日別アーカイブ: 2001-08-24

トマトソースとパエリヤ

■久しぶりにトマトソースを作りました。寸胴の中のトマトたちはまるで砂金のように点々と金色に輝くオリーブオイルとほどよくなじんでいきます。トマトたちはイタリア生まれ、オリーブオイルもイタリア生まれだから、この極東の地のお鍋で再会ですね。そして日本の野菜たちといっしょになってスリリングな味を作っていきます。何回作っても少しずつ味や香がちがいます。
■私が作るトマトソースは東京銀座の“ラ・ベットラ・ダ・オチアイ”のレシピです。すごくレアなトマトソースです。素材が生きているのです。“ラ・ベットラ・ダ・オチアイ”は日本でいちばん予約がとりにくいレストランといわれています。でも、ランチは当日の予約順なので、この1月にランチを食することができました。どのディッシュもはっきりしたキャラクターをもっていて、私の舌は目を白黒? そこで、トマトソースのパスタにチャイブが入っていることにびっくりしました。トマトソースもレアっぽいけど、チャイブのレアっぽさはまた格別です。シンプルで大胆なアイデアに感動してしまいました。
■今回のトマトソースにはタマネギのみじん切りを入れました。理由は、冷凍のトマトソースを使うときは時間がないときが多くて、タマネギのみじん切りをしなくてもいいようにするためです。もちろん、タマネギの味も香も歯ざわりもちがってきます。でも、これが現実的な選択なのです。“ラ・ベットラ・ダ・オチアイ”のレシピとちがうところです。
■イタリア料理が好きだ!と意識したのは、昨年、横須賀に単身赴任していたときでした。食堂の食事がいまいちで、おいしいものが食べたい食べたいと思っていたとき、青山のクレヨンハウスに行って、気がついたらイタリア料理の本ばかり立ち読みしていました。家に帰ったら自分で作るんだ! 地元のイタリア料理店も一通り回ってますますその深みに…また時間が足りないではないか!
■ここのところ、パエリヤが気になっています。志摩スペイン村でパエリヤの鍋も買ってきました。素材を生かす、オリーブオイルをふんだんに使う、というあたりはイタリア料理とすごく似ているんだけどな…どうしてパエリヤはイタリアに生まれなかったのだろう。なぜスペインに? この秋はパエリヤに挑戦です。