持続可能な教育

3日間の熊本出張から帰ってきました。熊本はずいぶん暖かく、冬服では暑くて体力を消耗してしまいました。空は3日間とも真っ青な晴天で、熊本城の天守閣の壁が白く輝いて見えました。市電の窓は開いていて気持ちのいい風が首筋をなでていました。市電は帰るときに初めて乗ったのですが、乗った瞬間にタイムスリップしたかのような錯覚がありました。木の床に引いた油のにおい、加速するモーターの音と線路に軋む車輪の音、空気を圧縮するコンプレッサの音、静かに席に座る動かぬ人たち…円熟の町、そんな言葉が浮かびました。少々のことでは動じない町のように思いました。
熊本では全国病弱虚弱教育研究連盟研究協議会に出席していました。全国の病弱教育の実践報告も然ることながら指導助言の言葉にただならぬ胸騒ぎを覚えました。多くは書きませんが、子どもたちをとりまく私たちの意識と制度がパラダイムシフトをしない限り持続可能な教育・社会は望めないのではないかと、そんな危機感すらかすめます。そんな中でNISE(独立行政法人国立特別支援教育総合研究所)のブレインはやはり冴えわたっていました。私たちはどこに向かおうとしているのか、ひとりひとりがしっかり自覚するときがきているものと思います。持続可能な教育については自分の言葉でまとめていきたいと考えています。
帰路、博多で新幹線のプラットホームに上がって目が丸くなりました。なんと、500系に乗車することになっていたのです。500系は私がいちばん好きな新幹線です。航空機のような丸いボディ、窓さえもカーブしていて、だから車内は狭いのですが、ロケットのようなメタリック調の外観からはちょっと想像できない暖色系のパープルのシートとアクセント、そんな列車が最新のテクノロジーで疾走することに戦慄を覚えます。コンコルドの美学と通じるところがあります。500系もコンコルドも生き残れないのですが、根強いファンは少なくない。今日も博多駅で先頭車両を写真に撮ろうと数人が順番に場所を譲り合っていました。

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