月別アーカイブ: 2005年3月

ランエボⅨ

■今日は県教委の人事異動の発表の日です。明日の朝刊に私の名前も載ります。今日は7年間勤務した三重県立度会養護学校での最後の日でした。教育はどれだけしても終わりのない旅です。勤務時間を過ぎるまで仕事をして転任の整理をしていました。音楽室においてある楽譜を片づけに行ったのは5時を回っていて少し暗くなっていました。音楽室のグランドピアノは浜松のカワイの工場に行って私が弾いて選んできたピアノです。薄暗い音楽室で指が覚えているシューベルトの即興曲を弾きました。7年間もいてこんなふうにピアノを弾く時間がどうしてなかったのだろうと思ってしまいました。ピアノとふたりだけの時間でした。グランドピアノの豊かな包み込むような音をたまらなく愛おしく感じました。
■駐車場で荷物を車に積み終わったとき、同僚からランサー・エヴォリューションⅨを運転してみないかと声をかけられました。ランエボⅨは発売されたばかりのニューカマーです。まだ500㎞も走っていない新車です。ほんとにいいのか?と何度も聞いて、だったらと運転席に乗り込みました。280馬力もすごいがいちばん驚いたのはドライバーの「こう走りたい」というライン通りに走る高いコントロール性です。この上ない安心感がある。ドライバーの意思と操作が車の挙動にダイレクトに現れる高いレベルのセンシビリティーは私の覚醒水準を一気に引き上げる。そして、まるで生き物のような息づかいのエンジン音…カワイのピアノ工場のホールで佇むフルコンサートピアノもまるで生きているかのような生々しい音でした。鍵盤の重さはランエボのクラッチの重さと似ている。フルコンサート・グランドピアノとランエボの文脈は同じだ。生命あるものの生々しさを感じる。セクシーだ。朝からどこかもやもやしていたものが一気に吹っ飛んで生き返ったようでした。明日から高速道路で片道70㎞の通勤の毎日です。ランエボだったら…と思うのだ。

春休みのポコ・ア・ポコ

■この春休みのポコ・ア・ポコはお休みをさせていただくことになりました。春休みのポコ・ア・ポコのスケジュールをとホームページを訪れていただいたみなさまには心からお詫びをいたします。ごめんなさいm(-_-)m。3月の春休みから新年度にかけて出勤と出張の日々が続きますが、日曜日のポコ・ア・ポコはこれまで通り4月以降も行っていきます。登録メンバーのみなさまには郵送でスケジュールとメッセージをお知らせいたします。新年度からもポコ・ア・ポコをよろしくお願いいたします。

F1マシンの引力

■名古屋に行って来ました。伊勢道と東名阪がつながってなんと早いこと! でも、地上何十メートルという高架は苦手で早く通り過ぎようとついついアクセルを踏み込むことになります。
■JR高島屋の東急ハンズでフランコリン・コヴィーのクラシックサイズのバインダーを調達しました。在庫のイタリアンカーフは血筋がいくつかがありましたがこれもめぐり遇いと買うことにしました。素材も作りも申し分ない一品です。
■仕事用の鞄は東急ハンズにこれというものがなくて、栄に行くとオアシス21でプレ万博のイベントをしていてトヨタのF1マシンが展示してありました。2年ぶりに見るトヨタのF1マシンは変わらず官能的でした。エクゾーストパイプのあたりがいちばんのお気に入りのアングルです。コクピットサイドにはラルフ・シューマッハの名前がありました。F1にチャレンジスピリットを感じます。
■鞄はロフトにありました。もうこれしかないと思いました。ノートパソコンもクラシックサイズのフランクリン・コヴィーもジャストミートです。しかも大き過ぎない。このサイズにこんなに入ってどうするの! メーカーはどこだろうとタグを調べたら、なんと、ノーマディック(株)でした。買い直して毎日使っているショルダーのメーカーでした。ノーマディックのバッグは一度使うと離せない優れものです。マンハッタン・パッセージを日本のメーカーが作るとこうなるというお手本かも。値段はマンハッタン・パッセージの半分ですが満足度は倍以上かも(^_^)
■アップル・ストアはどこもかしこも真っ白でした。iBOOKが私を呼んでいるような…

