「しなやかに たおやかに」

三重大学教育学部附属中学校の公開研究会に行ってきました。テーマは「ともに学びともに高めあう学校の創造〜つながりあう力がつく授業〜」です。佐藤学さんの講演だけでなく、私自身たくさんの学びがありました。
朝の全体会の前に音楽部の歓迎演奏がありました。合唱です。歌声を聴いたとたん、これはただごとではないと思いました。しっとりしたおだやかな歌でした。アーティキュレーションも徒にオーバーな表現をするのではなく、音楽がよどみなく確かな流れとなっていく曲作りでした。午後の研究協議会の前の3年生各クラスの合唱もそうでした。3年生の歌は全員が3年生である分、大人の歌になっていました。しっとりしたおだやかな歌でした。
授業は音楽と国語を参観しました。音楽は附属中学校1年生と附属小学校6年生との合同授業で、ここでもおだやかな曲作りがありました。表現の工夫で“間”を空けることを黒い帽子を頭にすっと落とすことで伝えた先生のセンスに私は逆に脱帽でした。国語は私の専門で、授業も研究協議会も充実したひとときでした。
佐藤学さんの講演は初めて聴きました。教育者の良心の言葉として私の心に深く刻み込まれました。教育現場から教育の言葉をしっかり発信していこうとあらためて思いました。このことは消化してから私の言葉で書いていきたいと思っています。会場で購入したネル・ノディングズ著、佐藤学監訳『学校におけるケアの挑戦 もう一つの教育を求めて』(ゆみる出版 2007)にサインをいただきました。「しなやかに たおやかに 佐藤学」です。“学びあいの共同体づくり”を私も進めたい。
同じく三重大学教育学部附属小学校の公開授業研究会では谷川俊太郎&谷川賢作の「詩と朗読と音楽のつながるときに」の公演があります。これもぜひ行きたい。もちろん授業も大いに関心があります。(20年2月9日土曜日)
今日の三重県はおだやかに晴れたものの、朝夕の冷え込みはいよいよ冬の訪れを告げるようになってきました。朝、高速道路を走っているときNHK-FMからメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲が流れてきました。凛とする音で、今日一日の出会いを予感させる音楽のようでした。私はブラウン系のウールのジャケットにベージュのステンカラーコートで出かけました。ほどよく暖かくてちょっと幸せな気分でした。そうそう、国語の授業をした先生が手にしていた手帳を見て驚きました。昨日、私がインターネットで注文したミドリのトラベラーズノートではありませんか! 似た者同士かも知れません。

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