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思考の時間と空間

昨日、楽譜を探していたら12~13年前に障害学について調べていたときプリントした北海道教育大学旭川校の先生の論文が出てきました。それを読んでいたらふと「現代思想の313冊」(青土社 2017)が気になって教育学のところを読み始めました。教育学の項は大内裕和さんが担当です。そこでハンナ・アーレントの「過去と未来の間 ― 政治思想への8試論」が取り上げられていて目が釘付けになりました。文章の一部を引用することはときとして誤解が生じることがあるので今は控えたいのですが、知らないことが多過ぎるとため息が出ました。

今の教育と今後の教育を語るには経緯を知ることが必須だと理解しているつもりでしたが、教育の時系列の経緯だけでなく、もちろんその時々の社会状況を含めての教育ですが、どこまで掘り下げるかという深さは相当なものが必要ではないかとの予感です。そうした時間と空間がクロスして現れるもの、あるいは潜むもの、それらを明らかにすることが今こそ求められているのではないかと思います。

「現代思想の313冊」は知らないことが多過ぎるならガイドにしたいと手にしたわけです。文系の資産は先人たちが辿った道筋を自ら辿り吟味して継承されて初めて新たなステップに踏み出される。それゆえ自立した知を獲得するときの年齢はどうしても高くなる。焦る。でも、こうも思うのだ。人生100年時代、長期戦をベースにしながら急ぐべきものはしっかり急ごうと。

今日から3日間、ミュージック・ケア全国セミナーでつくばです