月別アーカイブ: 2009年12月

白花豆と紫花豆

大掃除の締めくくりは網戸の網の張り替えでした。以前あれほど苦労した張り替えが今日はおもしろいくらいにはかどりました。といっても所詮は日曜大工の域ですからほどほどですがピンと張った網が冬の日差しにマトリクスに光るのを見るとすがすがしい心持ちになりました。今日は場所によってグレーと黒の網を使いわけてその視覚的効果を確かめることができました。黒は黒光りして見通すこともできてちょっとリッチですが意外に安価で新発見です。
夕方は白花豆(しろいんげん)と紫花豆(べにばないんげん)を圧力鍋で煮てみました。朝から水につけておいた豆たちを2分間沸騰させて水を替え、水を加えて圧力鍋で3分間加熱して自然冷却で蒸らした後、煮汁をひたひたになるまで捨てて砂糖を加え、弱火で煮汁が半分くらいになるまで煮て火を止めました。いちばん困ったのは加圧時間と砂糖の量です。加圧時間はいろんなサイトで調べてティファールの圧力鍋にほどよいと思う3分にしました。砂糖は計りがないので勘で決めました。120gの砂糖ってどれくらいなのだろう。けっこう多い。薄味が好みなので大さじ5杯にしてみました。砂糖は三温糖を買うのを忘れたのですが、そもそも我が家には砂糖そのものがなくてヨーグルトに付いていたグラニュー糖がたまりにたまっていたので代用しました。豆は煮崩れもせずに歯触りもさくっとして味も満足でした。圧力鍋は爆発するかも知れない!こわい!という思い込みがあるので戦々恐々の料理でした。でも、便利だし理路整然としたプロセスは新鮮です。お菓子を作らないので計りなどはいらないと思っていましたがそろえることにしましょう。料理はおもしろい!
録画してあったNHK-TVの「音楽探偵 アマデウス」のフォーレ「レクイエム」を観てたいへん興味深いことがいくつかわかりました。とりわけフォーレの作曲意図を知ってこの曲に対する自分の印象が作曲者の意図と大きくはずれていないかったことがわかったことがいちばんの収穫でしょうか。フォーレのレクイエムは「死者のためのミサ曲」という役割だけでなく、というよりもその役割以上に今を生きる人たちのための心の平穏によりシフトした作品といっていいでしょう。この番組では和声進行などの楽曲分析もあってたいへんおもしろく観ました。また、演奏の映像はシャルル・デュトワ指揮のNHK交響楽団で、デュトワの紳士然とした指揮ややわらかい音の演奏は素敵でした。私が持っているこの曲のCDはソプラノパートをアラン・クレマンがボーイソプラノで歌ったミシェル・コルボ指揮のもので、これはこれで透明感と音楽的なピュア感が素晴らしいのですが、シャルル・デュトワのおしゃれな演奏も素敵だ。

ツーリング

今日は伊勢までツーリングに行きました。バイクはCannondale Saecoに変更、ペダルはトゥクリップ+スニーカーにしてジーンズで出発しました。おかげ横町をカジュアルで歩きたいと思ってのことですがこれは失敗でした。ロードレーサーはやはりレーサーパンツで乗らないとお尻が痛くてたまらない。約70キロ走っただけですが、トゥクリップはシューズの固定が不確実なので余分な力が入って帰路はふくらはぎがつりそうになりました。これは教訓としておき、今日は久しぶりのロングライドでリフレッシュできました。
おかげ横町では写真展「日本人のこころ」神宮の森を開催していて寄りました。暗い館内に透過照明の写真が展示されており、逆光の葉の輪郭などがくっきりと表現されていることに驚きました。伊勢神宮の建造物を直接写し込む写真は1枚だけだったでしょうか、被写体は森、森、森でした。「神宮の森」と称していなければそれこそ森の写真です。ただ、それはまぎれもなく日本の森と思える写真です。写真家のまなざしが見えるような写真でした。
帰宅したら圧力鍋が届いていました。まずは勉強です。

