日別アーカイブ: 2009-04-05

バラ、いくたびか

NHK-BS1の「関口知宏のファーストジャパニーズ 切り絵作家 蒼山日菜 フランス・スイス」で蒼山日菜の切り絵を初めて知りました。日本生まれ日本育ちなのにちがう文化圏で育ったかのような印象はどこからくるのだろうか。そして、彼女の切り絵を見たスイスのギャラリーのオーナーの言葉も素敵でした。「人は何かを成さねばならないという強い意志をあなたの作品から感じます。」それは芸術あるいは芸術的な営みこそ持ち得る力でしょう。彼女の創作の力は働いて学費を工面しながら高校を卒業したという体験などと無縁ではないと思います。番組の中の彼女はフランス人よりもフランス人らしい個人主義を纏っているように感じました。この5月には津市でも切り絵の体験レッスンをされるようです。
この番組で関口知宏がMacでピアノ曲を作曲する場面がありました。MacはG4 15inchだったと思います。ソフトはDigital Perfomerとか。Macにはすぐ使えるGarageBandがプリインストールされているから活用することを考えるべきか。知らずして云々はできない。
ここしばらくバラのことが頭の片隅にあって、かつて集めた本をあらためて開いたりネットで育てやすいバラを探したりしています。私をバラに目覚めさせたのは清水佳子『イギリス生活花日記』(婦人生活社 1997)でした。同じ著者らが書いている『私のバラに逢いたくて』(成星出版 1999)ではバラの作り方や歴史などを知りました。どちらも廃版になっているようですがこの2冊は親しみがあって大切な本です。他にバラの本といえば最相葉月『青いバラ』(小学館 2001)が興味津々です。詩は村松英子の「欲しい」(『一角獣』より)が圧巻です。「私は欲しい/ひきがねにかけられた熱い指を/丹精の薔薇を切る園丁の瞳を/岸壁に傷つく海のわき腹を」の一連は、命を絶つほどの激しい情動が描かれた2行にはさまれて、園丁の瞳が静かに、しかし、深い光をたたえて薔薇を見つめる園丁の姿が、まるで時間が止まったかのように見える。この詩を知ってもう30年になりますが私には特別な詩です。またバラを育てようとしています。アンネのバラはもう育てていますけどね…