日別アーカイブ: 2001-10-06

テロと音楽

■『筑紫哲也のニュース23』でアメリカのテロと音楽をめぐる動きが特集されました。私はいつしかテロ後のテレビ報道の音楽に耳を傾けるようになってきました。アメリカ国歌が多く歌われることは予想していましたが、アメリカのメディアが特定の曲の放送を自主規制するまでになっているとは知りませんでした。ジョン・レノンの『イマジン』もそうだというのです。オノ・ヨーコはジョンのトリビュート・コンサートで平和を訴え、「逆風」を受けているとのことです。
■坂本龍一が筑紫哲也に送ったメールが紹介されました。「…音楽に何ができるのでしょうか。音楽はただのなぐさめでしょうか。…音楽を鼓舞するために使っている…。音楽は硬直した私たちの心を解かしてしまう…」 続いて筑紫哲也は「音楽は使いよう…今では反戦歌…音楽が持っている力が大きいだけに恐いものがある。」としめくくりました。
■それにしても、今回のテロにかかわってメディアに取り上げられる音楽にはどれも“力”を感じます。強いアメリカと結束を呼びかける音楽も、反戦と平和を呼びかける音楽も、メッセージは全然ちがうのにどちらにも“力”を感じます。テロに反応したミュージシャンはメッセージをこめて歌う。きく人はメッセージを読み間違えてはならないし、きく自分をしっかりもたなければならない。
■大阪の町のピアノの先生、北村智恵の言葉はこんなときいつも思い出します。(1985年頃、三重県津市で開催された北村智恵の公開レッスン後の講演から)

音楽とは自分自身を語ること
音楽とは自分自身と語ること
音楽(教育)とは語るべき自分をつくり、もたせ、守らせること
音楽など芸術は人が幸福に生きていけるための感性を養う手段

■私もまた仕事で音楽を使うので責任は重いものがあります。