日別アーカイブ: 2004-09-23

いろんな色の風の花束

■音楽療法ネットワーク三重の講演会と総会、懇親会が三重大学でありました。今回の講師は二人とも音楽大学と医学部の二つの大学を卒業というキャリアの持ち主で、医療と音楽療法のふたつの枠組みが交錯する場面があってたいへん興味深い内容でした。
■パーキンソン病患者に特徴的なパーキンソン歩行の「すくみ」や「突進」の原因は脳の線条体の機能の不具合で、ペーシング、歩行リズムを保持することが難しくなるとのことです。そういえば同様の症状は自閉症スペクトラム障害のお子さんにも見受けられます。机などを一定のリズムと強さで叩く子もいればテンポも強さも急にアップしてパタリと叩くのをやめる子もいます。それは脳がその刺激を求めているからであり、自己調整をしているからです。そして、そこに何らかのケアやサポートのニーズがある。多くのお子さんは認知にも課題があるので音楽のリズムだけに頼る療育は難しい。しかし、ターゲットとなる症状と原因となっている脳の部位との関連が療育の仮説となり得る裏付けをもらったように思いました。
■大学の構内を歩くのは昨年夏の千葉淑徳大学以来です。休日も学生があちこちで何かしていました。掲示板にひしめく掲示物は大学の活気を象徴しているかのようでした。そんな中で研究職の人の話を聴くことは混沌とした私の頭の中を整理してくれます。大事なことは何かと見抜く力を教えてくれるように思っています。
■保育園から“健常”の5歳のお子さんたちへの音楽療法のセッションのリクエストがありました。セッションのあとでお母さんたちと話し合いの時間があってその資料を作っています。資料のいちばんはじめのキーワードは「セルフ・エスティーム」です。自尊感情、自分を大切にすることです。自分を愛することで誰かを愛することができる自分がある。そして、関係発達の中で子どもの心は育つ…子どもの育ちに大切なことは発達障害のあるなしにかかわらずどの子にも同じです。障害児教育の理念と考え方、そしてサポートのノウハウはどの子の育ちにもたいへん大切なはずです。
■先週は車で「風の花束」ばかり聴いていました。聴いているうちにこの歌声は杉並児童合唱団だと気づきました。私が好きな児童合唱の歌声は東京少年少女合唱隊です。まるで話し言葉のような自然な印象の歌声です。杉並児童合唱団はその対極にあるものと思っていました。でも、「風の花束」の少し荒削りな歌声を聴いて魅力を感じています。「風の花束」の頃のポンキッキ、90年代前半のポンキッキは音楽的にとても充実していたと思います。92年のクリスマス特集はビデオに録画してあって今もときどきみます。今週は映画「SWING GIRLS」にはまっています。
■ポコ・ア・ポコのブルーの花を教えてもらいました。私のイメージ通りのブルーの花です。今のポコ・ア・ポコのロゴのブルーはプリンタによって濃くなってしまうので今月新しく作ったロゴのブルーでした。同じ色が好きな人がいるんだと思うと幸せを感じます。感性の響き合い、共感はそんなものですね! 同じ空間にいるという感覚です。空間は風だと思うことがあります。いろんな色の風を花束にできたらすごく素敵です。そんな音楽空間を作りたい。