月別アーカイブ: 2003年5月

バレエ(音楽)から学ぶもの

■昨日、勤務先の養護学校の遠足で三重こどもの城(三重県松阪市)に行きました。模様替えをしてから初めて行きました。エントランス左にはハーブの専門店があって、壁いっぱいのハーブの壜が目を惹きます。テーブルにはガラスのカップのハーブティーとシフォンケーキが…なんとおしゃれなのだろう! imaxのシアターではディズニーの『美女と野獣』が上映されています。ここはほんとに自治体の施設なのだろうかと思ってしまいました。三重こどもの城がある中部台運動公園は新緑の季節です。400メートルトラックが取れる広場と広場を囲む斜面全体を覆おう芝も今がいちばんきれいです。近づく台風の風もまたおもしろいのでした。被害が出ませんように!
■今夜、NHK-ETVで「21世紀・現代バレエはどこへ」が2時間にわたって放送されています。私は、アヴァン・ギャルドは何でもおもしろいと思っています。でも、音楽はいつも遅れてやってきます。音楽が私たちの生理的なところまで、感覚的なところまで密接に関わるものだからでしょうか。この放送も今までのところ音楽は古典がほとんどです。音楽の安定の上にバレエの新しい試みがなされるという文脈です。もちろん、演奏そのものはアヴァン・ギャルドといっていいものがあります。体操競技、女子床運動のピアノもバレエの基礎練習のピアノも私はとても惹かれるものがあります。リズムの躍動感、歯切れよさ、高い緊張感、スピード感、対話感、その臨場感がたまらない!
■洗練されたバレエもまた音楽療法のセッションの身のこなしのヒントになります。音楽を感じて動くということです。指先の些細な動きまで意図的でなければならないし、その動きは音楽的でなければならない。ミュージック・ケアの研修でキー・ポジションのチェックが時間をかけてありました。ミュージック・ケアのセッションのプライマリー・セラピスト(主務者)はオーケストラの指揮者に似た存在です。キー・ポジションのチェックのときそう思いました。セラピストの動きはすべてセッションのゴールに向けて意図されたものでなくてはなりません。私が着る服の色も、グッズを入れる袋の色も、会場も、私の言葉がけも、すべてがそうです。これは応用行動分析の考え方です。
■バレエといえば、ミュージック・ケアのフラップ・バルーンの音楽はチャイコフスキーの『白鳥の湖』から『情景』がオリジナルです。私は『フロム・ア・ディスタンス』を使っています。理由は、『白鳥の湖』の演奏で私のイメージする文脈に合う演奏がないからです。私が持っている『白鳥の湖』は小澤征爾とラザレフです。小澤征爾が音楽的に劇的ならラザレフは劇的なステージの立役者です。本場の香りが漂う演奏です。あと、パリ管を振るデュトワが気になりますが6月末の発売です。デュトワとパリ管といえばプロコフィエフの『ロミオとジュリエット』がお気に入りですが、持ってないので先週木曜日の朝は小澤征爾とボストン響のCDを持って車に乗りました。こんなにいろんな曲を次から次へと聴く自分は大丈夫だろうかと思いながらも、プロコフィエフの『ロミオとジュリエット』は時々気になって聴いてしまいます。『コッペリア』は文句なく楽しめますけどね…
■このところ食器洗い機に頼っています。食器洗い機用洗剤をいくつか試したところ、テレビのCMの映像のようにピカピカになる洗剤があります。気持ちがいいけど、これって、ほんとに安全なのだろうかとふと気になります。
■MPVのエンジン・オイルをやっと交換しました。50%化学合成というMPVのイメージとはちょっとミスマッチなオイルです。透明なオイルで気持ちがいい。ピュア&フェアプレイでいきましょう(^_^)/~~

「サンデー・ポコちゃん」初日

■サンデー・ポコちゃんの初日が終わりました。18家族、20数人の子どもたちとご家族で40人を超えるセッションとなりました。初めてのメンバー、初めての場所ということでしたが、プログラムが進むにつれてセッションに積極的に加わる子どもが増えて、最後の『典子は今』ではひとつの大きなシャボン玉を見つめることができました。回を重ねることでサンデー・ポコチャンもさらにステップアップしていくことでしょう。ビデオで検証すると私自身が反省することがたくさん…動き、言葉がけ、プログラム、それぞれにステップアップしていかねばなりません。
■音楽療法の場はどんどん増えてきています。ニーズに合わせて選ぶことができるようになってきています。説明と選択によってこれから淘汰されるべきだと考えています。ポコちゃんは生き残れるでしょうか!?