小学校の卒業式で

■昨日は地元の小学校の卒業式に行く機会がありました。今年の頭上の飾りは紙のボールと鶴です。これが不思議な空間を演出していました。待ち時間のBGMはエンヤです。ピンと張りつめた冷たい空気をエンヤの音楽が振動として伝わってくる感じがしました。卒業生入場はピアノの生演奏、証書授与のBGMはバイオリンとピアノ、子どもたちのストレートな歌声、この小学校の音楽のセレクトは卒業式に限らずいつも素敵だ。卒業生も在校生も真摯な姿勢で式に臨み、凛とした空間は素晴らしいものだ。学校はやっぱりマンパワーだとあらためて思い知らされました。感動しました。「ビリーブ」を歌っているときかなり大きな地震があって、雨あり風あり地震ありでこのことでも忘れられない卒業式となりました。
■このところ連日帰りが遅くて夜10時を過ぎることもあって、家に着くとぐったりです。昨日は夕飯を食べるのを忘れてふらふら…。でも、勤務時間、子どもたちの前では“元気ハツラツ”です。元気を取り戻す私のおまじないはウォーキングです。背筋をピンと伸ばして視線を真っ直ぐにしてリズミカルに脚を運ぶ。そうして廊下を歩いています。このとき“腰の回転”意識して歩きます。“腰の回転”を意識する走りと同じ理屈です。ときにはデューク更家のメソッドも入れて腕を大きく動かします。これが爽快です。全身がリフレッシュします。身体のリフレッシュは脳のリフレッシュに直結します。でも、このところの生産性の低さはただごとではありません。そもそも花粉症がいちばんの原因です。せめてと「花粉迷惑」というキャンディーを買おうとスーパーで探したけどなくて、となりの薬局で買おうと行ったら「スギ薬局」という名前に足がすくんでしまいました(*_*)
■花粉症にやられてたまるか!と、1年ぶりに車を洗いました。もうキズだらけです。タイヤはスタッドレスから夏タイヤに替えました。空気圧は1.6キロに落ちていたのでガソリンスタンドで2.2キロにしました。エンジンオイルも交換して音も静かになりました。荷室からポコ・ア・ポコのグッズを降ろして走るとなんと軽いこと! 半日身体を動かして、花粉症もなぜかあまり出なくて、身体も軽くなったみたいです。

雪の日のポコ・ア・ポコ

■3月の日曜日のポコ・ア・ポコは16家族のみなさんに来ていただきました。年度末のポコ・ア・ポコです。卒園・卒業、そして、進学、進級とステップアップのときだからでしょうか、お子さんたちが一回り大きく見えました。ひとりひとりのお子さんにきめ細かなサポートをしていきたいと、そう思いました。片づけを終わって会場の玄関の鍵をするとき、吹雪のような雪が風に乗って舞っていました。
■今日のポコ・ア・ポコの待ち時間に流していたのは「ひらけポンキッキ」の「またね」です。歌は橘いずみ…歌も編曲も演奏もクオリティが高くてとても気持ちがいい。卒園の歌だと思いますが「幼稚な感じ」がない。明日をまっすぐ見つめる子どもの輝く瞳が目に見えるような歌だ。すごくいい!
■ポコ・ア・ポコのあとはこの頃のお決まりの古本屋巡りをしました。何冊か気になる本たちがあって、この年度末の多忙が一段落したら買いにこようと思いました。

