日別アーカイブ: 2008-07-06

ICFへの理念の転換

出張から帰ったら夏になっていました。昨日は地元の療育サークルのムーブメントで大汗をかきました。大汗といっても気持ちよい汗です。体育館は暑いといってもまだまだ熱中症になるほどではなく、就学前のお子さんも余力があって集中してセッションに参加していました。私は出張で溜まったストレスが汗といっしょに身体から出て行くのがわかりました。子どもたちといっしょに活動することは力を分けてもらうことなのです。両義性の関係発達を実感します。私はその場でピアノを弾くというまたとないポジションをいただいているので感謝しています。
東京では赤羽のビジネスホテルから国立オリンピック記念青少年総合センターに3日間通いました。新宿湘南ラインは速くて便利ですが通勤ラッシュはたいへんなものでグリーン車が満席になるのもうなずけました。逗子行に乗るとそのまま三浦半島まで乗ってしまいたいとも思いました。厨子は横須賀に赴任していたときにバイク(ロードレーサー=自転車)で行ったことがあります。なつかしいだけでなく新たなシーンの予感があるところでした。
横須賀には国立特殊教育総合研究所(現国立特別支援教育総合研究所)の短期研修員として赴任していました。進行中の研究テーマやプロセスをオープンにする研究所の姿勢に感動の毎日でしたが、先週の東京出張でも同じ感動がありました。国立特別支援教育総合研究所の上席研究員の方のプレゼンのファイルをメーリングリストで提供していただいたのです。私が注目したプレゼンのセンテンスは「ポスト福祉国家における障害児教育(改行)場ではなく、状況の保証の重要性(ICFへの理念の転換)」です。障害者の権利条約は一定の「縛り」で、それを「縛り」とするかしないか、つまり、人としてあまりにも当たり前の日常を「権利」として示さざるを得ない現状を打開する条約のベクトルの先に何を見るかという感性を問われているのです。このプレゼンが心に響かない人は勉強をするべきだと思いました。直面する課題の解決だけにとどまるのではなく、自分の仕事の方向性をきっちり持っているかどうかが仕事の質にかかわる。それにしてもICFとか障害者の権利条約とか、欧米の考え方にリードされっぱなしは、率直なところ、当事者として不甲斐なさを痛感する。
今日は先週に引き続いて障がい児サマースクールボランティア養成講座に行きました。講師は前任校の理学療法士で、第一線のリアリティを肌が思い出す感がありました。