「人間存在の根源をなすもの」とは?

■日曜日に川崎医療福祉大学特任教授佐々木正美さんの講演会に行ってきました。キリン福祉財団助成事業スペース版プレイセンター リソースプログラムで、主催はNPO法人体験ひろば☆こどもスペース四日市です。テーマは「子どもへのまなざし~地域で子育てするために~」です。講演は「地域で子育てするため」のノウハウではありません。子どもの育ちの本質を教えてくれるものでした。
■「人間の自立とは相互依存すること」「人間は誰もが存在する意味と価値をもっている。でも、その価値と意味は人間関係の中にしか見出せない。それは人間関係の中にしか実感し得ない。(サリバン)」「基本的信頼(Basic Trust)とは他人を信じることができること、自分を信じることができること」「基本的信頼(Basic Trust)を子どもの中にきちんと育てなくてはならない。」「基本的信頼の獲得には乳児期から幼児期にかけて信じることができることができる人と出会うこと」「育児支援は育児代行ではなく、自分自身もよその子を育てることを支援するということ」「子どもが望む他者とは親が信頼している人」…そして、エリクソンのライフサイクルモデルなど共感と納得の2時間でした。鯨岡峻さん(くじらおかたかし・京都大学大学院人間環境学研究科教授)の関係発達論の両義性と共通する考え方と受け取っています。
■「スーパーテレビ情報最前線・自閉症の我が子へⅡ奇跡の子育て奮闘記」をみました。この番組は自閉症などの発達障害があるお子さんと家族の毎日、そして、自閉症の理解のための考え方を相当ストレートに伝えています。自閉症のお子さん本人の感じ方でのナレーションもいくつかありました。学校のパラダイムへの問いかけもありました。私は価値ある番組と評価しています。
■「…広汎性発達障害(=自閉症)は、発生機序も未だに解明されていませんが、人間存在の根源をなすものについての示唆を与えてくれる興味深い障害です。」(石川 2000)という言葉の重さをあらためて思う。

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