月別アーカイブ: 2005年11月

今夜はグールドを聴きながら

■ペンション・モーツァルトのコンサート以来、ピアノとバイオリン、チェロをよく聴きます。ずっと聴いていると、私はやはりバイオリンが好きなんだと思います。音域が高く反応が速くて感度が高いところに惹かれるのだろうか。私もそんなふうに弾きたいのですが、技術が伴わないから単に乱暴な弾き方になってしまいます。誰のために弾くわけでもないのでそれでいいのですが、ピアノに限らず楽器が弾ける環境は今の私にはありません。ペンション・モーツァルトで過ごした一夜が夢のようです。思い出すとなぜかモーツァルトのクラリネット五重奏曲イ長調K.581が聴きたくなります。
■土曜日26日は勤務校、北勢きらら学園の学校祭「きららまつり」でした。各グループで趣向を凝らした企画からは担任の先生と子どもたちとの関係性の深さが伝わって来て心を打たれました。先生たちの企画はさらに凝っていて、手作りコーナーやショーをすべて回るには2日はかかりそうでした。温水プールではテーマパークさながらのショーまであって、観た人はさぞかし驚いたことでしょう。たくさんの人に来ていただきましたが、所在地域のみなさんにもっと来ていただけるように日頃から学校経営を考えていかなくてはならないと思いました。そして、来年、創立10年を迎えるきらら学園の文脈の創造の歩みを文書にしておきたいと思うのです。
■学校祭の準備などで帰宅が遅くなる日が続いたので当日の夜は料理するものしんどくて外食にしました。その帰りにあのCDとDVD2枚2500円のセールに寄りました。パガニーニのバイオリン協奏曲1番などのCD(UCCG-7049)と、加羽沢美濃の「霧笛荘夜話」(COCQ83894)を買いました。
■パガニーニのソリストは庄司紗矢香です。オーケストラとの共演は17歳とは思えない落ち着いた演奏で、これはちょっと聴くシーンを選んでしまいそうです。でも、生演奏はちがう印象だと思います。ナタン・ミルテンシュテインの「パガニーニアーナ」がいちばん伸び伸びとした演奏で私のお気に入りリスト入りです。
■加羽沢美濃の「霧笛荘夜話」は同名の浅田次郎の小説からのinspired musicだとか。劇伴の印象もあります。描写音楽といってもいいと思います。加羽沢美濃お得意の音楽ですね!
■やはり土曜日、NHKでターシャ・チューダーの特集番組がありました。再々のまた再放送です。「人は物事の悪い面ばかり考えがちだけどそれは間違っているわ。この美しい世界を楽しまないなんてばかげてるわ。」「今が人生でいちばん幸せよ。」という90歳の彼女の言葉に大きな意味を感じてしまいます。美しいものを美しいと感じる心、感性、センスが大事。そうそう、そのことについて特集する番組がやはり今夜、NHK-ETVでありました。「ETV特集 心はどこにあるのか?」です。長時間番組なのでこれも観るのは明日以降です。
■日曜日は朝から団地の掃除、午後は自治会の仕事、夜は団地の管理組合の会議と、慌ただしく過ぎました。団地の掃除は中央公園の山の草刈りで、草刈り機を使って下草刈りをしました。紅葉も終わりに近く、たくさんの落ち葉や枯れた草に付く露が朝日に輝いてそれはそれはきれいなこと。2時間半があっという間に過ぎました。
■パガニーニを聴くとなぜかバッハも聴きたくなります。土曜日、寝る前に聴いたのはヘンリク・シェリングが弾くバッハの無伴奏パルティータ第2番ニ短調BWV.1004です。1955年の演奏ですからなんと半世紀も前、私が生まれる前の録音ですが、「今夜のコンサートで聴いてきた演奏」といっていい。実に生々しい、コンテンポラリーといっていい演奏です。
■今朝の朝日新聞朝刊のコラム「時の墓碑銘」はグレン・グールドについて書いてあります。グールドファンのひとりとして、私はこのコラムの一字一句をうなずきながら読みました。彼ほど文学的に多くを語られる演奏家はいないのではないかと思います。吉田秀和の言葉もまたすごいものだ。「桁外れに風変わりなようで、その裏に厳しい定則生を感じさせ、乾燥している半面あふれる詩情があり、何か途方もない演奏という外ない」そう、そうなんだと、意を得たりと腕組してうなずいてしまう。今夜はグールドを聴きながら眠ろう。
■アテンザは、先週、通勤途中の東名阪でフロントガラスに石が当たってヒビが入るというアクシデントがありました。その日のうちにリペアして、痕は残りましたが、これもハードな毎日の勲章みたいなものと思っています。スタッドレスは値段の安い旧モデルを取り寄せてもらうことになって、ホイールは深いグレーのアルミにしました。このホイールは気に入ってしまって夏タイヤに使おうかと一思案です。アテンザはブレーキダストがボルボ並みに相当なもので、深いトーンのホイールだと目立たなくていいかも知れません。オフセットが48mmと-7mmで、タイヤがちょっと外に出るのもいい。わずか7mmですが左右で計14mm、印象もきっと変わります。そもそもアテンザのオフセット55mmがちょっとない設定です。

