月別アーカイブ: 2018年4月

映画「ローズの秘密の頁」

ゴールデンウイーク初日の映画館は観客もちらほらといった程度でしたが作品は濃密な充実感がありました。「ローズの秘密の頁」のような精神のうつろいをこまやかに描いた映画はいつでも観ることができるものではない。こちらも心の準備が要ります。今回、ネットでこの映画のことを知ってそこはかとなく予感していたものがそのままあって、また、私自身、心の底から堪能することができました。脳の再起動にエネルギーを与えてくれたように思います。音楽ではピアノの音の響きが豊かできれいでした。わざとそんな調律をしているのだろうかと勘ぐりたくなるような平均律のうねりと余韻がありました。自分の感じ方でいちばん驚いたのは最後の歌でした。「ことばのとおり歌っている」と思いました。ことばとは言語そのもののことです。そのことばが普段話されているとおりの歌です。こんなふうに歌われる日本語や日本の歌ってあるのだろうかと思いました。

明日明後日は日本在宅医学会です。介護民俗学の六車由実さん、自殺希少地域の本を書かれた森川すいめいさん、オープンダイアローグやユマニチュード等々が一堂に会することを知ったときは自分の目を疑いました。しっかり勉強してこようと思います。

昨夜、iPad pro 10.5inchとアップルペンシルが届きました。学会のメモツールにとの目論見です。実際に自分のものとして手にすると思いの外大きく、また、ツールとしての奥深さを感じています。カバーを付けると一回り大きく重く、オレはただ者ではないぞ!と突っぱねられているようです。アップルペンシルも然り。明日明後日の学会でメモツールとして使いたかったのですが思いの外敷居は高そうです。

経済学の誘惑

今年1月早々に放送されたNHKのBS1スペシャル「欲望の資本主義2018~闇の力が目覚める時~」の4月1日の再放送を録画して観たところ目が覚めるように腑に落ちるものがありました。見応えがありました。社会のあり様をこんなふうに考えたことが全くなかったわけではありませんが、今回、私の中で何がつながったのか考えてしまいました。直接的には弱いロボットを研究している岡田美智男先生の著書やこちらの記事との関連です。その記事「高性能=正義とは限らない~「弱いロボット」が教えてくれる、人の心を動かすモノづくり【連載:匠たちの視点・岡田美智男】」の中の「機能は個体の「中」に備わっているという先入観」という言葉は日常生活のいくつかの場面で形を変えながらも当てはまるように思います。個人の努力、成長、発達に重きをおく考え方です。個人の次は家族、親族です。新自由主義が前面にあるといわれる現在、この先は何をか言わんやです。この番組の特別編「欲望の経済史~ルールが変わる時~」も然りです。

この番組を観て、昨年度末までのしばらくの間、ものごとを考える時間がどんどん少なくなって考えるという習慣すら疎遠となっていたように気づきました。今、脳が再起動をしているようです。それにしても経済を切り口としたこうした思索は興味深いものだ。