日別アーカイブ: 2000-06-02

久里浜だより16

■久里浜の猫の名前が1匹わかりました。車の下で寝ている牛になりたい「茶トラ」は「みかん」でした。今日、図書室からの帰り、NISEの裏庭でいつものように寝ている茶トラをゴロゴロいわせていたら、「この子、みかん…みかん、名前」と後ろから声がしました。教えてくれたのは長期研修員でたぶん中国からきている人でした。「この子、男の子、だから、みかん」と言うのですが、なんで男だったら「みかん」なのだろうか。(彼女はここで英語が実用となっています。つまりそれだけ英語ができる人がここにはいるのだ!)
■今日の講師の福山平成大学教授の田口則良先生のお話では、昨年は17匹の猫がいたそうです。しかも噛もうとしてきたとか。今年は5匹しか見なくてどうしたんだろうと話してみえました。
■田口先生の講義のテーマは『授業研究の理論』でした。支援でいちばん大事なことは先生が「待つ」ということ。そして「受け止める」。もう20年も前にNISEで講演を依頼したある先生は、子どもからの主体的な関わりを待つことの大切さを示すために、なんと、ずーっと黙っていて、「どうしたんですか?」などの問いかけにも「うん」とか「あー」しか言わなかったとのことです。信じられない話ですがホントらしい。なんでそれで講師料もらえるの?と思ってしまった。
■授業例の紹介もありました。実体験、直接体験をすると「生きる力」がつきやすいが、失敗してもすぐには手伝わず、回数を重ねることによって子どもが学ぶのを待つことの大切さを強調されました。
■そして「集団を生かした個の学習」の具体例がいい勉強になりました。集団の構造化…これだけだとよくわからないけど、みなさん興味がありましたらなんとかします。指導案もあります。集団の力をうまく利用することでかなりの能力差があってもいっしょに学習できる、という実例でした。昨日の弘済学園でもグループ・ダイナミクスの話が出ました。
■最後に北九州の養護学校の実践例で、肢体不自由と知的の重度の重複障害がある子どもの学習が紹介されました。小学部5年生の男の子。ADLが1~3ヶ月。先生が抱いて好きな歌を歌って揺らすとうれしそうな表情がちょっと出る…。そのようすを見た田口先生は、先生と子どもは共感以上、一体となっている、と感動されたとのことです。養護学校の先生は歌や言葉がけのときに「間」をつくって子どもからの返事や要求を受け取り、学習を進めていく。そうして子どもがかすかながらも表情で要求すること、それが彼の生きる力に結びつくんだという指導です。その話に研修生はシーンとしましたが、私は勤務している度会養護学校の毎日を思い出してしまいました。
■その先生の歌を「すごく上手、ききほれた、こっちまで気持ちよくなる」と田口先生はしきりに感心してみえました。養護学校の先生は歌が上手な人が多いですけど、とくに上手という先生がいますね。たぶん才能でしょう。昨日弘済学園で音感の学習を担当されていた先生もそうでした。私はそんな人がうらやましくて仕方がない。
■今日は1人の先生の講義を午前中3時間、午後も3時間、それぞれ10分の休憩をはさんでずーっときいていました。いちばん前でひたすらノートをとりながら。ノートは29ページも使った。ぼーっとしてきて先生のジョークまでみんな書く。今日までに使ったノートは300ページをこえました。ということは研修が終わる頃には600ページか…。こんなノートの取り方は下手です。でも言葉の積み重ねから見えてくるものがあるような気がします。
■こだわりの強い私ですからノートにもこだわっています。A4のルーズリーフを見たことありますか? B5だと26穴、A4だと30穴です。B5は携帯に便利だけど1枚の情報量が少ない。A4は視覚的にも広々感があっていい。ところが、ファイルするための30個の穴とフォルダーに整然と並んだ30個のリングは私には几帳面過ぎて長く付き合えないのです。A4のメリットをわかっていながらも「やめてくれー!」という気分になってしまいます。でもルーズリーフのメリットは無視できないので、今回の研修ではA4の3穴のルーズリーフを使うことにしました。A4といっても縦の長さが2~3センチ短い。だからA4版の資料はファイルできないというやっかいなサイズです。しかも穴が3つしかないので1つの穴にかかるストレスが大きくて破けやすい。それでも使いたい。これだと不思議にいろんなアイデアが浮かんできて仕事や趣味がはかどります。NASAのマニュアルもみんな3穴のこのサイズです。つまりアメリカの規格です。ファンはきっと多いですよ。三重県では四日市のパワーシティーのオフィス・マックスで入手できます。ほんとは無地を使いたいのですが東急ハンズでも無地は置いていません。私の筆記用具は中字の万年筆です。東急ハンズで2000円で買った安物ですが太い字がおおらかで安心感があります。インクはモンブランの明るい明るいブルーを使っています。南の海の色のつもりです。
■明日は朝から大宮に行って小串里子先生のお話を聞かせていただきます。そのあとは…軽井沢だ!