月別アーカイブ: 2011年5月

AKB48、細野晴臣、カズオ・イシグロ

AKB48を聴くようになるとは思わなかったのですが、インプレッサのHDDナビにあって少しずつ耳が慣れてきた感があります。大勢で歌うので合唱の様々な技法を使えたり、また、そのことで楽曲に安定した構造を使えたりすることがあるのでしょうか。一見斬新なスタイルですが音楽として押さえるべきところはきちんと押さえているので聴きやすいように思います。そして、前向きなメッセージもメジャーになるために必要でこれも押さえている。震災の被災地でトラックのステージでAKB48がコンサートをして、ふだんならおよそAKB48など聴きそうにない中高年の人も楽しそうに聴いていたようすを伝えるニュースは印象的でした。「総選挙」は理解できないものの日本に「元気」をくれていることは確かで、また、楽曲の安定した構造と売り込みのための細かな作り込みという手法は他分野でも学んで活かすものがあるように思う。音楽だけでなくアナリーゼ(分析)の対象として興味深い。そういいながら私はメンバーの顔と名前の一致だけは1年かかってもできないだろうとも思うのだ。
今夜のNHK、ETV特集は「細野晴臣・音楽の軌跡 音楽家が向き合った3.11」で、しっかり観たわけではありませんがその音楽はディープという形容詞の意味がすっと落ちるものでした。曲は「SMILE」でした。先週のETV特集の「カズオ・イシグロをさがして」もディープでしたがこちらは文学です。文学+映画、かな。NHKの映像も深みがあって録画をしっかり観たいのですがいつになるのだろう。

5月の日曜日のポコ・ア・ポコ

昨日、5月の日曜日のポコ・ア・ポコには雨の中を13家族のみなさまに来ていただきました。初めてのお子さんも3家族みえましたが、私も大きく気遣うことのない参加の仕方でした。ご紹介あっての参加なのでそれもそのはずです。最後の大きなシャボン玉は1歳と少しくらいのお子さんがよちよち歩きで近寄りましたが、あれ!・・・通り過ぎてきょとんとして、それがかわいくて会場全体が笑顔とあたたかい拍手で包まれました。こんなことは10年で初めてのことです。とはいえ、毎回新鮮なのはミュージック・ケアの強みです。その場その時のセッションはみんなで作り上げてひとりひとりが自分なりの参加をし合うのです。またまた来月が楽しみです。ところで、そろそろ夏休みのスポットのセッションの問い合わせをいただいています。早めの連絡をお願いいたします。

丹精のバラ

週末、やっというよりあっという間に週末が来た感じです。週末の朝にしたこと、それは庭のハナミズキの若葉の写真を撮ることでした。そのハナミズキは数年前に伊勢で購入したもので、ずっと縮れた葉しか出なくて幹も細いままで心配していました。ところが、この週明けに隣家の間から差し込む朝日がバックライトとなって鮮やかな黄緑色に光ってとてもきれいでした。やっと写真を撮る時間ができた今日にはその黄緑色が濃くなってしまっていましたが、この木がすくすくと成長することは私にとってゆかりもあってとても大切なことなのです。しっかり育ててやりたいと思っています。
さて、花といえば、今日は個人のバラ園を訪れる機会がありました。まさに丹精のバラでした。2年でここまで!?と驚くほどの花の数で、我が家のバラとはたいへんなちがいです。また、バイオリンの演奏もあって、この1週間の慌しさとは180度反対のモードでリフレッシュと和みのひとときでした。しかし、これからバイオリンをしばらくの眠りから起こすことになりそうです。
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このテキストはDropBoxを介してMacとThinkPadで書いています。ソフトの中にはWindowsだけのものがあって、Mac+Windowsでなんとか賄ってきたものの、デジタルカメラLumixのソフトがMac+Windowsではハイビジョンムービーをフルフレームで扱えないことがわかったりしてThinkPadも加えた次第です。11インチのThinkPad Edgeで、CPUはintelの超低電圧版Coe i3です。理論値上はMacより遅いはずですが、生粋のWindowsマシンで件のソフトも難なく余裕をもって走っています。11インチのモバイルといっても6セルバッテリーを選択したのでけっこうな大きさと重さがありますが、バッテリー駆動時間と天秤にかけて納得です。Sibeliusはハイブリット版なのでインストールしてどこでもDTMです。Sibelius系もWindowsの方が使えるソフトも多いことがわかってもともとWindowsのソフトだったのかと知った次第。SSDへの換装を想定してHDDは標準の250GBにしましたが、ThinkPadだとなぜか安心感があってしばらく様子見です。DropBoxやEvernoteを使うことで複数のプラットフォームを併用していけるものと思います。Windows7はMac OSとニアな印象があります。ブラウザはSafariを使っているのでなおさらか。筐体のデザインはUSキーボードにしたことですっきりした印象で、ThinkPadならではのキータッチは申し分ないものの、シルバーの縁取りやマルチパッドはデザイン上マイナス点かなと思っています。メーラーは数年ぶりにBeckyをセットアップしました。ライセンスは10年以上も前に取得したものですが使えるようです。メールデータをパソコンにきっちり保存できることは何よりの安心材料です。なんと、ThinkPad 535Eの10年以上前のメールデータも移管できるのです。Beckyは根強い人気があるようです。

