日別アーカイブ: 2008-08-11

宮崎、三重、群馬、東京で

※ここしばらく携帯からの編集を試みたところ記事が一定量を超えると消えるということが続いたためにアップが止まっていました。PCで編集して消えた記事の再アップをします。
先週金曜日、宮崎から帰るとき、空港に行くとカウンターに列ができ始めていてなんだか様子がちがいました。聞くと落雷で滑走路に穴があいて閉鎖されているとのこと。私が予約してある飛行機もすでに欠航となっていました。翌土曜日は研修があるのでどうしてもその日のうちに帰らないといけない。再開されても席が取れるかどうかわかったものではない。やむを得ず鹿児島発に変更してもらって高速バスで鹿児島空港に向かいました。そういえば1日目の夜から激しい雷と雨でした。最終日の朝はうっすらと青空が見えていたのですが急変しました。鹿児島空港は雲が多いながらも晴れていて、虹も出ていてとてもきれいな眺めでした。フライトも快適でしたが降下を始める少し前からシートベルト着用のサインが出て少し揺れました。窓の外にはわき上がるような積乱雲がいくつもあって「天空の城ラピュタ」のシーンのようでした。翼も不規則に揺れていましたが、MD-81は軸がぶれないというのか安心感のある飛行機だと思いました。
宮崎では病弱教育の研究会で3日間会場のホテルに缶詰状態でした。全国と中央の動向、そして、教育界をリードする考え方に触れて考えさせられることの多い3日間でした。病弱教育の特別支援学校は1都道府県に1〜2校と少なく、こうした機会に情報交換をしてネットワークを築くことが欠かせません。そして、数々の制度が節目を迎えている今、目の前の事象だけでなく、今に続く文脈と今から続くベクトルの見極めの力量とセンスが問われています。広く学び、質を上げること!
出張の夜に読んだのは諏訪内晶子『ヴァイオリンと翔る』です。この本の一字一句にとても共感してしまいます。そして、不思議なことに、一区切りまで読むと名演奏を堪能したかのような錯覚があります。音楽に酔ってしまうような、身も心も奪われてしまうかのような感覚といっていいでしょうか。しかし、この本は音楽についてだけの記述にとどまらない。例えば、ジュリアードでヴァイオリンを学びながらコロンビア大学で政治学の講義を受講するに至るエピソードなど、音楽を生み出すバックボーンの層の厚さの必要性について著者自らの体験を語っている。すごい本だ。毎年重版を重ねているのも納得できる。さらにこの本を読み始めてからというもの、楽譜をみる(読む)と音楽が聴こえてくるあの感覚が戻ってきました。メモのバインダーに採譜した「MOONGATE」の五線紙がファイルしてあって、出張中のちょっとした時間にこの楽譜をみては心は“エア・ヴァイオリン”を弾いていました。この3日間会議場で休憩時間に流れていたのも葉加瀬太郎のヴァイオリンで、私は“仕組まれた”のかと思っていました。
土曜日は三重県いなば園の音楽療法セミナーに行ってきました。講師は日本ミュージック・ケア協会代表・宮本啓子音楽療法研究所長の宮本啓子さんです。参加者は150人余で会場が狭く思われました。ミュージック・ケアの理論面はここ1〜2年でたいへん充実してきており、関係性をベースにした考え方は大いに共感するところです。実技はいつもながら学ぶことが多く、2時間がほんとに短く感じました。私の担当は“音出し”で、RAMSAのスピーカー等クオリティの高い音でコントロール性もよく、私の職人気質も黙っているわけがなくていろいろと意匠を凝らせてしまいました。
昨日は全国高等学校総合文化祭のミュージカル部門に行ってきました。開催地は群馬県中之条町で、新宿から片道3時間という長旅でした。お目当ては群馬県立高崎高等養護学校のミュージカル「ライオンキング」です。養護学校(特別支援学校)の生徒が「ライオンキング」を演じて相当な評価を得ているとのでしたが、事実、素晴らしいステージでした。ひたすら演じ切ることの力が随所に見られてその“完成度”の高さに驚きました。私は音楽面のサポートも関心があって気をつけて観ていました。ステージの歌と打ち込み、生徒の歌の録音に加えて、オリジナルと思しき音源も使っているように思いました。このあたりのサポートの質が高くなければ生徒もひたすら演じることはできないでしょう。まさに総力を結集した観がありました。ただただすごかった。
その後すぐに新宿に戻って京王線で聖蹟桜ヶ丘駅に行きました。そこは「耳をすませば」の舞台のモデルとのことです。駅前には「耳をすませば」の案内板までありました。雫が猫を追いかけて渡った交差点やいろは坂、長い階段、ロータリーや街を見下ろす階段などがほんとにありました。図書館や地球屋はありません。でも、図書館と地球屋を配することでちょっとちがう空間ができることもうなずけます。地球屋もいいけど私にはヴァイオリン工房の方が身近な非日常の空間です。
そう、都会は楽器のケースを持って歩く人がほんとに多い。今回は日曜日とあって圧倒的にギターが多かった。しかもエレキギターのケースを持った“おやじ”が多かった。どんな音楽を奏でるのだろうと私はあれこれと想像してみるのでした。次に多かったのはサックスだろうか。シャイニーのケースが流行っているのかも知れない。夜行の高速バスを待っていた女性はトロンボーンのケースを背負っていました。今回少なかったのはヴァイオリンです。平日はギターより多いかも知れない。小さな子は分数ヴァイオリンのケースを持って駅の人ごみの中をいそいそと歩く。プロと思しき人はそれなりの雰囲気を纏って歩く。平日はチェロを持っている人も少なくありません。学生の頃がなつかしい。
今日、9月からの日曜日のポコ・ア・ポコの会場の予約をしてきました。日曜日も何かと用があって平均的にスケジュールを組むことができませんでしたが、8月は休みにしたので9月は月初めの第一日曜日にしました。土曜日の研修が刺激となってさらにステップアップを目指したい一心です。