久里浜だより5

■16日火曜日は久里浜養護学校の校長先生の話と参観でした。学校のくわしい紹介、学校と地域とのつながりについて、また、「特殊教育」のあり方について話をされました。子どもたちの話、現場の話となると研修員はさらに身を乗り出して聴いて見て深く考えています。
■バス停の「国立特殊研究所」という名前についてのエピソードが久里浜養護学校はじめNISEと地域とのかかわりを表しているようにも思われました。戦前から横須賀は海軍の町だったこともあってか、あそこでは一体何を研究しているのかと不信に思った住民が昨年久里浜養護学校を訪れたそうです。「悪いことはしてませんよ、と説明しました」とのこと。私らは笑ってしまいましたが、校長先生は「笑っちゃいけない、きちんと校長室で対応したんですから」と言われましたから、おそらくかなりの誤解があったのでしょう。でもバス停の「国立特殊研究所」にはびっくりです。
■養護学校はこんなところですというPRをして、学校の特性を活かした公開講座もして地域のみなさんに還元していこうと考えているようです。近隣の養護学校には幼稚部をおいている学校はないので幼稚園や保育所の先生を対象に講座をすることも考えているとか。
■さて、久里浜養護学校は今28人の子どもたちがいて、知的障害と盲・聾・肢体不自由・病弱・情緒などの障害を重複しています。定員が54人なので今はおよそ半分の子どもしかいません。最大でも30数人だったとのこと。6つの教室が廊下で結ばれている構造の校舎で、子どもと会いたいと思っても各教室の奥に行かないと姿を見ることができません。静かでした。
■ある教室に行ったら経管栄養の子どものそばに女の人が座っています。先生かな、と思ったら看護婦でした。なんと、5人の看護婦がいるとのこと。えっ、とびっくりして質問すると、看護婦は学校には付かないので、もともと寄宿舎に付いていた看護婦を、組織を改変して学校で仕事をしてもらうようにしたということです。「私たちはとても助かっています」…それはそうでしょう。とにかく子どもにずっと付きっきりなのです。
■別の教室では、先生が歌いながらギターでコードを押さえて子どもがジャランと鳴らして、それが2人で話をしているかのようでした。
■度会養護の子どもたちを思い出しました。何しとるんかな、今頃、と。
■久里浜養護学校の子どもたちは、朝10時に登校して、幼稚部は1時30分、小学部は2時30分に下校です。通学はスクールバス、自家用車、電車とバス、そして寄宿舎にも9人入っています。
■給食は子どもたちの分しかありません。普通、きざみ、ミキサーの3種類を作って、子どもに合わせてさらに二次調理もします。先生は弁当で、日によっては子どもたちが下校してから弁当を食べることもあるとか。
■学校の前は海です。天気もよくてすてきでした。三浦半島の先までずっと海岸線が見えるのです。
■今日17日水曜日は、午前中はコンピューター実習、午後は文部省の特殊教育企画官の講義でした。
■コンピューターは、基本的な操作の班と、ワードを使ってホームページを作成する班に分かれました。私はホームページ作成の班です。ワードでwebページを作るのは初めてでしたが、ワープロ感覚の操作で作れるので感心してしまいました。でもワードの操作の説明がほとんどなのでもの足りないところがありました。
■休憩の15分はおもしろかったです。「オプショナル・ツアー」でサーバーを見せてもらいました。1つ200万円余もするサーバーがゴロゴロしていて、24時間稼働しています。研究所のコンピューター・システムの心臓部です。管理はNISEの職員でした。
■NISEのコンピューター・システムは2つあって、1つ、いちばん大事なデータベースやメールを管理するサーバーのOSはUNIX(ユニックス)です。とにかく1回スイッチを入れたら1年間何もしなくても確実に動いてくれるんだそうです。もう1つ、端末でワードやエクセルを使うためのサーバーのOSはWindowsNTです。1週間に1回はリセットしないとまともに動いてくれないとのこと。ひどいところは毎日リセットするらしい。Windowsはお金もかかるし(ハードはUNIXの2倍するらしい)トラブルになったらどこがどうなっているのかさっぱりわからない。1台で使うにもOSはUNIX系がいいと強調していました。三重県はWindowsらしいし、大丈夫?
■昨夜、東海圏人会がありました。長期研修員1人、短期研修員12人、久里浜養護学校5人、研究所8人の総勢26人です。三重県からは短期研修員3人だけでした。愛知県は久里浜養護学校と研究所にもたくさんの人材を送っています。
■研修が始まって10日になろうとしています。みなさん慣れてもきましたが、ちょっと疲れ気味。当番はアイウエオ順のせいか、私は日直も掃除も第1週に当たってあわただしく過ぎました。こんなものかな、と思っていましたが、今週はちょっとゆとりがあります。洗濯機とコピー機は人気があるので使うにはタイミングが大事です。夜はみなさんよく寝ます。昼間よく動きますから。精力的に情報収集をしたり、見学や参観の交渉をしたり、コピーをしたり…。26日の自己研修では横浜国大附属養護学校にたくさんの人が参観に行きます。宮城県の養護学校がちょうど研究会なので東北まで行く人も何人かいます。ねむの木学園に行く人もいます。土日も研究会に参加する人もいます。パチンコを10時間以上した人もいます。今夜、東京まで「わらべうたの会」に行った人もいます。26日、私は調布養護学校に音楽の授業参観に行きます。
■では、また。

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