月別アーカイブ: 2008年2月

週末の雪と本

朝、目覚めてみればまた雪景色でした。この冬は不思議と週末に雪が積もります。
この週末の夜は思いがけずMacBook Proのメンテナンスとなりました。ソフトのアップデートは400MBもあって、たぶん、ダウンロードに3〜4時間はかかったはずです。夜中、寝ているときにしました。アップデート直後は「英数」と「かな」のキーが使えなくなるトラブルが出ましたが再起動で回復しました。そして、今日はRAMが届いてメモリを2Gから4Gに増設というより換装をしました。価格はAppleストアの1/8というちょっと信じられないメモリですが、有名メーカーのリテール品で、10分足らずの作業で4Gがちゃんと認識されました。体感的なスピードアップはありませんがヴァーチャルOSのWindows起動時に「メモリの割当ができません!」というアラームが出ないようになることを期待しています。
ふと立ち寄った古書店で単行本のセールをしていて、まとめて6冊購入しました。その中の2冊が北欧の暮らしを伝える本で写真をたくさん載せています。そういえば小さな頃から写真がたくさん載った本が好きでした。どちらの本の写真もリバーサルの色です。

冬の色

また冬に逆戻りしたかのような雪の舞う一日でした。四季はそれぞれドラマを予感させる光と空気がありますが冬はまた格別な深みがあります。冬は遠い記憶を辿ってしまうような感覚になるときがあります。北の音楽というと私はチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」とホロヴィッツが弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(オーマンディ&ニューヨークフィル 1978 ゴールデン・ジュビリーコンサート カーネギーホール・ライブ)が聴こえてきます。でも、今日はアンヌ・ドゥールト・ミキルセンの歌が聴きたくなりました。先週の土曜日、東京丸の内を歩いていて北欧のインテリアの店に入ってふと彼女の歌を思い出したのです。音楽の素材の肌触りがわかるような音楽です。歌詞はデンマーク語かな!? 異国へのノスタルジーを感じます。ボルボよりサーブが似合う歌。
朝から実家に行ってミシンで袋を作ってきました。自宅のミシンは上糸と下糸のバランスがよくないし針飛びまで出て袋作りを断念してのことです。今日作ったのはKiss DXの袋です。出張のときなどビジネスバッグにKiss DXを入れるときに使います。生地の色はベージュ、紐もベージュでおだやかで律儀な佇まいです。サイズもぴったりで仕上がりは申し分ありません。また時間があるときにポコ・ア・ポコの袋やレンズ・ポーチを作りたい。生地はいろいろ集めてあります。
Kiss DXを入れた袋を写真に撮ろうとリフレクターを作りました。効果は絶大、と思いましたが、ライティングの難しさに閉口です。

にじ

よく訪れるブログで虹を表す手話の写真を見て目が釘付けになりました。クロスの針金入りガラスをバックに逆光の中に子どもの手が写っていてすごくきれいです。そして、スクリプトを読んでまた驚きました。「にじ」とは歌の題名でした。新沢としひこ作詞、中川ひろたか作曲の「にじ」です。この歌を初めて知ったのは横須賀に行く前の年だから1999年のこと。私も楽譜をコピーしてもらってピアノを弾いては歌っていました。それにしてもこのブログの写真とデザインはきれいだ。
Life w/pure&style「にじ」

