とても早く過ぎた1週間のしめくくりは地元の特別支援学校の草刈りでした。いつも遊具の間のタンポポの花は刈らずに残しておきたいのですが作業をしているのは私ひとりではありません。タンポポの花を見つけた子どもはきっとうれしくなって友だちや先生に伝えることと思います。ひととき作業をしたら力を使い果たしたようで、後半は遊具の間の石を拾っていました。終わった頃に雨が落ちてきました。
先週の日曜日に日々草を鉢植えにして玄関前に置きました。白が4鉢と赤が6鉢で、赤は深いピンクです。雨の日は日々草の葉の濃い緑が彩度を落として深みを増します。山々の緑もいつしか深い緑色となってきました。そんな緑に包まれた道を車で走ると宮川流域の湿気を多く含んだ大気の濃さを思い出します。梅雨は生活上の影響が少なくありませんがそのシーンのいくつかは嫌いではありません。とりわけ深い緑は静かで抗し難い自然の力の存在を感じます。日本の八百万の神の思想はこの頃の深い緑の中から生まれてきたのでしょうか。雨の日に深く息をすると自分の身体と自然とが溶け合うような不思議な感覚を覚えます。
村上春樹の新刊がニュース番組で紹介されていました。『1Q84』(新潮社)です。内容がほとんど知らされていないので期待も大きいとのこと。私は急いで入手する理由もないので、つまり読む時間もないので見送ったもののやはり気になって書店に寄りましたが地方都市の書店には回ってこないのか1冊もありませんでした。自宅の本棚の奥にある文庫本の『ノルウェイの森』は1991年の発行でした。また読むこともあるのだろうかと思う。気になる作家ではあります。率直なところ「喪失感」とトライアスロンは私にとってミスマッチです。身体を鍛えると文体が変わるか、そんな見出しで彼を特集する雑誌がありました。雑誌の彼の写真は上半身裸で、引き締まった身体に筋肉の形がほどよく出ていました。酒、女、貧乏というかつての作家につきまとうイメージとは大きくちがう。煙草も。だからこそ気になる作家です。

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