月別アーカイブ: 2019年6月

京都を巡る私の点と線

過去も現在も、そしてきっと未来にもつながる京都を巡る私との点と線の話です。

先々週と先週の週末は京都に行っていました。先々週は東山の女子大のシンポジウムと紫野の大学のスクーリング、先週は続いてスクーリングでした。そもそもの始まりは京都駅八条口の書店の入り口に平積みされた本から何気なく手にした小倉紀蔵著「京都思想逍遥」の数行に目が釘付けになったことでした。この本は京都にゆかりがある文学者や哲学者ら、そして、歴史上の人物と文学作品のゆかりの地を逍遥しながらさまざまに思いを巡らすというもので、現在の現実の京都の街を巡りながらも幾層にも重なった京都の街にタイムスリップしてしまうかのような錯覚を覚える不思議な本でした。活字に浸って読んで行くとセクションの終わりに「知らぬ」とある。なんと愉快なことかとますますのめり込む。

先々週の土曜日は午後から東山の女子大のシンポジウムでした。会場の入り口で東京にいるはずの知人とばったり会ってふたりとも驚きました。この4月から勤務先がこちらになったとか。学会のことや最近刊行となった病弱教育の「標準」のテキストのことなど、そして、近況を少しの時間でしたが歓談しました。そこで私が入っていた某大学のオーケストラのことも話題になりました。

スクーリングは教育を扱いながらもほとんど哲学の演習で、休憩はあるものの1日9時間を2週末にわたって3日間というハードなものでした。今回は西田幾多郎の場所的論理や宗教的世界観、絶対自己矛盾的自己同一の考え方に触れて私には難しかったものの京都時代のエピソードからやはり京都の重層的な文化を知ることができてたいへん興味深いものでした。

この間、先々週の土曜日に話題となった私が入っていた学生オーケストラの知人から同窓会をしたいという手紙が届いて驚きました。卒業以来40年になろうとしている今、このタイミングでこの知らせです。すぐに候補日の都合を記した返事を送ったところ唯一参加可能な日に決まったというメールが今週届きました。これにも驚きました。この夏は忙しくなりますが楽しみです。

※ 小倉紀蔵著「京都思想逍遥」は京都大学大学院の講義資料がベースになっているとのことです。