人生の絶対的な座標軸

2月の日曜日のポコ・ア・ポコは8家族のみなさんに来ていただきました。始まる少し前から外はまるで吹雪のように雪が風に乗って横に流れていましたが、セッションが終わったら青空が戻りました。初めてのお子さんも興味津々というようすでしっかり参加していただきました。終わりのシャボン玉もみんなでじっと見つめることができました。寒い中を来ていただいたみなさんに感謝しています。
昨夜は東京で教員研修センターの同期の集まりがありました。久しぶりに集う気が置けない面々が語り合う時間のなんと早く過ぎることか。このネットワークを大切にしていきたいとあらためて思いました。
東京からは夜行の高速バスで帰ってきました。今回の東京行きは雪次第でしたが、中央道は諏訪湖付近で−8度の表示が出て路肩や沿線の田畑や屋根は雪で真っ白でした。ところが速度規制はなくて相当な速度で走るバスは時折凍結した路面と思しき凹凸の振動を拾っていました。この冬は雪が多い。
行きの新幹線で早速紐解いた茂木健一郎の『すべては音楽から生まれる 脳とシューベルト』(PHP新書 2008)は期待以上の本でした。長くなりますが一部を引用します。
「人生の絶対的な座標軸」
「人間は、生きていく上で様々な事態に出遭う。時には困難と向き合わなければならない。銀のスプーンをくわえて生まれてきたとしても、どんな風光明媚な場所で暮らしていていたとしても、難事の連続であるという人生の本質や、この世で生きることが辛苦から逃れることはできないのだ。だが、絶対的な座標ーたとえば、『喜びや美の基準』といったものさしーが自分の中にあれば、日々の難事や苦しみは、ずいぶんとやわらぐものである。これは、あくまでも自分のものさしだ、という点に強みがある。世評や人気といっったような、他人を介在するものさしではない。浮世の表面的なこととは関係がない。自己の体験から生まれた独自の軸なので、揺らぐことなく自分を内側から支えてくれる。絶対的な座標軸の存在が、その人にとって、生きるということの決め手になるのだと思う。人生の苦しみを緩和し、さらには、世界の美しさや楽しさに目をむけさせてくれるような、生きる秘訣となるのではないだろうか。この世はままならぬことばかりである。自分の理想とはほど遠い現状に憤慨や焦燥、諦念を覚えることも少なくない。だが、座標軸があれば、周りがどう思おうと関係がない、という潔い強さを持てる。『周りがどうであろうと、自分の中から光を発し続けていればいいのだ』という域に達することができるのだ。その光源たり得るものとして、音楽はある。『美しい』『嬉しい』『悲しい』『楽しい』・・・。一瞬一瞬に生身の体で感動することによって、人は、自己の価値基準を生み出し、現実を現実として自分のものにできるのである。それが『生きる』ということである。だからこそ、本当の感動を知っている人は、強い。生きていく上で、迷わない。折れない。くじけない。音楽はそんな座標軸になり得る。音楽の最上のものを知っているということは、他のなにものにも代えがたい強い基盤を自分に与えてくれるものなのだ。」
茂木健一郎が使う「クオリア」という言葉は彼の他の本で何度か読みましたが今ひとつわかりにくいところがありました。ところが音楽を軸としたこの本では自分の実体験と結びついて腑に落ちる言葉となりました。

『すべては音楽から生まれる』

今週は雪、雪、雪の毎日で、weathernewsの情報に一日に何度もアクセスする毎日でした。4時起きの気象チェックも1週間続くとさすがにまいります。それでも雪はやっぱり好き…ですね。週末も雪とのこと。明日は東京行きなのでゆっくり雪をながめているわけにはいかず、交通機関への影響がないことを祈るばかりです。明日持って行くカメラ+レンズはkissDX+tamuron A16でバッテリー1個と4Gのメディア1枚という最小限のコンビネーションです。レンズキャップもはずして布袋に入れてブリーフケースに放り込んで行きます。
朝刊の本の広告で茂木健一郎の『すべては音楽から生まれる 脳とシューベルト』(PHP新書 2008)を知って、明日の新幹線で読む本はこれだと早速書店に寄って買ってきました。まるで私のために書かれたような表題で音楽療法の関係者なら読まずにいられなくなります。
映画「ピアノの森」の中でいちばん難しいとされるのはショパンですが、あの映画の音楽の主役はやはりモーツァルトのピアノソナタK.310の第三楽章です。コンクールのステージでカイがネクタイと靴を投げ捨てて立って弾くシーンは鮮烈で、意図的にドラマチックに演奏しているサウンドトラックも新鮮です。バッハのイタリア協奏曲もこのサウンドトラックが音楽構造を紐解くような知的な印象があって実に面白い。名演奏も新しく創造されてあるべきものと思います。

