月別アーカイブ: 2014年4月

ストラド

ストラドとはストラディバリウス作のヴァイオリンの通称です。昨年11月、NHKスペシャル「至高のバイオリン ストラディバリウスの謎」が放送されました。全編にわたってヴァイオリンの演奏が流れる番組でドラマチックな番組でした。ところが、この番組の取材の未公開映像を加え、また、大幅に再編集して今月放送されたETV特集「ストラディヴァリウス~魔性の楽器 300年の物語~」はまるで別物の印象がありました。

比較しての言い方ですが、前者はドラマチックな印象のBGMが全編に流れてセンセーショナルな番組作りを感じますが、後者はBGMも控えめでアカデミックな視点のエピソードが多く組み込まれているように思います。案内役の五明カレンの表情もちがって伝わってくるようです。なぜNHKはこの異なる編集の番組を制作したのだろうか。

後者の番組を見ていて私のヴァイオリンの形はアマティのそれにずいぶん似ていると思いました。表板と裏板の盛り上がりが大きくて幅がやや狭い。それは学生のとき大阪で偶然買い求めた楽器です。「ストラドコピー」ばかりの中、そういえば他に似たヴァイオリンは出会ったことがありません。一度、床に落として裏板を真っ二つに割ったことがあり、修理してもらったら力強い音が出るようになって弓と合わなくなってしまいました。かといって弓を買い換える余裕もなく今に至っています。また弾いてあげたいと、年々よく思うようになりました。

それにしてもこの2つの番組はヴァイオリンの魅力をヴァイオリンとかかわる人たち、演奏家、制作者、また、修理に携わる人たちとの脈々とした営みを追って高い密度で伝えています。ヴァイオリンは今も時代とともに演奏や制作に携わる人たちの熱い思いによって進化し続けていることがよくわかります。ヴァイオリンとともに、音楽とともに日々を重ねることの充実感や喜びにもっと近づきたいと思う。曲を細切れに聴くばかりの毎日はしばらく続く。

朝からの雨はしばらく乾燥続きだった地上にまるで注がれるように降り続きました。自宅前のハナミズキの並木の花は若葉に変わりつつありながらも曇り空をパステル調に彩りを添えていました。肌寒くて1日中セーターを着ていました。

『こころ』の連載

朝日新聞を購読しておきながら夏目漱石の『こころ』の連載が始まったことを知りませんでした。少し前に漱石の顔写真が載ったページを見たのですがデジタル版で読めばいいやと見送ってしまっていました。「こころ 連載」で検索すると、この連載をきっかけに朝日新聞の購読を始めた人もいるとかで少なからず話題になっているようです。新聞で読む『こころ』は1回が適度な分量でちょっと立ち止まったり読み返したくなる不思議な魅力があります。高校大学といちばん読んだのは辻邦生と夏目漱石でした。それゆえの懐かしさもありますが何歳で読んでも目が釘付けになるように思います。今はKindleアプリでどこでも思い立ったらすぐ読めるのもいい

4月のポコ・ア・ポコ

4月のポコ・ア・ポコは10家族のみなさまにご参加いただきました。初めてのお子さんや1年ぶりのお子さんもいっしょに楽しめるところもミュージック・ケアの懐の深さゆえです。なんと、福祉事業所の職員全員でお越しいただいたところもあっていつになく密度感がありました。新年度も1月になろうとしている月末で、子どもたちは背が高くなったような、また、表情もぐんと成長して凛々しくなって驚きました。来月も楽しみにしています。

ユリア・フィッシャーのモーツァルト

ジャケットはユリア・フィッシャーが黒のノースリーブのワンピースと黒のハイヒールで右脚の爪先を上げてヴァイオリンを弾く軽やかな写真が印象的で、聴くと、これは演奏の印象そのものでもありました。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲集です。彼女のバッハは私を30年余前の京都の記憶を一瞬にしてよみがえらせたのに、です。このモーツァルトはまさにコンテンポラリーの音楽であり伸び伸びとした演奏は実に気持ちがいい。桐谷美玲が「愛のあいさつ」のヴォーカルで軽やかに歩くココディールのCMとどこか共通するものがあるように思います。モーツァルトが歩く様が見えるようです。小林秀雄は『モオツァルト』を「モオツァルトは歩き方の達人であった」という一文で書きだしている。清々しい空気感がある。それは解き放たれた空間で蝶が微風に乗って飛ぶような、一瞬一瞬に思いがけない発見と感動があるような演奏だと思う。ある意味、しがらみを感じさせない、でも、音楽の王道をしっかりベースとしたユリア・フィッシャーのモーツァルトは遠路のドライブのBGMとして最高かも知れない。

