音楽学の復権

■4年目の5月のポコ・ア・ポコは13家族のみなさんに来ていただきました。プログラムが進むにつれて曲の終わりの“静”がピタリと決まって見事でした。すごい!
■新沢としひこ作曲「はらぺこあおむしのうた」は絵本の言葉のほとんどそのままが歌になっています。ところどころちょっとない音が交じっていて曲の彩りになっています。この歌は生ピアノで弾く方が歌の表現やアーティキュレーションが生きるとの判断です。歌のピアノ伴奏といえばピアノもソリストの如く奏でるシューマンの歌曲が好きなのでついつい冒険をしたくなります。かつて聴きこんだ音楽が私の文脈になっています。今日、音楽療法の勉強をしているポコ・ア・ポコのスタッフから「自分自身の音楽史」を書いていると聞いたことを思い出します。音楽療法の数は音楽療法士の数だけあるとはよく言われるところです。平均寿命が80歳とはいえ、その長い人生の中で音楽の好みはそうそう変わるものではありません。母語や生活環境、社会背景などさまざまなファクターが影響し合う中で音楽と出会い、自分の音楽観が形作られてくるのでしょうが、ある音楽が自分の人生に大きく影響していると感じている人は少なくありません。これは、音楽そのものについて語られるべきものであり、音楽療法が音楽そのもののパラダイムで語られることの意味の大きさを示しているものと私は考えます。音楽療法においても音楽学の復権を期待しています。

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