日別アーカイブ: 2013-08-31

音楽と本と

大須のオーディオ専門店で試聴の客の横で私も聴き比べをしていくつか発見がありました。まず、その試聴に使っていたCDの歌の素晴らしさでした。ピアノで静かに始まった曲は「翼をください」でした。いわゆる声楽家の声で歌う日本語の自然な発声感のその歌は心の中にすっと入って演奏のメッセージが手に取れるように伝わってきました。これはすごい。ただごとではないと思いました。誰が歌っているのだろうと、店員がCDプレーヤーを換えるときに見えたディスクのタイトルは「a prayer」の文字でした。その8番目が「翼をください」でした。ネットで調べると、海上自衛隊東京音楽隊と三宅由佳莉の「祈り〜未来への歌声」でした。この28日に発売されたばかりで、そういえば1週間ほど前にNHKのニュース番組で特集がありました。すぐにはそれとはわかりませんでしたが、今日、私の耳を魅了したのは紛れもなく三宅由佳莉の歌でした。帰宅してiTunes Storeでアルバムを購入しました。ピアノも海上自衛隊東京音楽隊の演奏もただものではありません。確かなアンサンブルの資質を備えたシンフォニックバンドはストイックなまでに美しいハーモニーを紡ぎ出す。この人たちは何者なのだろうと思いました。

聴き比べたCDプレーヤーは、50万円台と23万円台、18万円台の3台で、「50万円のものは買えなくてもそれに近いのはどれかということです」とのことでした。音のちがいは明らかで18万円台のものが選びどころでした。音、性能のちがいについて店員は「いいものは音楽がゆっくり聴こえます」と話していました。どうしてそういう表現になるのか、私なりに考えたのは、音のきめが細かくて緻密なので“音のグラデーション”をしっかり表現しているからというものです。驚いたのは、アンプはなんと3万円台だったということです。音の入り口がどれほど大事なのか、まさに目の当たりにしたわけです。スピーカーは12万円台の小さなブックシェルフでした。ピアノやフルオーケストラなどソースを換えて聴き比べたいものです。いい音は人を幸せにしてくれます。

大型書店では専門書フロアで福祉関係の書棚の前で本を手に取ってはいろいろと考えてしまい、相当な時間を費やしました。買い求めたのは『図解とQ&Aでスッキリ! 障害者総合支援法のしくみ』(三修社 2013)と『コミュニティケアの開拓 宅老所よりあいとNPO法人笑顔の実践に学ぶ』(浜崎裕子 雲母書房 2008)、『ピアノが私に翼をくれた 障害をもった「天使」たち』(近藤裕 アチーブメント出版 2009)の3冊です。今日、膨大な本の中から買い求めた1冊、『コミュニティケアの開拓』の著者が一級建築士であることは私の発想ともリンクしています。コンパクトシティを調べ始めたのは東北大震災の少し前でした。大震災の後、建築家の伊東豊雄が被災地につくったのは人がつながる「みんなの家」でした。近いうちに再びその書棚の前で考えたいことがたくさんある。