関係者があの手この手できちんと対応していこうという真摯な姿が感じられました。
■そのIEP(Individual Education Program=個別の教育プログラム)、文部科学省では「個別の指導計画」と言っていますが、これは今や養護学校が提供する教育サービスの根幹になりつつあると私はとらえています。本人・保護者の自己選択と自己決定、新しい自立観、本人・保護者のニーズに合わせた教育サービスの提供、学校運営への保護者の参加と責任、本人・保護者への説明責任…この流れはすでに社会に浸透しつつあります。養護学校の教職員である私は子どもへの指導支援の内容を本人・保護者と話し合って決め、その内容を説明し、結果に対して保護者とともに責任をもたなくてはなりません。
■最終日に自閉症の人への支援のライブショーがありました。偶然にも私の前に座った男性が自閉症の人で、そのセミナーの主役でした。セミナーが始まる前に来て、待ち時間に席を立とうとしたりロッキングを始めました。となりの黒い服の女性が「パブリック」と小声で言ってコミュニケーションブックで「静かに」のシンボルを彼に示しました。彼は「大丈夫」と言って席に着いたまま落ち着きました。セミナーの途中でも何度かそういう場面がありました。「パブリック」とは「公的な場」という意味です。もちろん静かにしなければなりません。
■あとでわかりましたが、彼は20歳で、となりの女性は当日初めて会ったボランティアでした。彼は彼のコミュニケーションブックを持っています。ボランティアはボランティア用の彼とのコミュニケーションブックを渡されています。ボランティアの彼女はそのコミュニケーションブックで初対面の自閉症の彼と必要なコミュニケーションをとっていたわけです。彼はライブショーをはさんでそうして1時間のセミナーをこなしました。私はその見事な支援に支えられた彼の自立ぶりに驚きました。彼を理解し、彼の自立に必要な支援が見事に構築されているわけです。コミュニケーションブックを作ったのは養護学校の教職員です。
■ATACカンファレンス2001に参加して、障害のイメージが変わったように感じています。障害もプライドになり得るように思いました。静岡大学の杉山先生の著書に『発達障害の豊かな世界』という本がありますが、その標題通りの「世界」に触れたように思いました。