米子で

■先週は全国肢体不自由教育研究教育研究協議会鳥取大会に行ってきました。今回は校長代理で、初日16日(水)の校長研究協議会に出席しました。文部科学省の調査官の講話は貴重な内容ばかりでした。このところ教育をめぐる情勢の変化はとても早くて、毎日のように情報をチェックしなければならないくらいです。しかも、現場では先を見通して布石を打っておかなくてはなりません。現場の力量が容赦なく問われる状況が続きます。
■鳥取大学地域学部地域教育学科教授、小枝達也さんの講演「特別支援教育に期待するもの」は、特別支援教育と発達障害の子どもたちを小児科医の言葉で語り、ややもすると袋小路に入りがちな教育の枠組みをわかりやすく解きほぐしてくれる、そして、同時に、課題の確信を明らかにしてくれる内容でした。私も真摯に努力を重ねたいと思うのでした。
■米子市で目を引くのは王子製紙の工場です。夜もオレンジ色の照明に照らされて煙突から煙を吐く姿は海辺の平野に聳え立ってちょっと異様な光景です。「ハウルの動く城」を彷彿とさせました。だからというわけではないのですが、研究協議会の会場の前のSATYでちょうど発売になった「ハウルの動く城」のDVDを買ってしまいました。フィルムの1コマがついていました。SATYではスーツの中に着る黒のベストとグリーン系のネクタイを調達しました。このネクタイしてペンション・モーツァルトに行けたらいいなと、漠然と思って買ったもので、この次行けるのはいつのことでしょう。
■大山はちょうど16日に初冠雪とのこと。17日にその姿を少し見ることができました。ほんと、富士山だ! 冬の鳥取は「ぴしぴしする」と、大学のとき鳥取出身の友人が話していました。吐く息はすでに白くて雪雲のような灰色の雲がところどころに覆いかぶさるように浮かんでいました。温暖な三重とはちがう文化が生まれ育まれるのも然りと思いました。
■今日はポコ・ア・ポコ音楽療法の会の勉強会と日曜日のポコ・ア・ポコをしました。午前中の勉強会は多職種勉強会となり、精神医療での音楽療法について考える機会となりました。午前午後と、今日は11家族のみなさんに来ていただきました。ほんとにいい天気で、行事が多い中、いつも来てくださるみなさんに感謝です。
■このところ悩ましいのはアテンザのスタッドレスです。215/45R17のスタッドレスはけっこうな値段がしますが、その前に、そもそもこの近辺では姿どころか店頭の価格表にさえありません。四日市では店頭にあるのに! スタッドレスのホイールは今のオリジナルを使って、春にラジアルのホイールを選ぶことも考えています。またまたあまりないアイテムを考えています。そうそう、アテンザの燃費は富士の帰りに13km/lが出て感心することしきりです。

ペンション・モーツァルトで・・・

■私のスケジュールのミスからこの土日は山中湖に行くことになってしまいました。P(ペンション)・モーツァルトの予約がそれです。いくつかの行き違いや思い込み、そして、誰かさんのちょっとした悪戯から非日常の世界に迷い込むことがあることを身をもって思い知りました。
■晩秋の冬枯れの葉が金色に輝く富士山スバルライン、今が見頃の山中湖畔の紅葉、P・モーツァルトの深い陰翳の佇まい、私の部屋番号はモーツァルトの「レクイエム」の作品番号のK626、美味しいフランス料理、そして、夜のコンサートのプルミエの素敵な演奏…こんなことってあるのだろうかと、昨日のことなのに信じられないくらいのたくさんの出会いがありました。
■ピアノトリオ、プルミエのことは何も知らなくて、もちろん、昨夜は演奏者の名前も知らなくて、いきなり五感が120%目覚める演奏が私を包み込みました。シャンソンから始まるおしゃれなプログラムですが、どの曲もちょっとひとひねりしてあって、曲の前にもう1曲演奏されるのです。ときにはピアノ伴奏がそっくり書き直されているクラシックもありました。ジャンルは何にしてもスタンダードナンバーへのプラスαは勇気がいるもの。でも、その選曲と編曲からうかがわれるとらわれのない自由な発想は彼女たちの音楽の豊かな裾野を知らしめるものでした。
■昨夜のプログラムで曲名の紹介がないまま演奏が始まった曲で、1曲、何が奏されるのかわかった曲がありました。作曲は誰だったか、よく知られている「マドリガル」です。曲の前に奏される部分に「マドリガル」の伏線が紡ぎ込まれていたのだろうか。聴く者の心を続いて奏する音楽にいざなう選曲と編曲のセンスに脱帽です。
■ドヴォルザークの「ラ・ルーナ」をピアノトリオで聴けたのも大きな収穫でした。今夜、家に帰ってサラ・ブライトマンが歌う「ラ・ルーナ」を聴き直しました。この曲のメロディのなんと美しいこと!
■こんなプルミエだから音楽はほんとに楽しい。生き生きしています。CDアルバム「1ere」(フランス語で左のeの上には点がちょこんとついています)は「“みる”コンサート物語」の音楽集で、この上なくおしゃれでほんとに楽しい。「雨ふり りんちゃん」は最高に楽しい。
■コンサートが終わってプルミエのメンバーと話していて、彼女たちは「こころのバリアフリー・笑顔のお手伝い」「“みる”コンサート物語」の音楽を担当していることを知りました。このようなリソースへのネットワークは大切にしたい。2003年には三重県四日市市で「“みる”コンサート物語」があって来ていただいているとか。知らなかった(×_×) 影絵と語り、そして、音楽という組み合わせは考えただけでわくわくします。発達障害の子どもたちにぜひ来て観て聴いてほしいコンサートです。
■プルミエのチェロ、平山織絵さんのアルバム「full moon」は曲のスピードと音の色彩が実に心地よい緊張感をプレゼントしてくれます。プルミエの活動はもっともっと評価されるべきだと思います。クオリティの評価はあってもある程度のマス、量としての評価があって然るべきではないでしょうか。このあたりはマネージメントの課題かも…。オリジナル集の「full moon」は腑に落ちる音楽です。
■私のミュージックの旅のフィナーレはTOYOTAのF-1マシンのサウンドでした。ヤルノ・トゥルーリがドライブするF-1マシンの咆哮は血が沸き立つ感覚です。私とは何かを教えてくれているように思いました。
■2日で850キロを走ったアテンザ23S-MTはドライバーにとって疲れ知らずでした。四肢を駆使するマニュアル・トランスミッションはドライバーの感覚を統合させるシステムだと思います。

