トラベラーズノート in 京都

昨日は“トラベラーズノート in 京都”へ。早く着いたので京都駅のオープンカフェに寄って温かいコーヒーとアップルパイで遅くなった朝食としました。いきなりの秋の到来にジャケットがちょうどよくて、クールビズにもかかわらず大汗をかいていた金曜日はいったい何だったのかというくらいでした。
恵文社のギャラリーでは早くからたくさんの人がカスタムシールを自分のノートに貼っていたり、スタッフと情報交換をしたりしていました。「いい光沢ですね」「フランクリン・コヴィーを使っていたときのモウレヴィークリームを塗っていますがもう1年以上塗ってません」「これはラパナーです」という具合です。ほどなく中目黒にオープンする“ファクトリー”限定のスタンプなどの品定めをしてたら中央のテーブルから驚きの声が上がりました。パンパンに膨らんだパスポートサイズで、厚さは4cmはあろうというもの。しかも2冊。ツィッターではまるでメガバーガーと評されて言い得て妙だと感心。レギュラーサイズに3冊で重いと言っていてはまだまだ初心者だと思いました。
たかが手帳、されど手帳です。モレスキン使いもかなりの猛者がいますが、トラベラーズノートはカスタムに熱を上げるアプローチの方法もあって、発売5年にしてその周辺には熱心なファンを集めています。私もすでに3冊持ちで、5周年記念のキャメルは名入れをしてもらって温存しています。帰りのバスでカスタム用のシールを入れ直していると後ろの席から「行って来はったんですね」とうれしそうに声をかけられました。夫婦でトラベラーズノート使いのようすでした。
恵文社一乗寺店は京都左京区の町中にあって、本や雑貨のセレクトショップといえばいいのだろうか。音楽CDも置いています。店内はちょっと前の本屋さんの佇まいで、店の基調色はダークブラウンです。天井はたしか黒塗りの鉄骨で、ギャラリーの床は傷んだ板張りです。客層はその店内の雰囲気そのままのような人が多くて、自分がここで何を求めようとしているのかがはっきりわかっているような落ち着きを感じました。京都だからそこにあると思えてきました。
昼過ぎには帰路につくという慌ただしい京都行でしたが絡んだ思考回路を解きほぐすにはほどよいトラップでした。電車だったのでマンウォッチングもたくさんできて思うところも多々ありました。この年になって初めてわかることの何と多いことかと思います。
帰りに昨年京都駅前にオープンした大型カメラ店に寄ったら女の人が熱心に店員に質問していたり、ストラップ売り場ではいかにも女性をターゲットにしたデザインのものが多くを占めていたりと、地方にいてはなかなかわかりませんが女の人のカメラ熱も相当なものと目の当たりにしました。そういえば恵文社のギャラリーにも首にかけた一眼レフでトラベラーズノートの展示を写真に撮っていた女の人がいました。
夜は録画したNHK「世界ふれあい街歩き〜パリ オペラ座界わい」を観て、おしゃれとか身だしなみとか、語るべき自分をもつことの大切さについて考える。「音楽とは語るべき自分をつくり、持たせ、守らせるもの」という大阪の“街のピアノの先生”の北村智恵の言葉を思い出しました。日本は誇れるものがたくさんありますが、何か欠けているものがあるように思えてしまうのは私だけではないでしょう。これも昨日録画したNHK「らいじんぐ産」でのホストの佐藤可士和の言葉がひとつの示唆をくれています。「僕の仕事はいろんな企業を通して日本の物作りを世界にプレゼンテーション、コミュニケーションする機会が多いのですが、日本人は自分たちの強みに気づいてないことがたくさんあって、横串でみることがなかなかで(きなくて)、それは西洋の人がうまいと思っていて、わりとコンテンツがあるのにコンテクストがつくれなくて、そういう文脈がつくれると今まであるコンテンツがいきなり輝きだす、光輝くとすごく思う。」 この言葉に私はなるほどと思ってしまいました。“外の目”を持つことは大切だ。自分で持てなかったらそういう場に自分をさらすこと。飛躍するようだが教育の役割もそこにあるのだと思う。

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