日別アーカイブ: 2000-05-24

久里浜だより9

■今日は町田市への実地研修でした。朝7時集合、バス3台で町田市に行って3か所で研修、帰着は10時という予定です。どうして帰りがそんなに遅いかというと、横浜市のビア・ポートで懇親会をして、その後ベイブリッジの大黒パーキングエリアで休憩というちょっとお洒落なコースだったからです。町田市の研修は内容がつまっていましたが、天気は上々、アフター・ファイブは楽しかったです。ビアポートの飲み放題のビールはすごくおいしかったです。ホップの香りが新鮮でフルーティーですらありました。大黒パーキングでいちばん景色がいいのはマクドナルドです。シェイク片手にしばし夜景に見とれていました。
■町田市は就学指導の段階で「判定」ではなく「所見」という言い方で結果を保護者に伝えます。学校または学級を選ぶ情報を多く伝えて保護者は子どもの進路を決めます。1974年に東京都が地域の学校に希望者全員が入学できるようにとの方針を打ち出したので町田市でもそれに沿って取り組みました。かなり重度の子も地域の学校に入学するようになりました。子ども8人で1クラス担任2人という東京都の定数では担任が足りないので町田市が市の予算で指導員と介助員を付けました。そのための予算は小学校と中学校を合わせて年間2億数千万円です。また、市制30周年記念事業として障害がある人たちが働く場として「花の家」や「大賀ぐうし館」などを建設しました。福祉が充実している町田市には、障害がある人と家族がわざわざ引っ越してくることもあるそうです。ここまでの道のりは障害がある子どもの保護者や市のケースワーカーの人たちのたいへんな努力があってのことと聞きました。
■ところで「ぐうし」という言葉を聞いたことありますか? 漢字は第二水準だとあるのかな? 「藕絲」です。1951年(昭和26年)に千葉県検見川遺跡から発見された2000年前のハスの実3つのうち1個が発芽に成功。実の発見から発芽までを指導した大賀一郎博士の名前をとって「大賀ハス」と名づけられました。そのハスの茎から抜き出したクモの糸のような細い糸が藕絲です。藕絲を紡いで織って織物にしたり、ハスの実を念珠にしたりと、ハスをいろんなものに加工している町田市の通所授産施設が「町田市大賀藕絲館」です。そんなもの売れるのかな?と思っていましたが、商品開発もどんどん行って売れ行きは好調だとか。私は念珠を買ってしまいました。不思議な魅力があります。一度藕絲館を出てバスに向かって歩きだした研修員が、どうしようかな、まだ時間あるかな、と言いながらハスの実の念珠を買いに戻ったりしていました。
■『久里浜だより8+』の最後に英語のことを書きました。これは私のこだわりです。障害児教育は、というか障害児教育の用語も英語がたくさん使われていて、ほんとに自分のものになっているかな、どういう意味でその言葉を使っているのかな、と疑問に思うことがあります。障害児教育の考え方、理念、理論などは外国生まれのことが多くて、主に英語圏から伝わってくるので英語のままなんでしょうね。でも、そこでどうして訳語が生まれないのだろう、訳語が生まれてもどうして使われないことが往々にしてあるのでしょうか。保護者と話をするとき、英語では話したくないな、と思いつつも、保護者にとっても英語の方が理解しやすいのかな、とも思います。
■このところ洗濯物がたまっています。明日は洗濯だな…