「おひさま」

GWにNHKの連続テレビ小説「おひさま」を何回か観ていろいろ思うところがありました。昨日の『新ニッポンの外車生活』ではありませんが、時代を象徴する出来過ぎのエピソードが連なっています。このストーリーはこの番組のための書き下ろしの脚本だとか。なるほどと納得です。でも、今、このストーリーをこうして国民が最も接する機会が多いメディアに載せること自体に何かしらの意図を考えてしまうのです。明治以来富国強兵の道を突き進んできた日本が閉塞の時代に差しかかろうとしているとき、学問に触れた若者たちがそれぞれに夢を抱き、女性が自立した存在を求めて困難と立ち向かっていく姿は、ある意味、日本の底力の象徴かも知れないと思う。ヒロインたちの真っ直ぐな生き方は痛快だ。ただ、満州に夢を求めて渡る若者たちの姿は悲しい。一家で満州に渡って遺骨をいくつも抱いて帰ってきた町内の家族の話は親から何回も聞いているので重ねてしまう。戦争の影が迫る中、つつましくも明るく、夢を抱いて生きる人たちがいたことをこのドラマは教えてくれる。日本が決して忘れてはならない過去のひとつを教えてくれるドラマといえるでしょう。

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