「サンデー・ポコちゃん」前日

■明日は日曜日のポコ・ア・ポコの初日です。もう少し増えそうですが、今のところ、13家族20人のお子さんが来ていただけることになっています。バチは今日20組が届いて50人分となりました。鈴は30人分なので足りない分はエッグ・マラカスでカバーします。カップは38人分がやっと。なんとかやっていけるでしょう。それにしても、300円の会費にもかかわらずこれだけ来ていただけることにただただ感謝しています。
■今日は朝6時からグッズ入れの袋を作りました。ミシンの調子が今ひとつでなんとやっかいな! 鈴はピンク、バチは黄緑、ボールはクリーム、バルーンは水色、マラカスは藤色、それぞれ淡いパステルトーンの袋ができました。糸は明るいグレー、紐はベージュです。セッションの中で出しても文脈を損なわない色たちです。
■そんな色たちに囲まれていると、ふと、シュタイナーの世界を思い出しました。フォルメンのイメージです。でも、そんな直接的なことだけでなく、私は、強い刺激に溢れる今の日本ではなく、人が誰に教えられるまでもなく求める、落ち着ける空間も思い浮かべていました。色は大事です。色はコミュニケーションの手段にもなります。自分と語る術にもなります。
■明日のプログラムはセッションが始まらないとわかりません。
■麦畑が色づき始めましたね。あと1か月で麦秋です。今年こそは写真に撮るぞ

新緑が目にやさしいこの頃

■週末に久しぶりにトマトソースを作りました。オリーブオイルの量とか煮込む時間とか、計量カップや時計に頼る“量的評価”でなくで、自分の感覚が頼みの“質的評価”で作りました。たぶん、これまででいちばんいい出来だと思います。最後にバジルを入れたとき、パッと広がった香りは今までにないものでした。これでオリーブオイルの金色の輝きがあったらいうことないのですが、そこがむずかしい。
■アストラ・ピアソラを聴いています。先日、ピアソラを鍵盤ハーモニカで演奏するという話を聞いてまたまたピアソラを聴きたくなったわけです。そんなことで話は鍵盤ハーモニカになります。鍵盤ハーモニカといえば小学校の低学年で使う楽器です。でも、この楽器はただものではありません。山下達郎が使っているというと説得力があるでしょうか…山下達郎は『On The Street Corner』のアカペラに鍵盤ハーモニカを加えています。ピアニカ前田はピアニカ・プレーヤーです。戦場となって荒廃した国や地域の子どもたちに音楽をと鍵盤ハーモニカを持って世界を回る日本人もいます。私といえば、グランドピアノの上に鍵盤ハーモニカを置いて長いホースで吹いて右手で弾いて、カッチーニの『アヴェ・マリア』の伴奏を左手で弾いてみました。負ける! グランドピアノに音そのもので負ける。表現力で負ける。PAを使えばなんとかなるかな?音量は!
■この頃日曜日のポコ・ア・ポコのことが気になって落ち着かない毎日です。次の日曜日に迫りました。新曲やグッズの準備、そして、ご案内のプリントを今頃しています。あと、当日の説明のプリントなどはこれからです。気をもむことばかりですが、楽しみな準備はグッズ入れの布袋かな。ミシンで縫って紐を通すだけなんですが、パステルカラーの色合いがどんな感じになるのか、それが楽しみなのです。そうそう、メルヘン・クーゲルの音はやっぱり大きいように思います。耳元でひとりだけに聴こえたらいいのだからもっと小さなサイズで音も小さい方がより不思議な印象となるように思います。これもやってみないとわからないことですけどね。
■新緑が目にやさしいこの季節、勤務校の重度心身障害の子どもたちにとってはしんどい季節です。小学部の1割の子たちが入院しています。そんな中、ひとりひとりのQOLをどう高めていくか、それが私の課題です。

