再結成ザ・フォーク・クルセダーズの真髄

この前の日曜日に小一時間歩いたとき汗が冷えて風邪気味になったのかと思っていたら、どうやら花粉症の症状が始まったようです。目がかゆくなってきました。それでもひと頃の重い症状を思えばなんのことはありません。
NHK-BSで「道」という映画が放送されたので予約録画をしました。フェデリコ・フェリーニ監督の「道」です。これを観るのは十数年ぶりかも知れません。観るといっても録画の確認のために始めの数分を観ただけですが、私はこの手の映画にはめっぽう弱くて、瞬きもせず固まって観てしまうか涙なくしては観られない。「鉄道員」も「自転車泥棒」も、そう、「イタリア貧乏物語」とでもいうべき映画です。なにもイタリアでなくてもいいのですが、これらの作品は象徴的な存在です。「鉄道員」はスーパーで赤ワインのボトルを見かけるだけで思い出してしまうし、DURALEXのピカルディーというグラスが好きなのもこの映画が理由です。DURALEXはフランス製なんですが!
34年ぶりに“再結成”したザ・フォーク・クルセダーズのライブ盤「新結成記念 解散音楽會」は高い音楽性とウィットに富んでいて、今週、アテンザでいちばんよく聴きました。疲れもしばし忘れて安全運転です。まず、ギターのテクニックが絶妙で、音もすごくきれです。3人の音楽のやりとりやかけひきがおもしろい。そして、詞がいい。「戦争を知らない子供たち」の詞のメッセージはリベラルでヒューマニズムにあふれていて共感します。「今日の料理のテーマ」の「みんなで食べようビーフ、みんなで食べよう鯨、一つ残らず食べようグリンピース」「みんな自然の贈り物だから」
とさりげなく歌うのは痛快! 豪州ではカンガルーの肉がスーパーで並んでいるとのこと!
「あの素晴らしい愛をもう一度」も久しぶりに聴きました。この歌は音楽療法や特別支援教育のことを話すときに私がよく“歌う”のですが、それは間主観性 intersubjectivity の説明です。「あの時 同じ花を見て 美しいと言った ふたりの心と心は もう通わない」というフレーズは、恋するふたりだからこそ花の美しさもいっそう印象的になる、つまり、美しいという主観的なとらえが交わることで自己肯定感や互いに惹き合う気持ちがより強く感じられるという営みがすべて過去のことになってしまってさみしいということで、関係性と間主観性を説明するにはいちばんのエピソードです。
今日、バックパックにEOS Kiss DXを他の荷物といっしょに詰め込んだらレンズ Tamuron A16のフードを取り付けるリングの固定がはずれてしまってガタガタになってしまいました。撮影には影響はありませんがボディはあまり頑丈ではなかったようです。修理に出すべき、でしょうね。A16の代わりにEF 20〜35mmを着けてみました。このレンズはEOS D30といっしょに購入した古参で、前任校で毎日のように使ってその色に魅了されてしまいました。色がLレンズと見紛うやわらかさで、画像管理ソフトのサムネイルを見るだけでそれはすぐわかります。子どもの肌がすごくやわらかくきれいに撮れます。一見アバウトな画像だけどモニタで拡大すると実用以上にシャープで、フィルムカメラで撮ってもデジタルカメラで撮ってもその特性が生きる写りは立派です。レンズにお金をかける意味が納得できるレンズです。20〜35mmはAPSサイズのEOD Digitalだと32〜52mmで“出張”用にはちょっともの足りないけど普段使いとしてライカを使っていると思えばその制限もまた心地よさがあります。寄らないと撮れないので被写体との距離感を縮める。ただ、ただ、歪曲が大きいところが文字通り“玉にキズ”です。

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