秋の夜長のココア

■土曜日、朝から地元のムーブメントのセッションに出て、午後は名古屋に行って音楽療法セミナーに参加しました。セミナーはアメリカのスザンヌ・ハンザー博士の講演で、テーマは「統合医学における音楽療法研究」でした。音楽療法の社会的認知が進んでいるアメリカならではの余裕のようなものを感じました。
■この講演は通訳を介して行われましたが、スライドの英文と邦訳とのニュアンスが異なるように感じました。誤訳というのではありません。文脈がちがうということです。このちがいはどこからくるのか? 文法だろうか、それとも、文化のちがいなのだろうか。そもそも西洋の体系で語られることが多い音楽療法や医学です。欧米の言語の方がなじむのは当然かも知れません。
■日曜日は半日新聞の切り抜きをしていました。そして、新聞を資源回収のために束ねようとしたら荷造り紐が見つからなくてまた山積みです。でも、それは宝の山です。
■この週末に「デビッド・コパフィールド」のビデオを見ました。VHSで2巻、3時間余りもありますが原作のダイジェスト版のはず。でも、ディケンズの温かい細やかな眼差しを十分に感じることができました。きっと俳優たちもこの本がほんとに好きなのでしょう。
■昨日今日と出勤すればまたまたてんてこ舞いでした。そんな中、暗くなってからいただいた温かいココアのなんと素敵な香り、そして、甘くてちょっぴり苦い風味に一日の疲れがどこかに飛んで行ってしまうようでした。
■本田美奈子さんが亡くなったとテレビが教えてくれました。今夜は彼女が歌うカッチーニの「アヴェ・マリア」ばかり聴いて帰ってきました。
■毎日思うこと考えることはたくさんあります。それを書き留める時間がないことにため息が出ます。そうそう、書き留めるといえば、フランクリン・コヴィーのクラシックサイズがこのところ大活躍といったところです。

リチェルカーレ

■山中湖のP(ペンション)・モーツァルトの予約が取れて目の前がパッと明るくなったように思った…というのは大げさですが、P・モーツァルトのことを知るにつれ、私の期待は大きくなっていきます。小さなことだけど、P・モーツァルトのタンノイのオートグラフというスピーカーは、私が学生の頃、京都で通った名曲喫茶「リチェルカーレ」の思い出そのものです。私の宿泊予定の日は弦楽アンサンブルと星を見る会もあるとのこと。P・モーツァルトは八ヶ岳倶楽部がある八ヶ岳高原にも近く、いつかこの組み合わせで行ってみたいもの。
■「リチェルカーレ」は私が卒業して1年後にはもうありませんでした。ベレー帽をかぶった小柄なおじいさんがマスターで、モーツァルト以前の音楽に限ってライブラリーをそろえていました。もちろんアナログのレコードです。私はペーター・シュライヤーがソロを歌うバッハのミサ曲をよくリクエストしました。リクエストノートのリストに友人の名前を見つけてリクエスト曲を見るのも楽しみでした。あの空間は私の記憶から決して消えることのない私の宝物です。
■HDDレコーダーは期待以上の使い勝手です。テレビ番組をとりあえずHDDに録画して保存しておくべき番組をDVDにダビングする、VHSからDVDにダビングするというフローはあまりにスムーズです。私が使っているDVDは1枚70円! VHSのビデオライブラリーのDVD化は数が膨大で、DVD化してもビデオテープはすぐには捨てられないから悩む。