Smile

今日のフィギアスケート全日本選手権大会のエキシビションで織田信成が演じたのは「Smile」でした。なめらかなスケーティングとのマッチングが素敵でした。「Smile」はチャップリンの「モダン・タイムス」の音楽で、NHK-TV「マネー資本主義」でもとても印象的でした。エピソードはこちらから! iTunes Storeでいろいろ試聴するとロッド・スチュアートのカバーがいい。木もれ日の中をすべるように走るオープンカーに乗っている感覚を浮かべてしまう。この1月に65歳を迎える彼のおしゃれな音楽はなんとも心強い。
初めての遠近両用メガネができて受け取ってきました。オールマイティというわけではなく制約があるものの便利です。レンズの取説を見ると1枚のレンズが5か所に分かれていて、それぞれ、「遠用部」「中間部」「近用部」「側用部」と機能化されているようです。その境はレンズを見てもわかりませんが確かに使い分けができます。このレンズの開発に至るノウハウの蓄積は相当なものでしょう。残念ながらパソコンの画面は角度の特性から見えづらいのですが、このメガネは料理のときいちばん活躍するように思います。包丁の手もとやレシピ、タイマー、そして、火にかけた鍋など、キッチンの空間とのマッチングが絶妙です。揚げ物のときメガネをかけてないとちょっとこわいことも解決します。フレームはこれも茶系のセルで、ちょっとばかりモダンなデザインです。曲面体というのだろうか。ラウンド状のフォルムが気に入っています。

ヒメシャランチ

Himesharaでランチをしました。「畑のおひるごはん」のキャッチコピーのとおり、2日前までに予約を入れて野菜の収穫からテーブルまできっちり品質管理のランチです。もちろん薄味で、身体にやさしいだけでなく素材の味を新しく発見する感動があります。古民家の古材を使った内装ややわらかい光の回り方、そして、匂いが気にならないことも特筆ものです。五感が満足するランチのひとときでした。それは、オーナーのやりたいこと、コンセプトが明確で事業の各要素が高い次元で統合されているからでしょう。Himesharaというネーミングがまさに名は体を現しているように思います。
ところで、料理は圧力鍋も使っているとのこと。これはチャレンジすべしと早速購入することにしました。帰り道に大型店に寄ったものの地方だと種類が限られていて、結局、前から検討していたものをネットショップで購入することになりました。早ければ明後日に届くと思います。正月料理に間に合うでしょうか!?
午後はKaepa700Cで自宅の周りを30分くらい走りました。足首の角度を変えないイノーのペダリングで軽いギアをくるくる回す基本のペダリングです。ペダルをトウクリップ付きのピスト用に交換したのでサドルの高さが足りなくて太腿に疲れが集中したもののすっきりしました。フラットハンドルはスポーツサイクリングにはやはり不向きのように思いますが街乗り用と割り切ることにしましょう。Kaepa700Cはシビアに乗ると挙動が読めなかったりブレーキのコントロールが意思通りにできなかったりと、こちらは身体が納得できない状態ですが、なんといってもCannondale Saecoレプリカの1/10の値段です(+_+) ブレーキシューなど交換できるパーツは上位のものに交換してバージョンアップを試みることにします。

自転車

自転車Kaepa700Cが届きました。段ボール詰めなのでハンドルとペダルは自分で組み込みました。クロモリのフレームは目を細めてしまうほど目映い。濃いブラウンも素敵だ。フロントがシングルギアなのでとてもすっきりした印象です。センタースタンドもマッドガードを付けて普段乗りにすると様になるかも知れない。この自転車は地味にマニアックで、在庫処分に値段を下げてもなかなか売れないモデルのように思います。実際、店によって値段が倍近くもちがう。パーツはディレイラーがシマノというだけであとはノーブランドといっていいでしょう。では、実力のほどは? これがなかなかのものです。品質感はシマノが圧倒的にいいだけに他は見劣りがしますが機能は申し分ありません。操作は硬質感があって異音は全くありません。自転車といっしょに届いたマッドガードは品質感が高く、これもマニアックな構造のパーツです。パッケージにMADE IN GERMANYの文字があってなるほどと思いました。ただ、組み込みはステーの切断に金のこぎりが必要だったりダボに対応するネジを買いに行ったりして半日余りかかりました。しかし、完成するとまるで純正パーツのようにスタイルが決まりました。たぶん、世界に1台のモデルです。
ところで、このKaepa700C brownのサイズはホリゾンタル換算で実測520mmであることがわかりました。私は500mmがジャストサイズなので若干大きく感じます。このこともあってか反応は穏やかで、軽量ではあるものの加速はワンテンポ遅れる印象があります。あと、フラットバーハンドルはやはり手首への負担が気がかりです。今日は自宅の周りを走っただけですが長時間乗ると手首が痛くなりそうです。これは普段乗りですが、そのあたりは気をつけて年末に遠出もしたいと思っています。
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12月の日曜日のポコ・ア・ポコ

