月別アーカイブ: 2006年11月

京都

2年ぶりの京都は紅葉が見頃で、京都大学桂キャンパスの紅葉したプラタナスの葉が晩秋の日差しに琥珀色に輝いて印象深いものでした。

コミュニティースクール・フォーラム2006はたくさんの示唆に富んでいました。コミュニティースクールは制度面がクローズアップされがちで、そのベースとなる理念は必ずしも議論の前線に登場するものではありませんでした。今回はその核心になるバックボーンと触れる機会でした。慶応義塾大学の金子郁容教授のコミュニティ・ソーシャルキャピタル論は私の思考の隙間を埋めてくれる明晰な考え方でした。テーマコミュニティはmixiなどのSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)人気の文脈を説明する考え方であり、そのマンパワーが地域コミュニティにスライドしないジレンマに私のもやもやはさらに募りました。何が人の心を動かすのか!?

その後の京都での滞在時間は書店で本漁りです。『現代思想』11月号(青土社)の特集はリハビリテーションで、哲学のパラダイムから考察されたリハビリテーションにまつわる考え方は私の思考をいつになく活性化させてくれます。「患者から見たリハビリテーション医学の理念」「ニューロリハビリテーション」「認知運動療法の基礎概念」「脳の中のバイオリン・認知を生きる物語」「行為とメタファー」「『ミニカー並べ』の現象学・自閉症児にとって『私』とは何か」等々、読まずにいられない項目が目次に並んでいました。帰りの電車で学究の徒となってずっと読んでいました。

古本で買ったのは福永武彦の「風のかたみ」(新潮文庫 1979)です。初版は1967年(昭和43年)ですが、私は文庫版の発売でこの本を知りました。大学3年のときでした。大学を卒業して25年目に訪れた京都でまたこの本に出会うことの縁に思うこと多々ありです。

京都に持って行ったカメラとレンズはEOS D30とEF28〜135mm F3.5〜5.6 ISです。この組み合わせはパワーポイントのスライドを記録することにかけて申し分のないパフォーマンスを発揮します。今回もその役目をしっかり果たしてくれました。APS-Cでの28mmは画角に不満がありますが、今回はあえてこの1本です。ビジネスバッグにEOSを裸で放り込んで行きました。このスタイルそのものは快適でしたが、やはりカメラが重い。長時間持ち歩くには重い。EOS Kiss Digital Xに軽量レンズというコンビネーションを探っていきたいと思うのでした。

SWING Music Music!

この休みにジャズ喫茶SWINGに行きました。実に18年ぶりで、志摩市片田で今も営業を続けていてうれしくなりました。マスターと奥様とのしばしの思い出話に懐かしさがあふれてきました。アナログレコードに真空管アンプ、そしてJBLのスピーカーからあの音が聴こえてきました。ビル・エヴァンスをリクエストして思わずのけぞるくらいの大音量で堪能しました。“ジャズ・スピリット”を身体で実感するかのようでした。ひらすら音楽を聴いているのにあれこれ考えていたことに糸口が見えて来て、私にとって大きな一区切りとなった一日でした。

今週から東京JAZZ2006の放送が始まりました。上原ひろみ、ラリー・カールトンと、初日から目と耳が釘付けです。HDDに録り溜めた番組を観る時間がなくて1回の放送を観るのに3日くらいかかってしまいますが、そうそう簡単に観てしまうのがもったいないくらいです。東京JAZZ2006の音はクリアで明晰そのもの。私は今の音楽が好きだとあらためて思う。

明日は京都市立西総合養護学校のコミュニティースクール・フォーラム2006に出席します。教育は動産、社会の変化の先読みと現実的な対応を半歩先にタイムリーに行うセンスが要求されます。それは、子どもたちを守るため!

音の記憶

11月のポコ・ア・ポコは4家族のみなさんに来ていただきました。子どもたちは6人、小さな輪で、とてもゆったりとしたひとときでした。夏休みのサマーセッションを思い出しました。子どもたちの真っ直ぐなアテンションがとてもよくわかって、私も子どもたちひとりひとりへのメッセージを送ることができたように思います。少人数なのに時間はいつもよりも延びました。これは意外! 時間はやっぱり延び縮みするのでしょう。

セッションのあと、スタッフの保育士の方と子どもの育ちの話をしました。たくさんの可能性を持つ小さな子どもたちを大人の尺度でしばりたくないと意気投合です。どの子もみんなみんな幸せになるための責任を大人たちは負っている。そのことの大きさを大人たちは明確に自覚しなければならない。

先週はフランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」が頭の中でずっと鳴っていて、iTunes Storeでアルバム「告白」を買ってしまいました。どうして突然フランソワーズ・アルディかというと、京都に住んでいた頃よく行った喫茶店をネットで調べていたとき彼女の名前が目に入って「さよならを教えて」が鳴りだしたのです。フランス語はわからないし詩の訳もないけど、明るさも深刻さもほどほどで安心して聴いていられる音楽です。ウェブサイトで知ったところでは、彼女は詩の勉強をしていて歌を書き始めたとか。

京都の喫茶店フランソワはショパンの曲がよく流れていました。シンフォニーはベートーヴェンの交響曲がよく似合っていました。リチェルカーレは音楽史からモーツァルトまで。タンノイのオートグラフの音はただただ懐かしい。『二十歳の原点』のシアンクレールは普通の喫茶店でした。でも、ジャズが流れていたかな・・・思い出せません。よく行ったジャズ喫茶の名前も思い出せません。いちばんよく行ったのは大学の近くのコロラド・コーヒーのチェーン店で、今も営業していて同級生の消息を教えてくれます。百万遍の進々堂もお気に入りで、学生が本を読んでいたり、ノートに何か書き込んでいるシーンが好きでした。今でもスターバックスで本を読む人はすぐ目に入ってしまいます。

iTunesはVer.7になってアビアランスがMacOSXと相容れない無骨なデザインに変わってしまって少なからずがっかりしていましたが、それは私だけではなかったようで、MacOSXライクのデザインに変更するソフトがあることを『MacPeople』12月号(ASKII)で知りました。.ukだからイギリスのサイトです。Aqua4iTunes3.0で見事iTunesが復活! デザインはすごく大事だ!

