久里浜だより13

■午後は「体育・健康」の時間でした。私は城ヶ島まで走ってきました。長い距離をゆっくり走ることをL.S.D(Long Slow Distance)といいます。(L.S.Dという呼び方はちょっとあやしい。)道を間違えたので延々4時間以上走ることになってしまいました。でも三浦半島の最南端まで行って満足です。距離は30キロを越えていると思います。あと少し、というところで自動販売機でお茶を買ったら、なんと「あたたかい」お茶だった。今頃こんなもん売るな!
■いくつか同時進行で考えていることがあって、というか私の頭では理解できないのか、どうもすっきりしなくて気分転換にパソコンの雑誌でも買ってこようと夕方出かけました。ところが本屋で買ったのはパソコンの雑誌ではなくて『Newton』の7月号でした。特集が「神の設計図~すべてはDNAから始まる~」です。これを見たとき、はっとしました。
■午前中の講義は湘南福祉センター診療所長の猪股丈二(いのまたじょうじ)先生の『知的障害への医療的対応~発達障害とその援助~』でした。猪股先生は30年以上にわたって神奈川県の障害児を医療の立場からサポートされてきました。養護学校の校医としても学習内容について具体的なアドバイスをしてみえます。今日は知的障害、自閉症などの障害に対する医学的な分析と治療について話していただきました。
■教育現場にいる私は障害がある子どもたちを臨床的に見がちです。でも、医学的な選択肢としては自然科学的生理学的な方法論もあります。内臓の病気はもっぱらこっちですね。ややこしい言い回しなんですけど、障害もDNA分析で解明する話が今日ありました。自閉症のDNA分析はすでに始まっていて「Y染色体の異常に基く自閉症はわかっている」とのことです。DNAですから遺伝的側面も当然論議されます。これについてどう考えるべきなのか。心がそれを受け止める準備ができているのか。人権と倫理の課題です。猪股先生を「Y染色体…」という話だけで話題にすることは慎重になさってください。猪股先生は障害がある子どもたちと家族、まわりの人たちをあたたかい気持ちで見つめて治療を続けておられます。また自閉症という言葉も曖昧な側面がありますね。石川知子先生の講義では自閉症の診断は散文的な定義で行われているという話もありました。「自閉症スペクトラム」という考え方もありますね。“spectrum”は英和辞典で「(多種多様だが関連のあるものの)連続体」という説明があります。こんなことわざわざみなさんに説明することもないのですが、私はそう考えているという私の「文脈」をお伝えしたかっただけです。(^_^)
■DNA分析は今や企業の投資として行われてます。塩基の配列は著作権がらみです。その世界を垣間見したくて『Newton』を買ったのですが、この雑誌はちょっと良心的過ぎますね。NHKテレビの特集番組はドロドロした企業間の競争を描いていました。アメリカ政府もからんでましたね。
■猪股先生はテレビなどのマスコミの伝達内容をチェックする仕事もしてみえます。テレビで暴力シーンが増えてくると十代の暴力行為も増えるという相関関係を明らかにして民間放送に申し入れをされたとのことです。今回の「17歳」の事件の扱いもたいへん憂慮されていました。
■ところで、話はがらっと変わりますが、ゴキブリは人に慣れるものなのでしょうか。部屋に大きなゴキブリが1匹(たぶん1匹)いて、ずっと観察しています。ひょっとして人に慣れて手乗りゴキブリなんてなったらおもしろいと思うんですけどね。

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