日別アーカイブ: 2020-05-23

新聞の切り抜きのスクラップ

新型コロナウィルスの感染拡大の兆しが感じられるようになってしばらくぶりに新聞記事の切り抜きとスクラップを始めました。今回のそもそものきっかけは2月19日、千葉県で虐待で命を落とした当時10歳の小学生の手書きの「自分への手紙」の写真を残しておきたかったことにあります。「未来のあなたを見たいです。あきらめないでください。」という最後の一行は「未来のあなた」という他者に希望を託したい今の自分のつらさが投影されているように思われて目が留まりました。そして、次第に新型コロナウィルスの感染が拡大して様々な記事をスクラップしてきています。ウィルスそのものの記事はほとんどなく、社会系と人文系がほとんどです。目に留まった記事を切り抜いてたまった記事を順に見ていくと自分の目の付け所が浮かんでくるように思います。キーワードのひとつと思うのは「言葉」という言葉です。いくつかの記事の複数の筆者が直接そのことに言及しています。「肝心なのは、私たちは新しい状況に直面しているということだ。それゆえ、言葉を吟味し、ときに新しい言葉を学ぶ必要も出てくる。」(古田徹也記「にじいろの議」朝日新聞20200520朝刊)など。また、「言語化」や「ネガティヴ・ケイパビリティ」も然りです。政治家の「言葉」はわざわざ何をか況やである。私は、コロナ禍だけでなく学校教育分野でも「新しい言葉」が必要ではないかと考えています。教育の最前線の子どもたちと先生の様々な営みで絶えず生成される意味を表す言葉です。確かな言葉を見つけることは困難ですが、そのことを語る言葉はもっと豊かになってほしいと思っています。不寛容な出来事を伝えるニュースやそうした話を聞くたびに言葉の貧困を思います。新聞をしっかり読むことは私にとって言葉のレッスンです。しばらく切り抜きとスクラップは終わらないでしょう。