日別アーカイブ: 2002-12-22

心理療法体験

■昨日、京都音楽療法の会の第11回研修会に行ってきました。インターネットでこの研修会があることを知り、プログラムの「アメリカの音楽療法カルテ」というレクチャーも魅力的でしたが、『自閉の子どもたち~心は本当に閉ざされているか~』(PHP新書 2002)の著者、酒木保先生のレクチャーを見つけたときはまたとない機会だとすぐ参加申し込みをしました。音楽療法の研修で酒木先生の話が聴けるというのも興味深いところでした。
■酒木先生のレクチャーのテーマは「色彩ブロット描画物語法」でした。いちばん前に座ったら声がかかってその心理療法の被験者となりました。そして心理分析も少ししてもらってドキドキしました。酒木先生は著書にもあるようにS-R心理学、stimulation(刺激)があってreaction(反応)があるという見方ではなく、R-S心理学の方法、reaction(反応)-situation(状況)の考え方を提唱しています。子どもの内にあるものを子どもが自分で引き出すようなアプローチをします。「色彩ブロット描画物語法」もそれで、実際に体験するとおもしろくて気持ちがだんだん広がってくる感じがしました。自閉症の子どもたちは自分を守るために特徴的な症状がある。彼/彼女らが守っている内なるものを治療者が共有することで子ども自身が心を開いていくのが心理療法だといえるでしょう。また、文化によって神経的な病状の出方がちがうという話もとても興味深いものでした。例えば、欧米は視線を向ける文化で、視線が合わなかったりそらしたりするのは嘘があるか自己が確立していないと見なされるとのことです。「アメリカの音楽療法カルテ」で紹介されたカルテでも視線が合うかどうかという項目がありました。自閉症の人は視線が合いにくいといわれますが、これは自己を他者の侵入から守る防衛手段と考えるべきですね。
■色彩ブロット描画物語法で私が選んだ色は、オレンジ、青、黄でした。好きな色を3つと言われて色を選ぶだけでも私の五感は全開でわくわくしてしまいました。真っ白な紙にチューブから水彩絵の具を出すとか、紙を二つ折りにしてこするとか、何でもないことなのにどうしてこんなにおもしろいのだろうと思いました。オレンジ、青、黄、この3色を選ぶ心理はいかに! そこまで酒木先生は言われませんでしたが私の何を表しているのでしょうか。
■子どもたちへのアプローチは音楽とか絵とかいろんなきっかけがある。私は音楽が好きだが音楽を押し付けてはならないとよく思う。
■「アメリカの音楽療法カルテ」は映画「レナードの朝」の舞台となったベス・アブラハム病院など6か所の病院や大学のカルテの項目をひとつひとつ見ていくというものでした。私は書式と項目の多様さに驚き、そのバックグラウンドを考えてしまいました。アメリカはおもしろいと思った。アメリカも国家資格としての音楽療法士の資格制度はないとのことです。なぜなら音楽療法の多様性が国の制度で制限されてしまわないように。自分たちでしっかりやるから口出ししないでくれ、というわけか。でも、音楽療法そのものはしっかり認知されて障害児だけでなく広く病院でも取り入れられているようです。といってもあるところにはあるがないところにはない、そのギャップもまた大きいのがアメリカらしさだとか…(この記述に誤りがあったらご指摘をお願いします。)
■会場は京大会館で医学部の近くにあります。他の会議の名称はどれもアカデミックなものばかりでした。どんなことが話題になっているのだろうと興味津々でした。
■研修が終わってすぐ会場を出て2時間17分で鈴鹿のイオン・ベルシティに着きました。2時間17分というのは、「ここまでの所要時間は2時間17分でした。運転お疲れさまでした。」とナビが言ったから(^_~)/~~~ ベルシティの無印良品でA4サイズ4穴のファイル3冊と4穴用クリアポケット100枚を買いました。A4サイズ4穴のファイルは鈴鹿まで行かないと買えません。ところがなかなか行く時間がなくて半年ぶりかな? これでやっといろんな資料が整理できます。
■そうそう、ベルシティにスターバックスが出店したはずと行ってみました。スタバは落ち着きます。いつものカプチーノに昨夜はメイプルナッツスコーンをいっしょに食べて1日フル回転した頭に糖分をあげて休めました。
■ベルシティでは島村楽器でコルグのキーボードのダンパーペダルも調達しました。ヤマハのペダルと極性が反対で、ヤマハのペダルをコルグに使うと、踏まない状態でダンパーが効く(音が続く)というおもしろいことになります。
■家に帰ったのは10時過ぎで、それから久しぶりにトマトソースを作りました。400g缶を8個使いました。いつも適当にドボドボとオリーブオイルを入れていますが昨日は計ってみました。150cc? まだまだ! 200cc? まだ! 250cc? うーん、これくらいかな…でも仕上がりが物足りない。あの金色に光る生き生きとした感じがいまひとつ。味はいつものフレッシュ&ピュアでしたがどこか腑に落ちないプロセスでした。
■先週、松阪シティマラソンの参加申し込みをしました。距離は10キロ。レースは久しぶりです。レースといっても椎間板ヘルニアのリハビリなのでキロ6分台のジョグで走ることになると思います。松阪シティマラソンは2月2日、それまでの“練習”もまた楽しみです。走ることは自分自身とのコミュニケーションだと思うl
■これも先週、ポコ・ア・ポコ ウインターセッションで使うキーボード(KORG SP200)のハードケースが届きました。ちょうどいいサイズがなくて汎用の大きなケースです。サイズは数値では知っていたものの、実物を見るとものすごく大きい。色は黒。まるで棺桶だ。ところがキーボードを入れると意外に取り回しが楽です。頑丈なケースに守られているという安心感からでしょうか。
■MPVの修理が終わりました。きれいに直りました。仕上げはオリジナルよりきれいではないかと思うくらいです。もちろん見た目はどこを直したのかわからない。でも、よく見ると、カメラの高価なレンズの評価でよくいわれる「線が細い」という表現が当たっている。聞けば、ボルボなど外車の塗装はそんなにクオリティが高いものではなく国産車の方が難しいが、ボルボのオーナーは「うるさい」とのこと。要は気持ちの問題で、そこにプロとしての技が活きる。「気持ちの問題」と「実」との兼ね合いは何でも難しいものだ。
■カメラといえば、仕事で使っているデジカメ、フジフィルムのFinePix4700Zがバッテリー管理の不具合で全く使えなくなったので銀塩を使っています。銀塩フィルム→デジタルプリントのマッチングに大いに不満です。銀塩フィルムをDPEに出しても現像の後はデジタル処理をされるようになりました。見た目は鮮やかです。でも、記憶色とはかけ離れた発色と諧調です。ニコンのレンズとの相性が特によくない。FienPix4700Z→デジタルプリントでは申し分のない仕上がりだったのでそのギャップはあまりに大きい! 今、銀塩プリントのプロセスを残しているラボはほとんどないと思います。残念です。銀塩の深く豊かななめらかな色調はリバーサルでしか味わえないようになってしまいました。そんなことを思うこの頃、キャノンのEOS D30の“偏った”コダクロームのような色調にたまらない親しみを感じます。D30は一癖あるが故に名機だと思う。フジフィルムといえば、ハッセルブラッドとの合作、ハッセルブラッドH1=フジGX645AFプロがすごく魅力的です。EBCフジノンの実力が遺憾なく発揮されるカメラだ。フジフィルムのハニカムCCDのデジタルバックが発売されたら最強のシステムとなるだろう。これはある!