月別アーカイブ: 2013年11月

音楽三昧へ

注文して忘れかけていたCDがイギリスから届きました。バイバ・スクリデのシューマンのバイオリン協奏曲とチェロ協奏曲のバイオリン編曲版です。シューマンのバイオリン協奏曲は初めて聴くように思います。バイオリンのヴィルトゥオーゾぶりは影を潜めて室内楽的な調和感が心地よい楽曲と演奏です。晩秋には昼過ぎからもお似合いか。少し遠くで奏されるようなおだやかな音楽です。

今日は輸入盤CDのまとめ買いセールでワグナーのオペラ全集とブーレーズ指揮のシェーンベルク集、F=ディースカウとポリーニの「冬の旅」、ケネディ大統領の追悼ミサ実況のモーツァルト「レクイエム」を注文しました。ワグナーのオペラは初めての購入ですがこれは堪えて堪えてのことです。聴くと人生が変わってしまいそうな怖さ故です。そろそろ不惑の歳かと踏み切りました。ブーレーズ指揮のシェーンベルク集は演奏の構造感に好感を寄せるレビューを読んでのこと。F=ディースカウの「冬の旅」は歌だけでなくポリーニのピアノ伴奏がただごとではないらしい。JFKの追悼ミサのモツレクは高校のとき聴いて今も印象に残っています。レクイエム然とした空気感が伝わる録音だと思いました。CDの枚数は計56枚。1枚200円もしないという価格は驚くばかりです。届くのは12月半ば以降なので年末年始の楽しみです。

先日、NHK・BSで薬師丸ひろ子のコンサートの放送があってDVDにしてインプレッサで聴いたところ歌もバックも聴き応え十分で堪能しました。薬師丸ひろ子の歌は間違いなくすごくうまくなっていてデテールも実に小気味よい歌いまわしです。バックは武部聡志で魅力たっぷりのアレンジと演奏がただただすごい。今にしてみれば薬師丸ひろ子の歌とその周辺は日本の音楽のひとつの原型たり得る凝縮されたものがあるように思います。

11月の日曜日のポコ・ア・ポコ

11月のポコ・ア・ポコは9家族のみなさまに来ていただきました。久しぶりに大勢でしたが止まるところのなんと見事なことか! 2回目のお子さんは1か月半ぶりでしたがぐっと落ち着いて参加することができました。保護者のみなさまもミュージック・ケアの文脈をたいへんご理解いただき、すてきなひとときとさせていただくことができました。来月もお会いできることを楽しみにしています。

セッションの後は来月15日(日)の三重ミュージック・ケア研究会の体験セミナーの打合せをしました。ミュージック・ケアがきちんと三重県に根づくように少しずつでも理解の輪を広げていきたいと切に願っています。12月15日(日)、三重県いなば園(津市)で開催します。お問い合わせはお気軽に飯田までしてください。右のプロフィールの「メール送信」からどうぞ。

ジャニーヌ・ヤンセンの「四季」

MacBook Proのクラッシュ以来iTunesのライブラリーを聴くことが難しくなっていたのですが、ThinkPad T440sのiTunesを認証させたところiTunes Storeで購入したアイテムがiCloud経由で全部聴けることがわかってホッとしました。こんなにたくさん購入していたのかと驚きましたが。早速聴いたのはジャニーヌ・ヤンセンのヴィヴァルディの「四季」で、ヘッドホンで聴くとそのディテールまでクリアに聴けることにまたまた驚きました。MacBook Proでもこんなに聴けたのかな?と、そんなことも思いつつ。ThinkPadはいつの間にかエンターテイメントマシンの才も得たようでWindows8.1の安定感とともに頼もしい。

ジャニーヌ・ヤンセンの「四季」は各パートが一人ずつでギターも入っているように聴こえます。エッジの効いた演奏は繊細かつ激しく心の中にストレートに入ってくる印象です。斬新ですがヴィヴァルディ作曲当時の空気感が伝わってくるように思います。美しくも痛々しいところがある。

“PATH”

