月別アーカイブ: 2012年11月
「真珠の耳飾りの少女」
小沢征爾の「白鳥の湖」
フィギアスケートのグランプリのフリーで浅田真央がチャイコフスキーの「白鳥の湖」を使っていて久しぶりに聴いた曲がいくつかあったので全曲を聴こうと思いました。ところが全曲盤のCDを探していて全曲の全貌がよくわからないとわかって焦りました。バレエ音楽は「ハイライト版」というエディションがあってこれは持っているのですが、学生の頃FM放送から録音してよく聴いた曲がなかなか聴けなかったりします。また、有名な曲なので「全曲盤」もいろいろある。プレビューも参考にして選んだのは小澤征爾がボストン響を振った1978年の演奏でした。「音楽的には魅力的だがテンポが速過ぎて踊れない」と複数のプレビューがありながらも評価の高い録音です。ボストンシンフォニーホールでの録音らしくエッジの効いたダイナミクスの大きな演奏となっています。オーケストラが鳴り切っているのは小澤マジックです。テンポはバレエを観たことがなくても速いと思えるものですが聴いていて実に気持ちがいい。ウェットな感傷をかなぐり捨てた骨太の透明感が爽快だ。小澤の全曲盤の曲数は45曲で、詳しい人によるとこれでもまだ収録されてない曲もあるとかないとかですが今回はそこまで追求する気はありません。「白鳥の湖」の音楽を長時間浴びるように聴くことが目的ですから。私が学生の頃繰り返し繰り返し聴いたのは第2幕「白鳥の踊り パ・ダクシオン」のバイオリンソロの部分です。チャイコフスキーの音楽はバレエ音楽に限らず情感を露にするある透明感のようなものが感じられてときどき無性に聴きたくなります。バイオリン協奏曲や「悲愴」はその最たるもの。この「白鳥の湖」はテンポが速いといっても150分にもなる収録時間なので午前午後の一コマのBGMとして最適かも知れません。若き小澤の躍動する音楽が爽快です。冬に向かうこの季節は毎年チャイコフスキーが聴きたくなります。
今日は休日でしたが・・・
11月のポコ・ア・ポコ
就学の制度改正
今週水曜日、NHK-TV「おはよう日本」の特集「けさのクローズアップ」で「学校が変わる“ともに学ぶ”ために」が放送されました。番組のウェブサイトには「いま教育現場が大きく変わろうとしています。国は、重度の障害のある子どもが、特別支援学校だけでなく一般の学校に進学することも選択できるよう法令を改正することにしています。この流れを先取りして、この春、京都府京丹後市の小学校に重度の障害がある女の子が入学しました。受け入れた小学校では課題に直面する一方、“ともに学ぶ”ことで周囲の児童に変化が生まれました。学校はどう取り組み、どう変わったのか、お伝えします。」とあります。番組ではともに成長する子どもたちと新たな学びのおとなたち、そして、物心両面の配慮の有り様が描かれていました。番組ではまた「文部科学省では今年度中を目途に法令の改正を進めていて早ければ再来年度から新たな制度がスタートする」と伝えていました。就学の制度改正のスケジュールがメディアで伝えられるのは初めてかと思います。障害者の権利条約の批准に向けた国内法の整備のひとつが就学の制度改正です。通常の学校(小中学校等)における支援スキルの向上と環境整備が喫緊の課題です。秒読みに入ったかと、そう思っています。
iPhoneから学ぶこと
iPhoneをめぐる諸相からは、どうしてこれが日本で生まれなかったのかという思いがあります。私がiPhone3GSを持ったとき、私のまわりでは誰もiPhoneを持ってなくて、日本のキャリアも“ガラパゴス携帯(ガラケー)”の新機種を追っていたように覚えています。それは、98とDOS/Vとの関係に似ているように思いました。ユーザーは一歩先でいい。でも、企業は二歩も三歩も先を追わないと致命的なダメージを負うことがある。日本の大手企業の巨額赤字を伝えるニュースはただただ悔しい。iPhoneから学ぶことはほんとにたくさんある。