12月の日曜日のポコ・ア・ポコは寒い中を9家族のみなさまに来ていただきました。常連のみなさまとはいえミュージック・ケアのセッションはその時々のもの。よく知っているお子さんゆえ今日の私は少しばかり考え込んしまい、全体の流れの把握がいまひとつになってしまったようでした。でも、子どもたちはいつものようにミュージック・ケアのプログラムに乗ってくれました。そこが子どもたちのすごいところです。
夜、NHK-TVの「マネー資本主義」が放送されました。この番組の音楽は要チェックです。細野晴臣編曲、チャーリー・チャップリン作曲の「Smile」で、歌はアン・サリーです。iTunes Storeにはアン・サリーが歌うちがうアレンジの「Smile」があります。こちらもいいけど「マネー資本主義」ヴァージョンの方がよりトラディショナルで美しく、かつ、はなかくていい。ところで、アン・サリーは名古屋生まれで心臓内科医とのことです。
自転車が予定よりも早く出荷されたとのメールが届いて気もそぞろで工具箱を新調しました。新しい工具箱は潤滑油などのスプレー缶も縦に入るので文字通りオール・イン・ワンですっきりしました。ここしばらく自転車の修理が続いて、やっぱり自分はこうした職人技が好きなんだとあらためて思っています。この際きちんと勉強しようと『誰でもできる自転車メンテナンス』(竹内正昭著 山と渓谷社 2009)を買い求めました。「誰でもできる」域を超えている本です。ヘッドやBB、フリーのメンテナンスができたら心強い。ここまでくると組み立てもできる。つまり、お気に入りのバイクが自分で組み立てることができるということです。クロモリの細いフレームのシンプルな自転車がいい。実はクロモリに乗ったことがないので憧れています。初めてのロードレーサーがすでにアルミとカーボンのハイブリッドで、2台目は当時アルミの旗手を標榜していたキャノンデールという年齢に相応しくない経歴です。クロモリに乗るべきときに乗らなかったというややこしい事情がある。だから妙に憧れる。

障害学

自宅で本を探していて分厚いファイルを見つけました。みだしは「障害学」です。もしやと思って中を見ると、それはネット上から見れなくなってしまったサイトのハードコピーなどでした。残してあったのかと戦慄を覚えました。「福子」や「岩倉」など、障がいがある人たちをあたたかく支えてきた豊かなコミュニティーが日本にあったことはそう知られているわけではありませんが、それは格差社会の対極にあるものです。先が見えにくい状況だからこそ歴史から学ぶべきことが多い。障がいはマイナスイメージが強いとのとらえがある一方で命あるものの存在そのものを問う。障がいがある子どもの育児や教育で意見が異なるとき、その核心は障がいのとらえであることを思うことが少なくありません。障がいとは何なのか。そこに行き着く。答えを探そうとすると障害学を紐解くことになる。
病弱教育の歴史はこちらのサイトが充実しています。

映画「ヒトラーの贋札」

映画「ヒトラーの贋札」をDVDで観ました。物語はもちろんよくできていますが、音楽がまたいい。これがすごくいい。なんと、タンゴなのだ。よく聴くとハーモニカです。ウーゴ・ディアズとのこと。息遣いのまま奏でるところがアドバンテージだ。そして、贋札工場に流れるBGMはオペラのアリアだ。“囚人”が謝肉祭でアカペラで歌う「トスカ」の「月は光りぬ」も文化の長さと深さを思わせる。第二次世界大戦の悲劇とタンゴという組み合わせは誰がどう考えたのだろう。こんな作品に接すると文化力に圧倒されてしまいます。自分がそんなふうに捕虜になったとき、祖国日本のアイデンティティーをどうやって持ち続けられるのだろうとも考えてしまう。
先々週の日曜日のNHK-FMの「トーキング ウイズ 松尾堂」は「自転車を極める」で、ゲストのなぎら健壱と高千穂遙が語る自転車トークをとても楽しく聴きました。その少し前から始めていた普段乗りの自転車探しが加速して、今は自転車が届くのを待っています。かつては自転車店がほどほどのクロモリフレームとシマノの105のセットを組んでコストパフォーマンスがすこぶる高いモデルがいくつかあったものですが、今や『サイクルスポーツ』を隈なく探しても1台もありません。ショップオリジナル自体が高級化してしまってマスプロメーカーの方がむしろ買いやすいという逆転状態です。だからトーキョーバイクのコンセプトが注目されるのでしょう。でも、今の私にはこれでもいささか躊躇してしまい、同様のコンセプトながらも数量限定市場調査モデルともいえるバイクをチョイスしました。クロモリの前シングル、色はブラウンというちょっと売れにくいモデルです。全天候型の普段乗りにするべくフェンダーも注文しました。これにバイク用トレーラーを引かせることも考えています。市内の移動は自転車にしてフィットネスもねらいです。ところで、自転車探しでわかったことは、エコブームもあってか自転車自体がすごくよく売れているらしいということです。この時期、手頃な2009年モデルはすでに売り切れが多い。自転車の時代はもう始まっているのかも知れない。

