日別アーカイブ: 2013-01-12

自転車で走る京都の街

京都で少し時間がありそうだったのでバイク、自転車を積んで行きました。京都の街を自転車で走るのは学生のとき以来で実に32年ぶりでした。自転車に乗って走ると風景が一変するように感じるのはどうしてでしょうか。身軽だし視点は高いし、そうそう、ゆっくり走っても感じる風の変化で空気感がちがう。4年間自転車で走り回った京都のこと、その記憶が身体からよみがえってくるようでした。

私がまず向かったのはリチェルカーレのあった百万遍でした。リチェルカーレはタンノイのオートグラフで古楽からモーツァルトまでを聴かせてくれた名曲喫茶でベレー帽をかぶったおじいさんがマスターでした。どうしてその開店を知ったのか思い出せないのですが開店して間もない頃から卒業まで通ってペーター・シュライアーが福音史家を歌うバッハをよくリクエストしました。リチェルカーレは私が大学を卒業して1年後の夏に行ってみるともう店が変わっていてその痕跡すらなかったことがすごく残念でした。開店のメッセージは赤い厚手の紙いっぱいに綴られていて、大事にとってあったのに実家に戻ってくるときにどこかにまぎれて見失ってしまいました。せめてそれだけでも残っていてほしいと思うほど当時の私には大切な空間でした。そんな記憶がいっぱいある街だということを自転車で走ると身を以て知ることになりました。この季節、物好きに自転車を積んで走る車は私のインプレッサくらいでしたがこのパーク・アンド・ライドにははまってしまいそうです。