日別アーカイブ: 2020-08-04

信州教育幾たびか

今日、信州教育の本3冊が届きました。中村一雄『信州教育とはなにか』(上・下)(信州教育出版 2011)、今井信雄『『白樺』の周辺-信州教育との交流について-』(社団法人信濃教育会出版部 1975)です。『信州教育とはなにか』は2冊セットでなかなか手が出なかったのですが古書店サイトで程度のよいものが見つかっての購入でした。開くともっと早く手元に置きたかったと思いました。信州教育と西田哲学との経緯が詳しく記してあってその部分だけ急いで目を通しました。『『白樺』の周辺-信州教育との交流について-』は45年も前の本でたいへん貴重な1冊です。扉には著者の署名と「謹呈」と毛筆で書かれた栞が貼ってあります。所謂文芸分野の白樺派と信州の教育者たちとの関係の詳細な記録です。信州教育はキリスト教者との関係も深かったのですがこうした人道主義や哲学と近しい経緯があったことは教育そのものを考えるうえでたいへん興味深いものです。あと、ここ1週間ばかりでそろえたのは、臼井吉見『安曇野』全5巻(筑摩書房 巻末「作者敬白」1965~1974)、市民タイムス編『臼井吉見の『安曇野』を歩く』全3巻(郷土出版社 2006~2008)、東栄蔵『信州の教育・文化を問う』(文藝出版 2012)、同『信州の近代文学を探る』(信濃毎日新聞社 2007)です。信州教育を丸ごと知りたいと思う。

この5月から7月にかけて、初任者研を担当している特別支援学校の先生とのやりとりの中で退職後勉強してきたことの節目になるような文を図らずも書くことになりました。引用もありながらですが2文書でA4ペーパー24枚になりました。昨年、ある大学の先生から本を書いてみてはどうかと声をかけていただいたことが頭の片隅にあっていつか書き出してみたいと思っていたのでその一歩を踏み出すことができたように思います。書き出しは今年訪れた信州の小学校でのエピソードに落ち着きました。職員研修としての哲学書の読み合せや“森の教室”でのオオムラサキの幼虫を探す学習で私自身が経験したことです。現場に行かないとわからないことはたくさんあります。教育ではなおさらだと思います。新型コロナウィルスの感染の広がりで今後しばらくは勤務校以外の学校を訪れる機会はないものと思います。退職後の2年間で訪れた学校や学会、研究会、講演会は30を超えるのではないのだろうか。今思えばすごく貴重な機会でした。オンラインのよさもわかりますが現場にわが身を置くことでしか知り得ないものはたくさんある。