日別アーカイブ: 2012-11-24

「真珠の耳飾りの少女」

神戸市立博物館で開催されているマウリッツハイス美術館展に行ってフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を見て来ました。実物は印刷物などの映像とは大きくちがう印象がありました。照明もあると思いますが絵に立体感があってまるで生身の少女がそこにいるようでした。若々しい年相応の印象です。美術の言葉では何と表現されるのかわかりませんが、絵の無数のディテールのひとつひとつに意図があり、総体として一瞬のときを永遠のものとして絵にしているといえるのだろうか。陳腐な言い方だが惹き込まれるような魅力にあふれる絵でした。その魅力の核はやはり光だと思います。「まるで発光しているような絵」とは同美術館学芸員、レア・ファン・デァ・フィンデの言葉です。(『美術手帖 増刊 特集フェルメール』2012 美術出版社)実物を見た後は印刷物はどれもちがうように思って図録も買わずに美術館を出ました。

神戸の海側はきれいな街ですごくおしゃれな印象でした。旧居留地と呼ばれる地域や異人館が神戸を神戸として象徴しているところもありますが、神戸市などの一帯のエリアには何百万人もの人々が居を構え、職を持ち、そこで暮らしていること自体にそのエリアの経済のダイナミクスを見た思いがしました。人が多くて活力が感じられました。サンプルを専門に扱っている靴店や老舗のコーヒー店、25日の神戸マラソン大会の交通規制の看板、小さな飲食店を切り盛りするおじさんやおばさんに目が行きました。南京町のにぎわいも新鮮で、路上でたくさんの人が食べているのにゴミがほとんど落ちていなくてそのことがちょっとミスマッチと思われておかしかった。神戸には新名神、名神、阪神高速3号線を通って休憩も取っておよそ3時間でした。帰路は阪神高速が渋滞していたので芦屋ランプまで43号線を走りました。距離は200キロ弱。朝早く出れば現地で1日使えるロケーションで、この次はバイクを積んで行きたいと思いました。