情報ツール

「iPhoneを含めた文具」と「手帳を含めた情報ツール」の話です。翌年の手帳が出回る11月頃になると4月から使う手帳はどれにしようかと考えることが増えます。iPhoneがあってもハードコピーとしての手帳は必要です。これまで7年間フランクリン・コヴィーを使ってきましたが、出張が増えて、また、休日も手帳が手放せなくなってあの大きさがネックとなってきたので思い切って一般的なバイブルサイズにすることにしました。バインダーはジャストリフィルサイズとよばれるコンパクトサイズで、1日2ページのデイリーとノート用の24mmと、マンスリーとメモの携帯用の11mmを使い分けます。大事なメモはScanSnapでPDFにしてEvernoteでクラウド化することでiPhoneで読めるようにします。ちょっとしたメモやアイデアはiPhoneからEvernoteにアップしてストックしておきます。iPhoneの操作がためらわれる場面ではメモのRHODIA#11も使います。こう書くと煩雑な印象がありますが、ここしばらく試してみるとスピード感があって使い勝手がいいことがわかってきました。
こうした情報ツールの組み合わせは堀正岳&佐々木正悟著『iPhone情報整理術』(技術評論社 2009)がたいへん参考になりました。ハイテクの活用は最先端のイメージがありますが、メモ帳というローテクも組み合わせて、なぜそれらを必要としているかという苦肉の策に人間味を感じて共感します。この本では本1冊をPDF化する方法も紹介されています。これもなぜ本1冊をPDF化するのかというところに私も思い当たるものがあるのです。資料として必要なことがあるだけではなく、発想のための間接的でありながら本質を突くかも知れない情報は一定期間身近に置いておきたいことがあります。ところで、本1冊をPDF化する方法とは大型の裁断機で背を切り落としてScanSnapでスキャンするというものです。本の背を切り落とすという発想はそれとなく想像はしていたものの、貧乏性ゆえにまさかと思っていましたが、果たして背を切り落とすということがわかって納得しました。この本は裁断機の写真まで載せているところもおもしろい。
文具といえば、『筆談ホステス』の著者はRHODIA#11を使っているとのことで、カバーの写真を見るとたしかにRHODIAでした。万年筆の銘柄も話題になっているようです。RHODIAも万年筆も欧米の文化の中で生まれたもので相性はいい。仕事の場面で選ばれているのもわかるように思います。
万年筆をいちばんよく使ったのは、10年前、国立特殊教育総合研究所(現国立特別支援教育総合研究所)に短期研修員として赴任していた頃で、私は万年筆を常用としていました。大阪心斎橋の東急ハンズで2,000円で買ったアルミの軸で硬いペン先でした。インクはヨーロッパタイプとよばれるカートリッジ式で、モンブランのロイヤルブルーを使っていました。いちばん鮮やかなロイヤルブルーと聞いたからです。明るいブルーで気に入っていたのですが、水性インクなので長持ちしないとのことでした。せっかくのノートが消えてしまうのかと少なからず焦ったこともありましたが10年を経た今も読むことができます。ノートは3穴のリフィルのアメリカサイズを使っていました。この組み合わせがお気に入りで、宿舎から大きなノートを抱えて講義棟に通いました。その万年筆は帰ってくるときに見当たらなくなってしまって残念なことをしましたが、600ページを超える講義ノートと当時の資料は私の宝物となっています。
しばらくはそんな手作業で回っていたのですが、いつしか状況の変化に追いつかなくなったことを痛感することが増えてきました。これでもかというくらいの膨大な情報量と正確さが必要になってきました。ノートやハードコピーでは求められるスピードに追いつかないのです。情報が散らばっていて活用できない状態です。情報の統合ということでは、パソコンもインターネットやLANでつながっているだけでは本の立ち読みやFAX、単機能ワープロの域を出ないように思います。モバイルはこれからもどんどん進化していきますが、iPhoneとパソコンをクラウドでつなぐ発想は生まれるべくして生まれたように思います。人間でいえば感覚統合でしょうか。
それにしても、そこまでして仕事をしようという現代人のエネルギーもまたすごいものだ。自分でもあきれることがあります(-_-);;; ただ、こんなことは24時間365日続けているわけではありません。気持ちの切り替えも必要で、その時間を生みだすために情報ツールを使っていると思っています。あと、仕上げはポメラ、かな…
昨日の朝日新聞「be on Saturday」はアショカ創設者のビル・ドレイトン氏でした。社会起業家の考え方はこれからの社会形成に大きな力を発揮するものと思います。従前の制度ではカバーできない課題をアイデアで解決するプロセスを多くの人が学んでほしい。「共感力など人を動かす能力」や「改革のアイデアを実行に移す力」こそ必要だという氏の言葉は頼もしい。世界に散在するリソースをつなぐ個人の発想が大きな役割を果たす日は遠からずやってきます。

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