日別アーカイブ: 2020-06-08

FUJIFILMとCanonの“絵”

朝日新聞系列の『アサヒカメラ』が今月発売の7月号をもって休刊することを知りました。発刊は94年前とか。私の年齢をはるかに超える年月を歩んできた紙媒体のカメラ雑誌が休刊するのはやっぱり惜しいものだ。数あるカメラ・写真雑誌でいちばんたくさん購入してきたのも『アサヒカメラ』のはずです。私のカメラ好きは父ゆずり、そして、中学校3年生のときの担任の先生の影響があります。修学旅行の新幹線の中で担任の先生が開いていたのも『アサヒカメラ』でした。最終号の予約はしましたが、その1号前の6月号の特集は「いまこそ、フィルム!」で面白く読みました。フィルムは今も68種類が販売されているとのことです。出荷が終わっているものも含まれますがこの数はデジタルカメラのメーカーが苦心する絵づくりよりも多いのではないでしょうか。かつては目的や状況に応じてフィルムを使い分けていました。今後も今しばらくはそれができそうですが、ここ何回かFUJIFILMのX30を持ち出してフィルムシミュレーションのポテンシャルに驚いています。私のメイン機種はCanonでこれまでも山行にはEOS M3を携行していましたが、電子ビューファインダーを着けたときどこか脆そうで取扱いの気遣いが煩わしい。それで難しいコースの山行のときはX30を持ち出しています。どのカメラを携行しているかが撮れる写真を一定決めてしまいますが、レンズの焦点距離やセンサーの条件は大きいものの見応えというか目を惹きつけるファクターはやっぱり現像エンジン、絵づくりだということに行きつくのではないだろうか。そのなかでフィルムシミュレーションというフィルムメーカーの強みを前面に出しているのはやはりFUJIFILMだと思います。ベルビアの青空や若葉の色は紛れもなく人工的な加工色ですがそれに惹かれ納得してしまうのは人間の脳です。いわゆる記憶色ですね。他のフィルムシミュレーションも含めて、このあたりのノウハウは素人の私が見てもFUJIFILMにアドバンテージがあることがわかります。直近の山行でもその魅力的は絵づくりは大げさですが圧巻だと思っています。ただ、私はCanonでフルサイズのシステムを組んでいるのでシビアな条件のときはやっぱりCanonです。Canonの絵づくりもかなり作り込まれている思っています。色はやや暖色系のパステルカラーか。とにかくずっと見続けても目が疲れない。このことは写真にとってとても大切なファクターではないのだろうか。映像の記録性やメッセージ性といった文化のエッセンスが宿っているように思われる。いつどのカメラを持ち出すか、それは撮りたい写真や荷物の量といったその時々の迷いや勢いで決まってくるのですが「当たり」の確率を上げていきたいものだ。

アイキャッチ画像は昨日の藤原岳山行のときFUJIFILM X30のフィルムシミュレーションをVelviaに設定した「撮って出しjpeg」です。