遠い日の記憶

■勤務校の養護学校の卒業式がありました。今年は卒業生のクラスなので感慨もひとしおです。先日、そのお子さんのこの1年の学校生活のスナップ写真を80枚選んでネットプリントに送信しました。小学部のお子さんの成長のなんと早いこと! 1学期の写真の顔がすごく幼く思えます。成長は顔だけではありません。そのお子さんとの授業は私は週1時間だけで行事などで抜けることもありましたが学習そのものだけでなくノイズ=余剰性への対応もどんどんうまくなっていくことを実感しました。子どもの1日1日1時間1時間のなんと大切なことか!
■また、そのお子さんは私の音楽観のステップアップをしてくれました。私の中でいまひとつはっきりしていなかった音楽の三要素(リズム、メロディ、ハーモニー)のプリミティブな優先順位をはっきり私に教えてくれました。いちばん大事な要素はリズムということです。そのお子さんはビートがはっきりした音楽がお気に入りでした。私のピアノのスタイルも変わりました。ビートをはっきりさせる弾き方です。ビートは心臓の鼓動に直接響くもの。脳の時間の刻みに直接作用するもの。そして、リズム=時の区切りは相互作用を成立させ得るもの。つまり、外界とのコミュニケーションを成立させ得るものだということです。あなたとわたし、という相互の繰り返しを明確化します。コミュニケーションは時間の経過があって成立し得るものです。四次元のパラダイムがそこにある。自閉症スペクトラム障害の人たちが苦手とするのは時間の流れの把握です。音楽は時間の流れを意図的に操作する側面があります。この時間の流れを意図的に操作する音楽のとらえ方のキーワードが「身体で聴く音楽」です。この冬休みに勤務先の養護学校で行った音楽療法の自主勉強会のキーワードです。このことについてはまた書きたいと思います。
■学校生活のスナップ写真はキヤノンのEOS D30で撮っています。セレクトした80枚の仕上がりを見るとすごくきれいです。これはFUJIFILMのカラーマネジメントのノウハウの結果ですが、D30の元データのクオリティがあってこそ出る結果だと思っています。PCのモニタで見るとなんだかぼやけた印象ですが、CANONのEFレンズのクオリティが元データの可塑性を支えています。雨後の竹の子のようなデジカメ市場が一段落した今、元気印なのはやはりレンズのノウハウがあるメーカーに絞られてきています。写真を知る者が生き延びるということでしょう。私はFUJIFILMのレタッチのノウハウが欲しい。FUJIFILMの底力はすごいものだと思う。そして、D30の底力もすごいものがあると思っています。露出は迷いっぱなしですが・・・(*_*)
■2月27日の音楽療法ネットーワーク三重の講習会「音楽療法士に必要な精神医学」(三重大学教育学部教授大谷正人さん)で知った統合失調症(精神分裂病)、そして、クライエントとの距離のとり方と、ドクター(セラピスト)自身の自己の精神のとらえのことをよく思い出しては考えています。これまで私は人を発達障害を軸に考え過ぎてはいなかったか! 精神というもののとらえの認識があまりに少なかったように思って反省するばかり。教育界の“弱み”といえるかも知れません。そもそも精神とは何なのか? 私の思索の旅は続く。
■夜、聴きたくなって探したグールドのバッハのCD。まるで語り部のようにピアノが語る。それは遠い日の記憶だ。遠い日の記憶とはインナーチャイルドなのだろうか・・・

あっという間の土日

■昨日は朝から地元の発達障害のお子さんたちのムーブメントのセッションにスタッフとして参加、午後は四日市市の小山田記念温泉病院での三重県療育研究会の研修会に高速道路を飛ばして行きました。
■三重県療育研究会はPT、OT、STの研究会で、“学校の先生”のパラダイムとはちがう“言葉”の中に身を置くことができます。これが超刺激です。養護学校の先生は自分にないPT、OT、STの専門性に惹かれる。嫉妬すら覚える。では、学校の先生の専門性は何なのか!? 学校の先生はもしかしたら家族よりも長い時間を子どもたちと過ごしています。そこに受け持つべき役割と果たすべき責任があると私は考えています。子どもと同じ時間を長く共にすることで子どもの気持ちと寄り添っていっしょに活動し、考え、笑い、ときには落ち込みながら共に成長していく。この関係性こそお互いの成長につながるものであり、これが学校の先生の専門性のベースになるのではないのか。その上でPT、OT、STの専門性や音楽療法などのスペシャリストたらんと努力することが求められていると私は考えます。
■今日は勤務先の養護学校の所在地の「手をつなぐ親の会」の行事に参加しました。手巻き寿司とポコ・ア・ポコのミュージック・ケアのセッション、地元の手品のサークル、ビンゴゲームとゆったりした日程で、発達障害がある子もない子も私たちも楽しい一日となりました。富山ケアネットワークのデイケアハウス「このゆびとまれ」もこんなのかな?と思いました。
■この土日は私にとっていい刺激になりました。でも疲れた(*_*)…明日は志摩市の海辺の小学校に出張です。