おかあさんといっしょコンサート

■「おかあさんといっしょ」のコンサートに行ってきました。うたのおねえさんは瀧本瞳さん、うたのおにいさんは坂田修さんです。ぐーチョコランタンのジャコビ、スプー、ズズ、アネムたちも登場です。コンサートはテレビで何度もみてきましたがライブは初めてでした。テレビではわからない臨場感を肌で感じることができて堪能しました。NHKが共催なので音源はオリジナルです。私はプログラムやステージの場面をメモりながらで頭はフル回転でした。「おかあさんといっしょ」のコピーはとにかく勉強になります。
■ひとみおねえさんもおさむおにいさんも広いステージをいっぱいに動いて、その動きがとてもきれいでした。歌はもちろんうまい! おさむおにいさんのギターもメリハリがあってよかった。とにかく音がきれいでした。ライブだとコード進行が織り成す場面場面の彩りがダイレクトに感じることができます。コード進行以上にリズムの歯切れよさが心地よかったですけどね! プロはやっぱりすごいものです。
■コンサートの終わりは体操です。『あ・い・うー』のちょっと聴きではごちゃごちゃした歌もまわりの小さな子どもたちは大きな声で歌いながら体を動かしていてびっくりです。「教科書」的には小さな子はシンプルな歌がお似合いなはず。でも、小さな子たちの秘められた感性は大人以上です。その感性にどこまで応えることができるか、それは大人たちの力量にかかっていますね。小さな頃認めてもらった自分、それはとても大事な宝ものです。音楽はそんな自分をありのまま認め肯定する力があります。音楽療法の原点だと考えます。
■先週の日曜日だったか、テレビで東京ディズニーランドを経営するオリエンタルランド社長加賀見俊夫氏のインタビューを見ました。「TDLの成功の秘密はこだわりですね。自分たちが決めたハイクォリティーなスタンダードをどう維持していくか。妥協は絶対しない。」 SCSEがキーワードとか。Safety=安全性、Courtesy=礼儀正しさ、Show=ショウ、Efficiency=効率です。障害児教育にも当てはまるキーワードです。毎日が安全であること、人権を保障するのは礼儀正しさであること、人生の演出がQOLを高めること、一瞬一瞬を大事にする効率が求められることです。
■ポコ・ア・ポコのセッションで使うフラップバルーンとメルヘンクーゲルが届きました。フラップバルーンは8メートル×8メートルです。ずしりと重い。淡いパステルカラーの配色はなんともいえない味わいがあります。メルヘンクーゲルはいちばん大きな6センチのものにしました。意外に大きな音。この不思議な音に耳を傾ける子どもたちの姿が楽しみです。でも、意図通りに鳴らすのは難しい。シュタイナー教育ではどんなふうに使うのだろう…
■WindowsXPのデザインをデフォルトのブルーにしました。今までずっとグレーでした。MacのOS9までそうだったから。でも、MacXはブルーが基調色で、iBookの白いボディにお似合いです。私のVAIOはVAIOカラーですけどね…
■ポコ・ア・ポコのグッズを入れる袋を作ろうと布地とひも、糸を買ってきました。淡いパステルカラーにしました。セッションで原色やキャラクターの袋を出すとセッションの文脈が途切れてしまうのです。色使いもコミュニケーションです。

いよいよ!

■ミュージック・ケア初級総合研修<三重会場>の日程が決まりました。来月早々のスタートなので日があまりありませんが、三重県で初めての日本ミュージック・ケア協会の総合研修なのでたくさんのご参加をお待ちしています。
■ポコ・ア・ポコのセッションで使うフラップ・バルーンも来週には届くことになってホッとしています。次は会場との打ち合わせです。いよいよ始まります。
■携帯を替えてデータ通信の速度がアップしたので以前使っていた通信カードは使えないものと思い込んでいましたが、今日、ふと試したら何の問題もなく使えることがわかりました。CDMAのパケット通信の2代目のPacketOneカードでかなり前のものです。これまでそんなに調子がいいとは思えなかっただけに、この相性のよさは今の携帯の安定した性能によるものだろうと思っています。おかげで今夜は泊り勤務にもかかわらず三重ミュージック・ケア研究会のサイトをすぐ更新することができました。