『私のモーツァルト』再び

ここしばらく慌ただしい日が続いたので久しぶりのアップです。この間に歯の治療にも行きましたが何事もありませんでした。出張は名張から四日市、伊勢と続きました。名張と四日市は冷えました。伊勢はやはり夕日がきれいでした。夕日がきれいなところに住んでいるとそれだけで幸せ度が上がります。木曜日は仕事から帰ってそのまま夕食に出かけたのでネクタイをしたままでした。プライベートでネクタイをしての夕食は久しぶりでした。ただ着替える時間がなかっただけですがそんな姿で給仕をされるとやはり気分もよそゆきでした。おしゃれは大事。単にネクタイのあるなしではなく身だしなみはとても大事だ。その帰りに書店で川合麻紀(写真・文)の『はじめてのデジタル一眼』(三栄書房 2009)を開いてその写真に釘付けになりました。何より色がきれいです。構図も定位感があっていい。子どもの表情もポーズもすごくいい。・・・毎日が詰め込みの飽和状態(^_^);;;
今日は実家から『私のモーツァルト』(帰徳書房編 1976)と『続 私のモーツァルト』(同 1977)、そして、ヨアヒム・ハルトナック著 松本道介訳『二十世紀の名ヴァイオリニスト』(白水社 1971)を持って来ました。どれも大学のとき読んだものでとくに印象深い本たちです。高校のとき試験問題で出会った小林秀雄の『モオツアルト』で音楽の文学的解釈の洗礼を受けていたので『私のモーツァルト』の2冊に私ははまってしまいました。今にしてみれば共感、間主観ですが、あの頃は冷静にはなれませんでした。そろそろ再び読んでもいいように思います。
ブログの右下に「検索フレーズランキング」があってそれが毎日興味津々です。記録を取っているわけではありませんが、いちばん多いのは「DELL mini9 SSD 交換」だと思います。mini9はMac OSXのインストールもできるとのことでチャンドラーのように伝説化しそうです。「音楽運動療法」も根強いニーズがあるようです。逆にこんな言葉で検索と驚いたのは「エーヴ・ラヴァリエール」でした。ジャック・ティボーの『ヴァイオリンは語る』(栗津則雄訳 白水ブックス 1992)で知ったフランスの女優です。あと、NHK-TVの「ドラマスペシャル 白州次郎」で河上徹太郎がおもちゃのピアノで弾いていた曲の名前を調べようとするキーワードも時々ランキングされます。双方向性がインターネットのメリットです。

飛ぶタオル

夕方、自宅近くの歯科医院で治療をしてもらっていたら何かがガサガサと落ちる音がした。「最悪」と小さな声が続いた。静かな病院も何度か通っていると愉快なこともあります。その歯科医院は治療中に照明の強い光が目に入らないように細長く折り畳んだタオルを目のところにかけてくれますが、うがいをした後などはしばらく天井を見ていることがあります。そんなとき、私の頭のはるか上をタオルが横切ったことがあります。あっ、タオルが飛んだ! その先を見ると洗濯物入れと思しきかごのようなものがありました。普段すました顔の衛生士か技工士の若い女性がそんなことをするのがおかしくて愉快になりました。私の歯の治療はまだしばらくかかりそうでハプニングも期待してしまいます。肝心の治療は申し分ありません。