久里浜だより7

■週明け早々ヘビーな1日でした。IEPの講義が午前中3時間午後3時間、計6時間があっという間に過ぎてしまいました。講義中のメモはなぐり書きとはいえ27ページにもなりました。日直室でも日直がパソコン持ち込んで今日の講義を打ち込んでいました。1人はPowerBookG3…見とれてしまった(^_^)…!
■午前中は熊本大学助教授干川隆(ほしかわ・たかし)先生が『個別の指導計画:考え方と枠組み』というテーマで、午後は佐賀大学附属養護学校教諭瀬尾裕子(せお・ゆうこ)先生が『養護学校における個別の指導計画』というテーマで講義をされました。白熱の1日でした。
■午前中の干川先生の講義はレジメにすべてがまとめられています。干川先生は講義ですべてを読み、説明をされました。(資料最後のIEPの例は紹介程度)
■この『久里浜だより』では講義で印象に残ったことを箇条書きでお伝えします。
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■IEPミーティングが大事。「IEPの作成過程の中心は、IEPミーティングです。ミーティングを通じて親と教師は、共に子どもの教育のプログラムに関する決定を行います。IEPミーティングの一つの成果は、IEPの記録です。この成果は、IEPチームによる関与とチームによって到達した結論について書いた記録です。」(ミネソタ州のIEP作成マニュアル)
■アメリカでは14歳以上の子どもにはITP(Individualized Transition Plans「個別移行計画」)が作成される。将来、地域でどういう生活をしていくことを目指すか、ということ。コミュニティーで、仕事で、レクレーションで。
■「保護者の思いを生かすには」、意見をきくだけではなく、親にビジョンをもってミーティングにのぞみましょうと呼びかけている。まず夢を語ろう。夢みたいなもの大事。PATH(Planning Alternative Tomorrow with Hope「パス」)という考え方。PATHとは夢を絶えず持ちながらなんとかしていこうとグループで考えること。みんなで夢を語っている。かなうかも知れないがかなわないかも知れない。北極星は見えているけど手が届かない。誰が、何がいいとか悪いとかじゃない。「1.夢に触れること-北極星。2.ゴールを感じること。3.いまに根ざすこと。4.参加する人を明らかにすること。5.力をつける方法を見つけること。6.次の数ヶ月の作戦を描くこと。7.次の1ヶ月を計画すること。8.最初の一歩を踏み出すこと。」(http://www.inclusion.com)
■IEPの課題は2つ。保護者の意見を入れることと、どう授業に活かすかということ。
(「引用」はすべてレジメにあります)
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■保護者の意見を入れるにしても、家族支援するPATHの考え方に感銘を受けました。将来こんなふうに生活していけたらいいな、という夢を語り合って、じゃあ、何から始めようか、と話を始めるわけです。このスタートは大事だと思いました。
■こうしたIEPが日本になじむのか。午後は佐賀大学附属養護学校で行われているIEPミーティングと教育活動全体についての講義がありました。内容が多いので今回はまとめられませんが、私はいいなあという感想をもちました。何かの機会にお伝えできたらと思います。休憩のあとで瀬尾先生がしみじみと語った言葉を紹介します。
■「ミーティングやることによって気が楽になった。最初はドキドキ。専門家の話聞ける。役割分担できる。教育実践やりやすくなった。自分だけで決めていないので自信もてる。保護者の了解得ているので効果も上がりやすい。教師だけではIEP作れない。保護者のニーズ取り入れることいちばんいい。『うまくいかないですよね』と言いやすい。教師の意識改革難しい。『私は私のやり方があるんだ』自分がやりたいことが優先課題になっている。支援者に徹する。…してよかったな、と思う。」
■実際のIEP作成にあたっては、様式は各学校で考えるもので、目標は具体的な方がいいこと、などなどありますが、それはそう大きな課題ではないでしょう。
■IEPミーティングのビデオはNISEの図書室にもあるというので一度見たいと思います。全部英語だとか。でも雰囲気はわかるはず…(-_-)…?
■ところで久里浜の猫たちと遭遇しました? こちらでは「もっと猫いるよ」と教えてくれますのでまた取材に出かけます。下のMySiteの右のURLをクリックするとブラウザが起動します。ぜひ猫たちと会ってやってください。

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