日別アーカイブ: 2005-11-28

今夜はグールドを聴きながら

■ペンション・モーツァルトのコンサート以来、ピアノとバイオリン、チェロをよく聴きます。ずっと聴いていると、私はやはりバイオリンが好きなんだと思います。音域が高く反応が速くて感度が高いところに惹かれるのだろうか。私もそんなふうに弾きたいのですが、技術が伴わないから単に乱暴な弾き方になってしまいます。誰のために弾くわけでもないのでそれでいいのですが、ピアノに限らず楽器が弾ける環境は今の私にはありません。ペンション・モーツァルトで過ごした一夜が夢のようです。思い出すとなぜかモーツァルトのクラリネット五重奏曲イ長調K.581が聴きたくなります。
■土曜日26日は勤務校、北勢きらら学園の学校祭「きららまつり」でした。各グループで趣向を凝らした企画からは担任の先生と子どもたちとの関係性の深さが伝わって来て心を打たれました。先生たちの企画はさらに凝っていて、手作りコーナーやショーをすべて回るには2日はかかりそうでした。温水プールではテーマパークさながらのショーまであって、観た人はさぞかし驚いたことでしょう。たくさんの人に来ていただきましたが、所在地域のみなさんにもっと来ていただけるように日頃から学校経営を考えていかなくてはならないと思いました。そして、来年、創立10年を迎えるきらら学園の文脈の創造の歩みを文書にしておきたいと思うのです。
■学校祭の準備などで帰宅が遅くなる日が続いたので当日の夜は料理するものしんどくて外食にしました。その帰りにあのCDとDVD2枚2500円のセールに寄りました。パガニーニのバイオリン協奏曲1番などのCD(UCCG-7049)と、加羽沢美濃の「霧笛荘夜話」(COCQ83894)を買いました。
■パガニーニのソリストは庄司紗矢香です。オーケストラとの共演は17歳とは思えない落ち着いた演奏で、これはちょっと聴くシーンを選んでしまいそうです。でも、生演奏はちがう印象だと思います。ナタン・ミルテンシュテインの「パガニーニアーナ」がいちばん伸び伸びとした演奏で私のお気に入りリスト入りです。
■加羽沢美濃の「霧笛荘夜話」は同名の浅田次郎の小説からのinspired musicだとか。劇伴の印象もあります。描写音楽といってもいいと思います。加羽沢美濃お得意の音楽ですね!
■やはり土曜日、NHKでターシャ・チューダーの特集番組がありました。再々のまた再放送です。「人は物事の悪い面ばかり考えがちだけどそれは間違っているわ。この美しい世界を楽しまないなんてばかげてるわ。」「今が人生でいちばん幸せよ。」という90歳の彼女の言葉に大きな意味を感じてしまいます。美しいものを美しいと感じる心、感性、センスが大事。そうそう、そのことについて特集する番組がやはり今夜、NHK-ETVでありました。「ETV特集 心はどこにあるのか?」です。長時間番組なのでこれも観るのは明日以降です。
■日曜日は朝から団地の掃除、午後は自治会の仕事、夜は団地の管理組合の会議と、慌ただしく過ぎました。団地の掃除は中央公園の山の草刈りで、草刈り機を使って下草刈りをしました。紅葉も終わりに近く、たくさんの落ち葉や枯れた草に付く露が朝日に輝いてそれはそれはきれいなこと。2時間半があっという間に過ぎました。
■パガニーニを聴くとなぜかバッハも聴きたくなります。土曜日、寝る前に聴いたのはヘンリク・シェリングが弾くバッハの無伴奏パルティータ第2番ニ短調BWV.1004です。1955年の演奏ですからなんと半世紀も前、私が生まれる前の録音ですが、「今夜のコンサートで聴いてきた演奏」といっていい。実に生々しい、コンテンポラリーといっていい演奏です。
■今朝の朝日新聞朝刊のコラム「時の墓碑銘」はグレン・グールドについて書いてあります。グールドファンのひとりとして、私はこのコラムの一字一句をうなずきながら読みました。彼ほど文学的に多くを語られる演奏家はいないのではないかと思います。吉田秀和の言葉もまたすごいものだ。「桁外れに風変わりなようで、その裏に厳しい定則生を感じさせ、乾燥している半面あふれる詩情があり、何か途方もない演奏という外ない」そう、そうなんだと、意を得たりと腕組してうなずいてしまう。今夜はグールドを聴きながら眠ろう。
■アテンザは、先週、通勤途中の東名阪でフロントガラスに石が当たってヒビが入るというアクシデントがありました。その日のうちにリペアして、痕は残りましたが、これもハードな毎日の勲章みたいなものと思っています。スタッドレスは値段の安い旧モデルを取り寄せてもらうことになって、ホイールは深いグレーのアルミにしました。このホイールは気に入ってしまって夏タイヤに使おうかと一思案です。アテンザはブレーキダストがボルボ並みに相当なもので、深いトーンのホイールだと目立たなくていいかも知れません。オフセットが48mmと-7mmで、タイヤがちょっと外に出るのもいい。わずか7mmですが左右で計14mm、印象もきっと変わります。そもそもアテンザのオフセット55mmがちょっとない設定です。