酒屋のコップ酒

旧参宮街道を歩くことがあって、古い酒屋があったので引き戸越しに覗いたら木のカウンターの前にお年寄りの男性と思しき人影がありました。私の実家近くの酒屋では子どもの頃カウンターがあってコップ酒が飲めるようになっていて、あふれてこぼれるまで一升瓶からなみなみと注がれたコップ酒を身を屈めて一すすりするおじいさんはそれこそこぼれんばかりの笑みでいっぱいでした。そうしたことは場合によっては違法らしくだんだん姿を消していきましたが、しかし、今も残っているのです。市内に残るそんな酒屋は3軒知っていて、その前を通るときはふと覗きこみたくなります。1軒は信号交差点の近くなのでちょうと赤信号でその店の前に止まると入口にかけられたすだれの下から中の人の足元が見えてどんな人がどんな話をしながら酒を飲んでいるのだろうと、きっと酒にちがいないといろいろ想像してしまいます。そしてサガンの『愛と同じくらい孤独』の一節を思い出す。

今日、小俣和一郎著『精神病院の起源』(太田出版 1998)が届きました。ページをざっとめくるともっと早く入手するべきだったと思いましたが古書しかなくやっと値がこなれてきての購入です。

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