いくつかの音楽シーン

昨日今日と終わってみれば走りに走って300km超という距離でした。仕事と所用とついでの用事、おまけに台風対策が付いてきました。インプレッサで移動中ずっと聴いていたのは佐野元春でした。先日録画したNHKの「名盤ドキュメント 佐野元春“ヴィジターズ”NYからの衝撃作 30年目の告白」を観始めたら音楽を分析的に聴くことの面白さと全然旧さを感じさせない当時の彼の音楽にとりつかれてしまいました。24トラックの録音パートを足したり引いたりしながら組み合わせて聴くシーンは面白い。そして、ニューヨークでレコーディングした「VISITERS」の緊張感がたまらない。このアルバムは日本では意外な印象を持った人が少なくなかったようですが、でも、これはあることだと思いました。例えば、MALTAの「EXCELSIOR」や松田聖子の「Citron」はアメリカとの縁が深いアルバムで、どちらもちょっと異質かなと思える肌合いやどこまでも抜けるような音が印象的です。佐野元春の「VISITORS」も同じ香りのするアルバムと思っています。襟を正して聴いてしまうところがある。音はクールですが緻密で、聴くときやっぱりテンションを要求されてしまう。でも、これは嫌いではない。

昨日は所用にちょっと足を延ばして名古屋の弦楽器店までヴァイオリンの弓の毛替えに行ってきました。その店は名古屋市立科学館の向かい、白川公園の横に移転していました。高く伸びた並木の前に立つやはり背の高いビルの3階の窓からはヴァイオリン工房が見えました。店内は落ち着いた濃い色の木の壁でした。もちろんそこでは毛替えの話が日常会話のようにできました。こうした意匠の店にこうした人たちが集い、こうした話がふつうにできること、そんな空間からはここしばらく遠ざかっていました。そして今日は、勤務校隣接の病院のエントランスでコンサートがあって小編成のオーケストラを聴く機会がありました。入院患者はベッドや車いすでしばしのコンサートに聴き入りました。これも非日常ですが目の前に展開するひとときでいいものでした。12月には勤務校の子どもたちのクリスマスコンサートもそのエントランスであります。これはちょっとしたサプライズです。

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