3年ぶりの対面の学会*東京にて

この土日は3年ぶりの対面開催の学会でした。そもそもナラティブベースが研究の根幹をなす領域の学会だったので対面冥利に尽きるものでした。グループワークにおいてはなおさらでした。倫理上の配慮があっての学会発表ですが研究手法上デリケートな一面があるのでその内容をここに書くのは憚られます。一般的な記述に留めますが、現象学的アプローチは数量ベースのデータでは埋もれてしまいかねない一人ひとりの経験を描くうえでやはり優れた手法であるとあらためて思いました。その手法で学校教育を研究の対象とするとき、それまで見えなかったものが見えてくる、言語化されてくる、浮かび上がってくるのは私も経験しているところです。数値化されたエビデンスとは正反対のアプローチとも言えますがそのプロセスや見えてきたものをていねいに、相手が欲しい言葉で伝える試みを続けていきたいと思いました。2日目最後の鼎談では具体例をあげてそれゆえの危うさがあるという厳しい指摘があり、会場の空気がさっと変わるのがわかりました。私は鼎談の最後までいられませんでしたがその後がたいへん気になりました。

会場は東京の大学で新幹線も3年ぶりでした。街を歩くのも3年ぶり。JRのエクスプレス予約を使うのも3年ぶりでした。モバイルSuicaとの連携は未設定なので改札で手続きをしながらでしたが駅に到着する時刻に目途がついてから手元のスマホ予約できるので券売機等に並ぶ必要がなくとても便利でした。しかも割引があって1往復すると年会費はすぐ取り戻せるという美味しい仕組みです。考えてみれば単純なことですがスマホが介在するこうしたシステムは至極便利でした。あちこちでこうしたデジタル化が進んでいて、帰路の恵比寿駅構内のパン屋で買い物するときに思わず現金を出したら店の人が「えっ!」という表情になってあたふたとおつりの用意をしているのがパンケース越しに見えて可笑しくなりました。

猛暑の東京は消耗しましたが学会でエネルギーをいただきました。やっと夏休みに相応しい勉強の時間が持てました。

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