日別アーカイブ: 2013-08-28

音楽の森

今朝、朝刊1面下の書籍の広告に『洛北岩倉と精神医療 精神病患者家族的看護の伝統の形成と消失』(世界思想社)を見つけて朝の眠気もどこかに飛んで行ってしまいました。京都岩倉の大雲寺を中心とする精神病患者の治療と滞在の歴史は障がいがある人の地域生活のあり方のひとつの姿を示していると思っています。しかし、資料が少なく、その全貌がよくわかりませんでした。広告によると「著者長年にわたる聞き取りと地元に残る史料により解明する」とあるので少なからず期待して取り寄せることにしました。

午後は休暇を取って奈良県の社会福祉法人を訪ねました。その帰りに「音楽の森」の看板を見つけて峠を2つ越えて行ってみるとそこには驚きの空間がありました。廃園の保育園の遊戯室を改装したホールにはグランドピアノと電子オルガンがあって、応対してくれた女性はせっかくだからと電子オルガンで「水戸黄門」のテーマ曲を聴かせてくれました。演奏はメッセージに富んだもので心が躍りました。話を聞くとそこはNPO法人音楽の森のホールで、毎週4日コンサートを開いているとのことでした。ロケーションは山奥といってもいい所で、どんなお客さんがどのくらい来るのだろう等々、疑問というよりそうした活動が継続されていること自体に惹かれている自分がありました。話を聞くとそのNPO法人の本部は奈良市にあり、著名な人たちも訪れていることや世界的な大企業の支援も得ていることがわかって、その小さなホールの文脈の確かさに頼もしさを感じました。大きな出会いでした。この次はコンサートの時刻に合わせて訪れたいと思っています。