昼過ぎに伊勢から帰ってミュージック・ケア協会に提出する書類を作っていたら雪が降ってきました。小1時間ほどで仕上がった書類を持って郵便局に行く頃には一面真っ白でした。カメラバッグも持って車に乗り込みました。自宅前の道で雪質を確かめるためにアクセルとブレーキをちょっとラフに踏んで車を滑らせました。水分を多く含むので滑り方は一様ではなくて読みが必要でした。団地から下りる道ではノーマルタイヤの車がゆっくり走っていて、走るというより歩くよりもゆっくりで、しかも横滑りしてこちらまで緊張してしまいました。道をゆずってもらうと215/45R17のスタッドレスを履いたアテンザは雪をものともせずに走って、アクセルワークで滑りをコントロールする余裕すらありました。過信は禁物ですが! その雪も夕方前に上がって早くも融け始めました。明日の朝は凍結していることでしょう。
この雪でバイクは明日以降におあずけです。Saecoのレプリカに空気を入れて3日ですが空気圧は十分に高くて7年前のものとは思えません。冬のウェアとシューズ、ヘルメットなどもクローゼットの奥から出しました。メーターの電池はさすがに切れていましたが赤のフレームに黄のパーツでコーディネートしたSaecoは見る人の血を沸き立たせるスタイルです。アルテグラのパーツは今もカチッとした手応えでディレイラーの動作も正確です。このバイクは乗っているうちに身体と一体化する感覚があって愛着があります。レースで攻めるのもいいけど自分と語り合うために乗るバイクだと思うのです。

産業医のアドバイス

今日、産業医の健康相談を受けました。運動をするようにアドバイスをいただきました。スポーツから遠ざかって体力は落ちるし体型はくずれる…健康診断の数値も変わりました。健康相談を終わってまた走り始めようと思いました。2000年冬に新調したSaecoのレプリカ、真紅のキャノンデールはレースで1回も使わずに部屋に飾ったままです。スポーツでなんとか体を動かさないとと焦りますが poco a pocoが長続きの秘訣でしょう。
一昨年夏の筑波の同期の集まりの通知が届きました。わずか2週間の研修でしたが、班の半数近くが全国から集まります。響き合いを感じる人と人と人、楽しみです。

木綿のにおい

地元のムーブメントの療育サークルからポコ・ア・ポコで使ってくださいとビニール袋をたくさんいただきました。1100枚とのこと! ポコ・ア・ポコで使っているビニール袋はもう5年近くも使っていていささかくたびれかけていました。このタイムリーなプレゼントに感謝感謝です。感触もほどよくしっかりしていて申し分ありません。あんまりうれしいのでビニール袋を入れる袋を新調しようと布地を買ってきました。ちょっと華やかなオレンジ色にしてみました。明日か次の3連休に作りたいのですが、久しぶりのミシンは調子良く動くだろうかと気がかりになってきました。カメラ用の袋も作りたくて布地は何種類か買ってあります。こちらはナチュラルカラーです。凝りだすと止まらない。木綿の肌触りとにおいが素敵だ。

映画「母べえ」

夜、映画「母べえ」を観に行きました。ピアノの音がたまらなくきれいでした。音は少なめで、澄んでいて、おだやかに揺れて、それが哀しくもありました。みんな生きることが少しずつ不器用で、でも、戦争の渦に巻き込まれながらも自分を見失わない真っ直ぐな思いをつないでいく姿に心を打たれました。ラストシーンは“今”でしたが、その“今”がいちばんさみしく思えることがほんとに悲しいことかも知れない。この映画でいちばん不器用だった山ちゃんに私は自分を見る思いがしました。きっと多くの人がそうかも知れません。