F-1マシン

■トヨタ博物館に行ってきました。順路は自動車の歴史を順に追っていくように設定されています。私はあまりに古いものよりも1950年代以降のモデルに魅力を感じますが、スポーツカーだけはいつの時代でも美しいと思う。ゆっくり見て回って写真もたくさん撮りました。ところが最後にトヨタのF-1マシンを見たときはそれまで見た数々の車たちがどこかに飛んで行ってしまって目が釘付けになりました。なんと美しい! 戦慄しました。空力を追求するとそうなるのだろうか。直線も曲線も面もすべてが美しくて危ういほどのバランスで形となっていた。カーボンファイバーのマテリアルの織り目もアートと思えるほどだ。写真もたくさん撮ったはずなのに帰って見たら7枚しか撮ってなかった。ただただ見惚れてしまいました。3階のライブラリーで雑誌を見ていたら鈴木亜久里が率いる「スーパー・アグリ・カンパニー」のインディのマシンの写真があって、これも美しいマシンでした。
■カメラはEOS D30を持って行きました。博物館は意外に暗くてISOを200に設定してもシャッター速度は15分の1程度です。こんなときのレンズはEF28~135ISしかありません。まさか三脚を立てるわけにはいきませんから。ISの威力はやっぱりすごいものです。広角レンズにも搭載してほしい。ところがトヨタ博物館のライティングは写真撮影には向きません。光が均一ではなくコントラストが大きい。太陽光が当たっている逆サイドにはタングステンが当たっているし、スポットの反射を避けようとするとバックが整理できない…などなど! とにかく露出が難しいのですが、D30はヒストグラムでデータを確認できるので助かります。
■このところSLR(一眼レフ)デジカメの高画素数化が進んでD30は影が薄くなってしまいました。D60と比べて叩かれています。だけど、ちょっと待ってと言いたい。D30は今も十分魅力的なカメラです。ハードの発達が私たちの感性を新しいページに誘うことに抵抗はありません。でも、人間の感性、感じ方はもっとゆっくりでウェットなものです。D30の色調のちょっと気難しいところはさながらコダクロームです。今まで個性派フィルムをいかに使いこなすかということでフォトグラファーの技術とセンスが磨かれてきたではないか! 短期間でしたがD30は一世代を築きました。D30は中古市場で品薄です。リベンジはある! と、これはD60を買えないが故のあがきなのかなぁ…。

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