日別アーカイブ: 2001-06-10

大城梨花&大城杏花のトワイライトコンサート

■6月9日(土)アスト津のギャラリーで大城梨花と大城杏花のフルートとピアノコンサートがあって行って来ました。会場は展示会などの多目的ギャラリーで、東側が床から天井まで全面ガラス張りとなっています。ギャラリーなので当然天井は高く、アルミの格子に区切られた窓からは津の街並みと伊勢湾が見渡せるという、それだけでキャンバスとよべるような空間でした。
■プログラムは、『愛のあいさつ』(エルガー)、『からたちの花』(山田耕筰)、『ひき潮』(マクスウェル)、『セレナーデ』(シューベルト)、『月』『想い』(大城梨花)、『熊蜂の飛行』(リムスキー・コルサコフ)、『亡き王女の為のバヴァーヌ』(ラヴェル)、『春をよぶ雨』『海に眠る』(大城梨花)、『ロミオとジュリエットからモンタギューとキャピレット、少女ジュリエット』(プロコフィエフ)、『革命』(ショパン)、『新世界より第2楽章』(ドヴォルザーク)、『ソナチネ』(サンカン)です。
■私は大城梨花のオリジナル曲がききたくて行きましたが、プロコフィエフの『ロミオとジュリエット』をプログラムに見つけてうれしくなりました。近頃またこのバレエ音楽を夜な夜なきいているからです。
■照明はギャラリー用のタングステンライトだけで、正面のガラス窓は時間とともに暗くなっていきます。
■大城梨花のフルートは常に高いテンションでコントロールされている音です。きいていてその緊張感と込められたメッセージがよく伝わってきます。とくに彼女自身の作品で生き生きと奏でられます。作曲も含めて、地方都市でこうして自分のペースで音楽活動を続けている音楽家は多くありません。敬服しています。
■大城梨花の作品はきくたびに“同時代”(コンテンポラリー)ということを意識してしまいます。今、同じこの時を生きる者のメッセージとして共感があります。彼女の作品は“癒し”ものではありません。うまくいえませんが、きく自分の中で“昇華”する何かがあるように感じます。
■『ロミオとジュリエット』は、ピアノがアップライトだったために音にならなかった音がたくさんあって残念でした。速いパッセージで鍵盤が戻らないのです。フルコンサートのグランドピアノでこの曲を弾くのは並大抵なことではないでしょうが、一度きいてみたいと思いました。