先週、給食の検食のとき、窓から見える植え込みの紅葉がくっきりと光ってとてもきれいでした。週明けに一気に紅葉が進むのかも知れません。

身体が納得する走り

昨日は朝から地元の中学校の文化祭に行きました。午前中いっぱい吹奏楽部の演奏と合唱祭で、久しぶりにコンクール曲以外の中学校の音楽をたくさん聴くことができました。2年生の学年合唱曲「手のひらをかざして」(山崎朋子作詞作曲)が印象に残っています。八分音符と四分音符が緩やかな旋律線を描いて整然と並ぶ譜面が目に見えるようです。心に決めることは小さいかも知れないけど揺れる心、行きつ戻りつの揺れる心が音楽の構造になっているような曲です。この点でディズニーの「A Whole New World」と共通する要素があります。「A Whole New World」はニューヨーク大学の音楽療法セクションに通う子どもたちからのリクエストが多い曲だと聞いたことがあります。気になる曲がまた増えました。そして、500人を超える中学生を前にして、今、リアルタイムで在る教育の課題を思わずにはいられないのでした。

夜は遅くからシネマコンプレックスに出かけて「父親たちの星条旗」を観ました。全編がちょっとくすんだ色調で音と音楽も控えめ。それが却って観る人の中でリアリティを生んで説得力につながっていると思いました。

この頃の私の仕事着は来客の対応や出張からスーツです。スーツのいちばんのメリットは、朝、上下の組み合わせに悩まなくていいことです。堅く見えるが実は雑かも知れないというスタイルです。それだけにシャツやネクタイをしっかり選んでしまいますが、そもそもスーツのためのアイテムをあまり持ってないのでパターンが限られてしまいます。あと2〜3着あってもいいかなと、シネマコンプレックスで映画が始まるまでの間に服売り場に行ったらちょうど改装中で、私のサイズのお気に入りのタイプはたった1着しかなくて唖然! 見たいときにはないもの。ところが、1ボタンのタキシード風の礼服を見つけてこれは即決調達となりました。

週末から急に寒くなって今日はファンヒーターを使いました。ガソリンスタンドに灯油を買いに行ったとき、このところ加速や車線変更のとき微妙に不安定になるアテンザのタイヤの空気圧をチェックしました。リア左が2kgを切っていたりして4本がバラバラな数値で愕然! これでは不安定になります。気温がぐっと下がるので2.5kgに揃えました。走ってみると爽快です。走る、曲がる、止まるという基本性能がアテンザのクオリティーで統一されました。この走りに身体が納得する。ロードレーサーの緊張感があります。アテンザに乗るとSaecoのレプリカ、キャノンデールのあの一体感が身体に蘇ります。

イカと小松菜とハーブソルトのパスタ

木曜日まで修学旅行の引率で大阪に行っていました。学習の場が校外に移ることで他職種の人たちとの恊働の機会が広がります。それぞれの分野でプロフェッショナルとして仕事をしている人たちとの恊働はダイナミックで気持ちのいいものだとあらためて感じました。学習のねらいのベクトルに合わせて構造化された学習環境でそれぞれの課題と向き合う子どもたちは真剣で生き生きしています。教員はそのコーディネーターでもある。教育のニュースがトップになることの多い昨今ですが、今このときだからこそ教育の本質を真正面から取り上げて語り、真摯に対峙したいと強く思うのです。

昼食はここしばらくこだわりの「イカと小松菜とハーブソルトのパスタ」を作りました。まちがって買ってそのよさがわかった「1.8mm11分」のパスタと新銘柄のハウスのハーブソルトを使うのは2回目です。しめじも忘れずに調達、そして玉ねぎを使いました。イカは“するめいか”です。このパスタは使い慣れていないので茹で具合を細かくチェックしました。このどれがどう効を奏したのかわかりませんが、この組み合わせは“当たり”です。ここ数年、細めのパスタばかり使って来て、その難しさは私のこだわりが追って止まないものでしたが、ちょっと太めのパスタはスローフードのエッセンスを教えてくれたというところかも知れません。懐の深さを感じました。ただ、このパスタ、何かが足りない。

この週末にレンタルした映画は「地下鉄のザジ」です。題名は有名ですが観る機会がなくてやっと今頃、1961年の公開から45年、半世紀近くたってやっと観た次第です。今となっては当時のパリの下町を伝える貴重な映像という+αの価値もありますが、9歳の女の子ザジの生き生きした行動力と彼女の周りの人たちの滑稽かつ真剣な姿に目が惹き付けられます。ナンセンスも意味深長と考えてしまってしっかり観てしまいます。この点で「アメリ」と共通するところがあります。ハリウッドでは作り得ない映画かも知れません。「音」も全くちがう。いろんな映画があっていい。

Kiss Digital Xを買ったのにD30への愛着があって、D30をどう使っていこうかとばかり考えてしまいます。現像パラメータを全て「弱」に設定して記録、PCでレタッチして仕上げるという「王道」はD30の場合特に必要だと考えられます。そのこともあってEOS Kiss Digital Xに付属のソフトをMacにインストールしました。トーンカーブが使えるのが強みです。