月別アーカイブ: 2000年7月

2000年・音楽漬けの夏

■音楽漬けの夏2年目です。この1年の間にもいろんな本集めて読んで、得るところがたくさんありました。今年は5月~7月にかけて神奈川県横須賀市の国立特殊教育総合研究所の短期研修に行きました。私のテーマは「音楽療法のよさを養護学校で生かすには」でした。そこで土野研治先生(養護学校教諭、全日本音楽療法連盟公認音楽療法士)の講義を聴くことができました。また、実地研修として、東京都内の2校の養護学校の音楽の授業と、1か所の療育センターの音楽療法のセッションを参観することができました。さくらんぼ保育園のリトミックを体験しました。そのどれもが貴重な勉強でした。

久里浜だより31

■今日、最後の講義が終わりました。最後の講義は愛知県教育委員会特殊教育課主査の佐藤賢先生の『演習:体育の指導』でした。
■体育の時間の運動を子どもたちのハートレート(脈拍)から評価する話がありました。トライアスロン界では10年以上も前からハートレートを重要な指標とするトレーニング方法が主流となっています。学校でもようやくそうした視点が入ってきたのかと感無量、とは大げさなんですが、そういう思いもチラリ! 私もセンセーのはしくれなので、「いいと思ったら自分からやらなあかんやねえか」という声が…言い訳がましくなりますが、小学校勤務の頃は学年に応じて取り入れてました。理由は、すごく飛躍しますが、長い目で見て生涯スポーツへつながるかなと考えたからです。
■話をもどします。講義では、障害のちがいと体育の時間のハートレートのデータとの差とか、いろいろ興味深いデータがありました。動機づけでどれだけ「記録」が伸びるか、という点では、自閉症の子どもたちがいちばんよく伸びるとのことでした。動機づけでいちばんいいのは何だと思いますか? 先生の声かけです。
■あと、すごくおもしろい教具?を作りました。新聞紙とビニールテープでボールを作るのです。これでキャッチボール、バレーボール、サッカー、ホッケー、キックベースボールをしました。蒸し暑い体育館で大人が夢中になるほどおもしろかったです。中には「体育」が苦手な人もいたはずなのに! 障害のあるなしに楽しめる最高のボールだと思いました。知的障害の子どもたちはよく動くのだけど体をうまく使えてないから、ボールを投げられない、受けられない、蹴れない…そんな子どもたちにもってこいだと思います。投げやすい、受けやすい、蹴りやすいボールです。作り方はホームページに画像でアップしたいと思っています。ちょっと待ってください。
■最後の講義が終わって、免許の単位認定のレポートの課題が発表されました。課題からNISEのプログラムの意図がわかります。NISEでは、今、障害児教育で何が重要視されているのかということが。
■夜、荷物の箱詰めをしました。トラや帽子店の『誰かが星をみていた』をききながら片づけをしました。明日の夜、手話で歌う歌や障害児教育で使いやすい歌を歌って勉強する会があります。そのときに歌いたい歌があって伴奏をしてほしいとある人から頼まれて、今朝あずかったCDに『誰かが星をみていた』が入っていたのです。MDに録音させてもらって、結局、この歌ばかりききながら帰る仕度をしていました。久里浜に来る直前に教えてもらった歌なので、今度はこれをききながら帰り仕度をするのは、なんだかしみじみとしたものがあります。明日の夜の勉強会でも取り上げようと思います。

『誰かが星をみていた』 Someone Watching the Star

アフリカの星を みて
ゾウたちは そだった
くさはらに ねころんで
流れ星を みてた

南極の星を みて
ペンギンは そだった
氷山に ねころんで
流れ星を みてた

いつでも 星は あった
誰かが 星を みていた
過ぎていく 時の流れ
星だけが 知っている

ニッポンの 星をみて
ボクたちは そだった
物干しに ねころんで
流れ星を みてた

■ (みなさーん、最近、星たちをゆっくりみてますか? そういえば私は久里浜の星をみた、という記憶がない! 帰るまでに夜の海岸でゆっくり星をみたい!)
■明日明後日は自己研修です。渋谷のこどもの城などに行ってきます。しつこく!

久里浜だよりを読み返して(2005/1/21)
■久里浜だよりの最終号は研修全体について書こうと考えていましたが言葉になりませんでした。メールマガジンを送りつけられた勤務校のみなさんへのお詫びもせずに久里浜だよりは終わってしまいました。そのことをずっと引きずってきました。でも、それがいつしか私のパワーの源になっていることに気づきました。
■この冬休みの勤務先の養護学校での勉強会で使うスライドを作っていて、私の大きなターニングポイントはこの国立特殊教育総合研究所での研修だったとあらためて思いました。第一線の研究者と実践者と出会えたこと、その情熱と真摯さに私はひれ伏す思いの毎日でした。研究することの大切さを肌で感じました。そして、比喩的ですが、私はそこで言葉を学びました。言葉が大切なのだと思い知りました。2か月の講義録は3穴のルーズリーフ数百ページにもなりました。私の宝物です。現任校に赴任して7年が過ぎようとしています。異動があるかも知れません。この7年の間に教えていただいたことを自分の言葉で多くのみなさまにお伝えするときがきているものと思っています。
■最終日の翌日、千葉淑徳大学発達臨床研究センターの音楽療法のセッションを見学させていだたくことになっていましたが台風でセッションは中止となってしまいました。これがとても残念でした。一昨年のセミナーでも台風が来ました。私が淑徳大学に行こうとすると台風もついてくる…今年度も天災に翻弄されっぱなしのスクールバス係でした。いや、まだあるかも!

久里浜だより30

■今日は1日中演習でした。教材教具の作成です。私は研究協議のグループのレポートの仮想指導案に出てくるパネルシアターを作っていました。
■私たちのグループには美術が専門の人が2人いるので絵はバッチリです。宇宙をイメージした表現活動がテーマなので蛍光絵の具とブラックライトを使います。プレゼンテーションは5分足らずでしたがハプニングがいくつもあって爆笑爆笑でした。
■パネルシアターの教材もいくつかコピーできたので夏休みはパネルシアター作りもしたいと思っています。東京都立調布養護学校の中学部の音楽の授業で使っていた『おもちゃのチャチャチャ』もあります。いろいろ作ってみたいと思います。自分で絵が描けたらいいのに! こちらに来て美術の先生はいいなぁと何度も感じました。(逆に音楽の先生はいいなぁと言われますがそれぞれ悩みがあるのだよ!)
■夕方にNISEの是枝先生のムーブメントの実技がありました。ロープやフラフープ、バルーンを使いました。バルーンはやっぱりいいものですね。初めてバルーンを体験した人たちは感動してました。
■この土日は東京行脚をして、本と楽譜、楽器などを買い集めていました。1か所に3~4時間いるので1日に2か所が限度です。クレヨンハウスや楽器店など回りました。昨日は銀座のヤマハに4時間もいて、外に出たらホコテンが始まっていました。道のド真ん中の炎天下のベンチでしばし足を休めました。マン・ウォッチングがとてもおもしろくて、WENDYでハンバーガー買ってきて食べながら1時間近くいました。
■そして野比の駅に着いたのが5時半で、道をまちがえて海岸に出てしまいました。たくさんの人がのんびり過ごしていて、私も駅前で買ったビールを1本飲みながらまたまた1時間つぶしてしまいました。銀座も久里浜の海岸も、こうしてのんびりする時間はもう最後だと思いました。
■明日、免許取得のためのレポートの課題が発表されます。ますます暑い!
■暑い日が続きます。みなさまお体に気をつけてください。