全国肢体不自由教育研究協議会のポスターセッションで“PATH”(Planning Alternative Tomorrow with Hope「パス」)を取り上げている発表があって聞いてみるとやはり熊本大学の干川隆先生の系譜がありました。私が初めて“PATH”を知ったのは2000年の国立特殊教育総合研究所(当時)の干川先生の講義でした。アメリカのIEPの理念と経緯のベースに“PATH”の考え方が象徴的にあるように思い、たいへん印象的でした。当時はアメリカのウエブサイトくらいしか情報がなくて日々の実践に直接つながるところにエネルギーを集中してしまい、講演等で何度か引用したことはあるものの13年ぶりの出会いになってしまいました。今回、発表者から資料等の情報をいただいたので勉強をしたいと思っています。

私は初日13日に発表の機会をいただき、勤務校の「来て見て知って 肢体不自由の子どもの支援スキル」の取組の文脈を中心に話をしました。必然、どうしても観念的な内容になってしまいましたがまたとない機会と考え、思い切ってのことでした。物事の判断にはそうした理念と哲学が欠かせないと思っています。

秋田は移動日の12日から13日朝にかけて積雪がありました。秋田の初雪としては平年並とのことですが1~2週間前までクールビズでも汗をかいていた私には驚きでした。冬のコートまでは用意したものの積雪の中を歩くことまでは想定できませんでした。13日の朝は恐る恐る一歩ずつ歩きました。それでも雪景色はやっぱりきれいで、千秋公園の枯れた大賀蓮に雪がかぶっている景色は静謐そのものでした。少し歩くと「ここより異界」の木札があって何だろうと思いましたが立ち寄る時間はありませんでした。

それにしても秋田は遠かった。午後2時にスーパーこまちに乗って自宅着は夜10時過ぎでした。飛行機は霧のため飛ばなかったようで秋田にもう1泊することになった人もいたようでした。でも、秋田はゆっくり回ってみたいところでした。

今週は秋田

今日から今週いっぱいは秋田に出張でこれはホテルで書いています。明日の発表のプレゼンは新幹線の車中と乗り継ぎの待ち時間に仕上げという自転車操業でした。新幹線の中でもやれるものと思いましたがHDDへの影響が心配で起動時と終了時はThinkPadを持ち上げてできるだけ衝撃が伝わらないようにしていました。これは気やすめです。

ThinkPad T440sは先週金曜日に届いたものの忙しくてセットアップを始めたのは昨日でした。当然のことながら今回の出張には間に合いません。Haswell搭載→バッテリー駆動10時間余の恩恵には与れず、ThikPad Edgeは、のぞみとスーパーこまち、東京駅のスタバではAC電源につなげました。つまり、バッテリー駆動の場面はなかったということになります。こうした“インフラ”はありがたい。

秋田は新幹線の移動だけで6時間近くかかりましたがスーパーこまちのハイテク然とした走行感は堪能しました。速い、ということを実感するのは久しぶりです。

ThikPad T440sはWindows8のアップデートプログラムをインストールしてWindows8.1にアップデート、Microsoft Office2013をインストールしてOutlookでアカウントを設定、使い慣れているテキストエディタなどをインストールしてクラウドとのリンク設定まで済ませました。Windows8やOffice2013は遍く受け入れられているわけではないようですが時流に流されやすい私にはけっこう使えるツールと思っています。なんとなく、ですが、そのなんとなくという感覚はかなり大事。

日本音楽即興学会大会

先週の3連休はある音楽ファンにはたまらないテレビ番組がいくつかありした。どれもNHKで、「NHKスペシャル」はストラディヴァリウス、「らららクラシック」はモーツァルトの交響曲第40番、「スーパープレゼン」はショパンのプレリュード、「ハートネットTV」は即興音楽、等々です。この中で「ハートネットTV」の第2夜ではノードフ・ロビンズ音楽療法のセッションの一部を観ることができました。第1夜とあわせて即興がたいへん身近なものに感じました。若尾裕氏の研究の系譜だと思うのですが「音遊びの会」や即興についてこの機会にもっと知りたいと思って日本音楽即興学会大会に参加の申し込みをしました。9日土曜日と10日日曜日の全2日の日程のうち土曜日は勤務があって日曜日だけの参加でしたが久しぶりに五感が研ぎ澄まされる体験をすることになりました。