今日は半年余ぶりにiPad miniのiTunesの「同期」をしました。MacBook Proのダウンから7か月、iTunesのライブラリをWindowsに移して安定した運用が可能となったからです。ムービーもいくつか加えました。リビングで音をBlueToothのスピーカーに飛ばして流すとすごく贅沢な気分になります。夜はジョン・ルイスのバッハがお気にリですが。iPad miniの容量を64GBにしてまさに正解でした。音楽も映像もたっぷり入って電車等で移動のときもしっかり使えます。また、近々iTunesのAndroid版がリリースされるようでこれは待ち遠しい。

ここしばらくのこと

新年度が始まってまだ3週間ですが私のモードはすっかり入れ替わっていて、でも、4年間のブランクは大きくて取り巻く状況の把握に努めているところ。そんなこんなでThikPad T440sの不調の改善を試みる間もなく代替手段でつないできましたがブラウザやメーラーがネットに繋がらないままでは仕事にも差し支えが出てきたのでいろいろ試してやっと直りました。詳細は触れませんがこれまで何だったのか、ということでした。

先週日曜日に名古屋で開催された小児科学会に行ってきました。いちばんの関心テーマ、DSM-5とADHDの診断等の教育セミナーはすでに定員に達していて聴くことができず残念でしたが「子ども支援シンポジウム」など貴重な勉強の機会でした。「長期入院時の移行を支援する」では重症・重度心身障害児(者)がそもそも知られていないことから医学生の早期体験を行っていることが報告されました。これは昨年度まで私が勤務していた肢体不自由の特別支援学校の取り組み「来て見て知って 肢体不自由の子どもの支援スキル」そのものでしたが、医学部へのアプローチが抜けていたと気づきました。また、こうした特別支援学校の取り組みを報告しようとしましたが総合討論が時間切れで果たせませんでした。やるべきことの多さはわかりますが「集中選択」です。

病院併設の特別支援学校では子どもたちは病院食です。つまり学校給食がありません。前回の勤務のときはきちんと昼食をとっていましたが今回は気がつくと1時2時ということが度々あって昼抜きの日が多くなってきました。それで辛いということは全然なくて、むしろ体調はいい。あわよくば少しスリムになってほしいと思っていますがどうだろう。

新年度

春爛漫、桜の花もいよいよ満開のときを迎えています。新年度に入ってまだ4日しか出勤していないのに自分の“モード”は3月とはまるでちがっているのは転勤があったからです。今回は4年前まで勤務していた病弱教育の特別支援学校への異動で、県の「こども心身発達医療センター(仮称)」に併設する特別支援学校の整備にかかわることになります。開校まであと3年、新しいコンセプトの学校整備には決して長くはない期間です。

iPhoneの文字が年々見づらくなってきて大きなモニタのAndroidを使い始めています。携帯機能をAndroidに徐々に移していて興味深いことがあります。ARROWSとiPhoneの比較になりますが、使い勝手のよさはiPhoneが圧倒的と思います。画面の動き、アプリの安定感、バッテリーの持ち、等々。でも、それだけではないところが機械モノの面白くも不思議なところで、私のようにパソコンを自作したり改造したりすることが好きな人にとってはAndroidのぎこちなさや扱いにくさもまた魅力と思えてくる。すると機械も応えてくれるように感じられてくる。例えばバッテリーの持ちは当初の倍以上になったようで、これはOSが学習したのだろうかと思う。使い勝手はいろいろありますが広い画面はやっぱり見やすい。タブレットもiPad miniではやや見づらくなってきたところで困ったものです。

機械モノといえば、転勤しても同機種のパソコンを使っているのに画面の動作や音が微妙にちがうことが気になっています。不具合ではなく感覚的なところの相違です。機械モノもそれぞれ個性があるのは車で実感するところで、パソコンはOSをはじめソフトが介在するので車以上に個別性が出るのではないでしょうか。

先日、映画「ハッピーフライト」の終わりにフランク・シナトラの歌が流れていたのを思い出して無性に聴きたくなってiTines Storeで探しました。リマスター版とのことで音はクリアで文字通り浴びるように聴けます。