言葉、声と礼儀

辻邦生原作のCD『西行花伝』(ANY 2007)があることは以前から知っていましたが、そろそろ廃盤になるのではと心配になって購入しました。辻邦生の語りが声で読まれること自体興味津々なのですが、音源はNHKのラジオドラマとのことで期待通りの質の高さでした。穏やかな中にも芯が貫く強靭な意志を彷彿とさせる語りです。効果音にはバッハの「ゴールトベルク」などを使い、荘厳な構造感があります。年々硬派の本を読む時間も少なくなってきた折、一節だけでもこのような朗読を聴くことで小説が本来持っている斬新なものへの引力を感じて自分自身の内面が充実するように思えてきます。
朗読といえばiPhoneのアプリ「朗読少女」が思いの外聴かせてくれます。いつの間にかストアのコンテンツも増えていました。声は好みがあると思いますが、誰の声にも自分らしさがあるはずです。自分の語りは大切です。
声といえば、先日のNHK-TV「SONGS」で徳永英明といっしょに「翼をください」を歌った合唱団の声を聴いて「これは」と思い、眼鏡をかけて画面を見直しました。声は杉並児童合唱団です。中学生から高校生の女の子ばかりで、他の合唱団との合同でしたが、やはり杉並児童合唱団の声でした。杉並児童合唱団の声は聴いてすぐにわかります。私が知る30年前と変わらない声です。美しい声です。
今朝はNHKの「おひさま」を1週間分しっかり観てなんだか満ち足りた気分になりました。そうか、そうだよな、と意外な展開にも納得してしまいました。主人公が師範学校に進んで教師となる設定も学校の現場を知っているだけに身近に感じます。その中で、富国強兵を目指していたとはいえ、当時の日本が教育にいかに多くの投資を行っていたことかがわかるシーンがよく出てきます。制作側も意図していないことだと思いますが、女学校や師範学校の映像そのものが当時の国策を物語っています。それはまた、教育の力がいかに大きいものであるかを示しているのです。
また、「おひさま」でよくみられるシーンに登場人物の言葉遣いのていねいさがあります。主人公が真っ直ぐ父を見て「行ってまいります」と言い、礼をします。そんな礼儀作法の折り目切り目が実に心地いいのです。これはミュージック・ケアの核心でもあります。動作と声、音、音楽との感覚上の統合が人となりを形づくり、外界への確かなメッセージとなる。これは、でも、少し前まで当たり前のことだったはずではないでしょうか。だから観やすい番組なのでしょう。きっと。

「おひさま」

GWにNHKの連続テレビ小説「おひさま」を何回か観ていろいろ思うところがありました。昨日の『新ニッポンの外車生活』ではありませんが、時代を象徴する出来過ぎのエピソードが連なっています。このストーリーはこの番組のための書き下ろしの脚本だとか。なるほどと納得です。でも、今、このストーリーをこうして国民が最も接する機会が多いメディアに載せること自体に何かしらの意図を考えてしまうのです。明治以来富国強兵の道を突き進んできた日本が閉塞の時代に差しかかろうとしているとき、学問に触れた若者たちがそれぞれに夢を抱き、女性が自立した存在を求めて困難と立ち向かっていく姿は、ある意味、日本の底力の象徴かも知れないと思う。ヒロインたちの真っ直ぐな生き方は痛快だ。ただ、満州に夢を求めて渡る若者たちの姿は悲しい。一家で満州に渡って遺骨をいくつも抱いて帰ってきた町内の家族の話は親から何回も聞いているので重ねてしまう。戦争の影が迫る中、つつましくも明るく、夢を抱いて生きる人たちがいたことをこのドラマは教えてくれる。日本が決して忘れてはならない過去のひとつを教えてくれるドラマといえるでしょう。

東京、その後

このGWは東京へ。合間を見つけて秋葉原の電気街をいつもよりちょっと奥まで見て回ることができました。店も然ることながらマンウォッチングにも興味津々のひとときでした。電気店やフリマに老若男女が懸命になる様は個々様々な日常を文字通り目の当たりにすることでした。そして、そこにはあるルールがさり気なく、しかし、厳然と守られているように思いました。個人の興味や生きる流儀といったものは互いに守られなければならないというルールでしょうか。新宿や渋谷ともちがう、また、満員電車やオフィス街では感じられない不思議な空気感でした。昭和の品々も懐かしく思いました。また、東京では電車が車内灯を消して運行していて、そういえば子どもの頃の国鉄はこんな感じだったと思い出しました。そもそも昼間は車内灯を点けていなかった。夜は点灯するといっても丸い車内灯がボーッと照らすだけでした。子どもの頃の記憶がよみがえってきました。
往路は夜走ったので渋滞知らずでしたが帰路は8時間かかりました。オデッセイに8時間乗ってインプレッサに乗り替えるとそのちがいは歴然。車を操っているという実感が湧いてくる。そういえばインプレッサに乗るようになって音楽を聴かずに走る時間が増えました。ノーマルエンジンでしかもATなのに面白い。シフトプログラムは疑問ですが、その分MTモードでシフトするもの却って面白く感じるところがまた面白い。HDDにCDから録音したいところですがしばらくはエンジン音がいちばんのサウンドか。インプレッサで行きたいところはやっぱり八ヶ岳高原です。
そんなこんなで、今日は本のバーゲンで山崎憲治『新ニッポンの外車生活』(ネコ・パブリッシング 2006)を入手して、その面白さに一気読みでした。出来過ぎた話といってしまうとそこまで。車にはロマンがある。乗って走って操って面白い車をなくさないようにしてほしいとたくさんの人が願っているはず。