『アヴェ・マリア』

■今日は音楽療法のセッションで使う楽器を名古屋まで調達に行きました。メルヘンクーゲルという金属の球状の楽器というかおもちゃです。ヤマハの横浜支店のホームページで見たので名古屋支店にもあるだろうと思ったらありませんでした。取り寄せて送ってもらうことにしました。あと、タンバリンとか他にもいい楽器がありましたがいいものはやっぱり値もいい。それこそ少しずつ、ポコ・ア・ポコでそろえていきましょう。
■往復のドライブでミュージック・ケアの復習をしようとCDを聴いていました。ところが悪い癖が出て、また同じ曲ばかり聴き続けることになってしまいました。それは『アヴェ・マリア』です。名古屋に着く頃には楽譜がほしくなって買ってしまいました。
■作曲はカッチーニ(G.Caccini)で、16~17世紀のイタリアの作曲家です。500年近くも前の歌に心を奪われてしまったわけです。帰りに寄った実家のピアノで弾いたらピアノ伴奏など編曲がちがっているので印象もちがっていました。どうしても最初に聴いた感じにとらわれてしまうので違和感があります。編曲のちがいは店で楽譜を見たときにわかっていましたが、この楽譜は『アヴェ・マリア』という題の歌ばかり21曲も集めた楽譜集で、そのあたりの興味もあって買いました。『ヒーリング・ソングス アヴェ・マリア』(音楽之友社 2001)です。初版が2年で3刷ですからクラシックの歌曲の楽譜集としてはよく売れています。
■私はクリスチャンではないし、聖母マリアに対して特別な思い入れはないはずですが、歌詞の意味がわからないままにも『アヴェ・マリア』と題する曲にはめっぽう弱いのです。『レクイエム』にも弱い。モーツァルトのミサ曲は学生時代にスコアも買い込むほどでした。この楽譜集にもフォーレの『レクイエム』から『ピエ・イエス』が入っています。心にしみわたる。でも、だからといって、『アヴェ・マリア』を宗教曲ととらえると極東の異教徒が音楽療法と称したセッションで使っていいものかと真剣に悩んでしまいます。アメリカではクリスマスソングでさえ音楽療法で使わないようにしていると聞いています。クリスマスもウインター・ホリデーというようになってきているとか。そんなことが頭をよぎりながらも、『アヴェ・マリア』という曲はやっぱりいい曲が多いと思う。ちなみにカッチーニの『アヴェ・マリア』の歌詞は「Ave Maria」の繰り返しだけです。「めでたしマリア、めでたしマリア」(訳:教会祈祷文)
■久しぶりのヤマハでした。弦楽器の品揃えが増えていました。ヴァイオリンもまた弾きたいな…いや、時間はないぞ! DTMのコーナーにはiMacが並んでいました。本や楽譜を見始めるといくら時間があっても足りないくらい次々と見てしまいます。2階の鍵盤楽器フロアから子どもが弾くソナチネがきこえてきました。ピアノの音はいいものだと思いました。

セルマーのマウスピース

■今週はじめに月例のポコ・ア・ポコの会場がやっと決まりました。近くの公民館のホールを借りることができることになりました。注文したフラップ・バルーンは間に合うでしょうか!?
■先日、他校の音楽室のグランドピアノを弾く機会がありました。そんなに古くないのに音のコントロールがむずかしいピアノでした。鍵盤を押すと音が出るまでにカクンと指先に伝わるところがあります。アクションの不具合です。いいピアノなのにもったいない。それよりも私が愕然としたのは自分のあまりの弾けなさです。ミスタッチばかり! そういえばこの頃ほとんどピアノを弾いていません。ギターは尚更! これではダメだ! 右手の親指も痛む! なにくそ!
■その日、ピアノを弾きながら音楽談義をしました。話はいつも音楽を感じる心の大切さに行き着く。
■今日、アルトサックスのセルマーのマウスピースとリガチャーが手に入りました。モデルはS80。ひょんなことからヤマハのマウスピース、カスタムモデルを人に貸して、私のわがままでセルマーを返してもらったわけ! 値段はセルマーが2割余安い。私のサックスはヤマハのカスタムモデルYAS-875です。家なので大きな音は出せませんが、S80を付けて音がすごくスムーズに出て驚きました。材質は同じく圧縮ゴムですがセルマーの方が若干軟らかいように感じました。歯の当たりもやさしい。音についてはもっと吹いてから云々することにしますがどことなくセルマーっぽいかなぁ…。ミーハーな私は須川展也もセルマーのマウスピースを使っているから気にしないでおこうと思うのだ。とにかく吹きやすいということは練習時間が思うように取れない私にとってありがたいことです。
■好きなサックスはやっぱり須川展也とポール・ウインターです。いちばん好きな須川展也のアルバムは『jenna』です。須川展也のソプラノ&アルトサックスとマーティン・テイラーのギターのデュオです。マーティン・テイラーはヴァイオリニストのステファン・グラッペリと20年近く一緒に活動したとのことだから学生時代から彼のギターを聴いてきたことになります。『jenna』のノートを読むまで知らなかった。不思議な出会いです。