月別アーカイブ: 2003年7月

プチポコとグールド

■“学校”は夏休みに入りました。今年の夏休みは44日あります。障害があるお子さんのお家はたいへんです。ポコ・ア・ポコは昨年の半分しかできませんがぜひお出かけをと思っています。
■昨日、ポコ・ア・ポコ サマーセッションの1日目がありました。午前中はプチポコで小グループのセッションです。お子さんは3人2家族で、久しぶりにピアノを弾いて歌ってのひととき、昨年はこうして始めたのだなぁとなつかしく思いました。ポコ・ア・ポコの初心、原点のようなものがあります。私にとってとても大切な時間です。
■自分で弾いて歌ってというとき、子どもたちとの距離、スタンスを自在にとれるということではピアノよりギターが適しています。ギターの練習をもっとしなければ!と、深夜、アンプなしでエレキギターを爪弾く…
■この3連休にたまっていた新聞の切り抜きをしていました。大学の独立行政法人化の記事がたくさんありました。障害児学校が独立行政法人化されるようなことは今しばらくはないと思いますが、その機能がお子さんの居住地のコミュニティーに移されることは考えられますし、私はそうあるべきだと思っています。これから変化の時です。子どもたちにとって何がいちばんいいのかという視点で私なりのビジョンをもちたいとあれこれ考えています。新聞の切り抜きはおもしろい!
■本もおもしろい! 近くの古本屋は私好みの本がたくさんあって、この連休には『ディズニー方式が会社を変える』(ビル・カポダグリ&リン・ジャクソン著 弓場隆訳 PHP研究所 2002)を買ってきました。夢を物語ることの大事さは共感するところです。民間企業の経営のノウハウを自治体の行政サービスに活かそうという動きには賛成するものの、学校という教育現場ではプラスαが必要だと思っています。この本にはそれがあります。SCSEのキーワードはウォルト・ディズニーによるものだとか。そうだろうな!
■久しぶりにバッハがききたくなってグールドのバッハをきています。もし、私がピアニストとしてやっていくなら、コンサートピアニストではなくグールドのように人知れず暮らしてレコーディングをするピアニストになるだろうなと思う。コンサートホールで何千人もの人を前にピアノを弾く意味は何なのだろう。個別的な音楽の場、空間というものの意味とそれに介入することの意味は検討されるべきだと思います。

音楽と色と人と

■ミュージック・ケア初級総合研修三重会場の5日間が終わりました。23人の68期生、三重1期生が研修を終えました。研修の終わりに、研修生から一言をいただく場面で涙する人もいました。研修の企画とサポートをしてきた三重ミュージック・ケア研究会代表として感無量でした。でも、これは始まりに過ぎません。まだ始まってないのかも知れません。三重県でミュージック・ケアの実践の場を対象者とともに大切に育てていかなければなりません。私はポコ・ア・ポコを大切に育てていきながら県内の研修の場を支えていきたいと思っています。
■7月6日、日曜日のポコちゃん3回目は17家族のみなさんに来ていただきました。きょうだいもいっしょなので子どもだらけ! 「さ、始めるよ」の一声で、みなさん輪になって集中力が一点に集まるのを感じました。3回目でここまで!迷わず『楽に寄す』のMDを入れました。なんと穏やかなこの空間! でも、大勢が苦手なお子さんにはやっぱり落ち着けない場です。少人数のポコ・ア・ポコとして「プチポコ」(ちっちゃなポコ・ア・ポコ)も企画しています。
■古本屋で『アヴェ・マリア』のCD(WPCS-10264)を見つけました。カッチーニの『アヴェ・マリア』が入っていて購入。スミ・ジョーのソプラノ、ジュリアーノ・カレッラ指揮イギリス室内管弦楽団で、静かで穏やかな演奏です。解説によると「歌の伴奏をリュートから通奏低音にしたのもこの人(カッチーニ)の業績とされる」(高久暁)とのこと。ピアノで弾くと譜面上は難しくないが和声進行による色彩?音彩?の変化が穏やかな中にもはっとするくらい明確で美しい。この曲が『アヴェ・マリア』として生まれたのもわかるような気がします。
■色ということでこんなことがありました。ミュージック・ケア総合研修三重会場で使ったフラップバルーンは宮本啓子音楽療法研究所のものでも私が持っているそれとは配色がずいぶんちがって受ける印象もちがいました。私のは白と黄緑、紫、黄が基調となっています。研修で使ったのは暖色系でした。購入時期は2~3年ちがいます。講師の先生からフラップバルーンの色のエピソードで興味深い話を聞きました。渋め系のオレンジを基調としたバルーンを病院で未熟児のお子さんとお母さんとのセッションで使ったところ、看護師から「この色は何か考えがあってのものですか? お母さんの子宮の色ですよ。だから赤ちゃんもこんなに安心して落ち着いてるんですよ。」というような話があったとか。色は大事です。

紙一重の非日常

■いつの間にか7月! 6月は忙しかった。とりわけ勤務時間中はちょっとまとまった話をすることも難しかったし、出張の事務処理をコンピュータに打ち込む時間すらなかった。かといってこれといったまとまった仕事ができたわけでもない。セルフマネージメントを反省することしきりだ。出張も多かったのですが、お互いプロとして話ができる人たちと出会うことができてQOW(Quority Of Works)の高い仕事となりました。7月も忙しいけど夏休みが始まってポコ・ア・ポコができるのは楽しみです。ただ、夏休み中の勤務や研修の予定がまだはっきりしていないところがあってポコ・ア・ポコの予定は確定していません。
■昨夜、NHK-BS2で『エビータ』がありました。録画したので所々みただけですが、沈んだセピア調の重々しい印象の画面と、アンドリュー・ロイド・ウェッバーの音楽、そして、マドンナの歌に魅了されてしまいました。全編をゆっくりみることができるのはいつのことか…
■近くの古本屋で300円の本を2冊買ってきました。すべてを読む時間はありませんが、ふと手にして開いたページに日常と紙一重の非日常の世界があればいい。そんなときは外国文学がいい。エリック・フォスネス・ハンセン著、村松潔訳『旅の終わりの音楽』(新潮社 1998)とポール・オースター著、柴田元幸訳『ムーン・パレス』(新潮社1994)です。『旅の終わりの音楽』はタイタニック号で沈没が始まっても演奏を続けていた音楽家の話、『ムーン・パレス』はニューヨークの青春物語です。
■明日の日曜日のポコ・ア・ポコは3回目です。新しい友だちが6人来てくれます。音楽療法も日常と紙一重の非日常かも知れませんね!