冒頭のワークショップ「映像楽譜を読む~一つの同じ映像楽譜でさまざまな演奏を試みる」ではビデオ映像を楽譜としてさまざまな演奏が行われ、それだけでも刺激的でしたが、「音楽はなぜ始ってなぜ終わるのか、それもわかっていない」という一言にはガツンとやられました。音楽の明確な終始感こそ障がいのある子どもたちにとって安心できる構造であるとして音楽療法の説明をしてきたのですが抗えないほどの命題を突きつけられたわけです。しかし、同時にそうした音楽感に魅力を感じるのも確かです。即興は今後かかわりが深くなりそうです。

会場は東広島市で東京と同じだけの距離がありました。土曜日の5時に勤務先を出て東広島市のホテルに着いたのが11時過ぎでした。途中、東名阪が事故渋滞のため国道1号線鈴鹿峠経由となりましたが30分弱の休憩1回をとってほぼ予定通りでした。山陽新幹線東広島駅前のホテルは「あたりは闇」との口コミがあってどんな所かと思いましたが、ホテルとマンション、そして駐車場が広がっていました。新幹線の駅前で1日200円という駐車料金には驚きましたが。

運転中は「NHKスペシャル 至高のバイオリン ストラディバリウスの謎」をDVDにしてずっと聴き続けていました。バイオリンを弾かなくなって20年になりますがバイオリンを聴いていると血が沸き立つようなときがあります。今回のNHKスペシャルもまさにそれで、音を聴いているだけで数時間の運転もいつになくテンションをキープできました。この番組の音楽は千住明担当とのこと。

酒屋のコップ酒

旧参宮街道を歩くことがあって、古い酒屋があったので引き戸越しに覗いたら木のカウンターの前にお年寄りの男性と思しき人影がありました。私の実家近くの酒屋では子どもの頃カウンターがあってコップ酒が飲めるようになっていて、あふれてこぼれるまで一升瓶からなみなみと注がれたコップ酒を身を屈めて一すすりするおじいさんはそれこそこぼれんばかりの笑みでいっぱいでした。そうしたことは場合によっては違法らしくだんだん姿を消していきましたが、しかし、今も残っているのです。市内に残るそんな酒屋は3軒知っていて、その前を通るときはふと覗きこみたくなります。1軒は信号交差点の近くなのでちょうと赤信号でその店の前に止まると入口にかけられたすだれの下から中の人の足元が見えてどんな人がどんな話をしながら酒を飲んでいるのだろうと、きっと酒にちがいないといろいろ想像してしまいます。そしてサガンの『愛と同じくらい孤独』の一節を思い出す。

今日、小俣和一郎著『精神病院の起源』(太田出版 1998)が届きました。ページをざっとめくるともっと早く入手するべきだったと思いましたが古書しかなくやっと値がこなれてきての購入です。

秋の夜長の音楽

秋になって気になる曲の筆頭はチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」でしょうか。先頃カラヤン&BPOのCDを入手したので細部を聴く醍醐味もあって秋の深まりとともに「悲愴」にどっぷりと浸りたいと思っています。聴こえ過ぎてけっこう怖い演奏でもあります。近々ゲヴァントハウスSQのベートーヴェン弦楽四重奏曲全集が届きます。EU圏のCDは信じられないほどの低価格でありがたい。

今週は地元の大学の教員養成課程で「特別支援教育入門」の講義を担当しました。私のテーマは「特別支援学校の教育~肢体不自由教育と病弱教育を中心に~」としました。車いすに象徴される肢体不自由は特別支援学校では医学用語で重症心身障害児が増加していますが社会的認知がごく限られているように思います。病弱教育に至っては病気の子どもが特別支援教育の対象であること自体の理解が進んでいない。体系的な理解は大学のプログラムに組まれていると思うので私は特別支援学校の日常について視覚的情報提供に努めました。あと、障がいの歴史的文脈はどうしても触れたかったところです